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知事選へ「オール静岡」構築急ぐ 大村氏は会見先行、あいさつ回り 鈴木氏、経済界との連携印象付け

 川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)は、元副知事の大村慎一氏(60)が立候補を表明し、前浜松市長の鈴木康友氏(66)も15日に正式に出馬表明する。告示まで既に1カ月を切っている超短期決戦。両者とその周辺は「オール静岡」態勢をいかに早く構築できるかが鍵とみて、関係先への働きかけを加速させている。

(左から)大村慎一氏、鈴木康友氏
(左から)大村慎一氏、鈴木康友氏

 県中部の経済界の一部から水面下で出馬要請を受けていた大村氏は、川勝知事の辞意表明から6日後の8日に立候補を表明。すぐに県内市町の首長や議会などにあいさつ回りを始めた。突然の訪問で面会がかなわなかった市町もあったが、複数の首長らに対し、地域や政党を超えた県政運営への熱意を語った。
 12日には静岡市内で記者会見を開き、「人生を懸けて県政の立て直しに取り組む」と改めて決意を示した。「対話と実行」をキーワードに挙げ、防災・危機管理、教育、経済活性化に重点的に取り組む考えを示した。リニア中央新幹線問題も「責任を持って解決したい。関係者と手を携えて進める」と強調した。

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 12日時点で政党や団体から「正式な推薦状は受けていない」(大村氏)ものの、党派を超えた議員から推す声が聞かれる。会見後は自民党県連や連合静岡などに推薦を依頼し、オール静岡態勢の構築を急いだ。
 鈴木氏が15日に開く出馬会見には、ハマキョウレックスの大須賀正孝会長や遠州鉄道の斉藤薫会長が同席する予定。経済界との連携を印象づける。それに先立つ10日には、鈴木氏を推すスズキの鈴木修相談役らと自民党の重鎮県議が会合を持ち、知事選への対応を話し合ったとされる。
 大村氏より一足早い11日に鈴木氏から推薦依頼を受けた連合静岡は、鈴木氏支援の方針を固めている。連合の推薦議員が所属する立憲民主、国民民主の両党県連や県議会第2会派ふじのくに県民クラブも方向性が一致すれば、支援の輪は一気に広がる可能性がある。
 ただ、ある関係者は「時間がないから組織の方針を早く決めなければいけない事情はあるが、両氏の政策を十分見極めなければ、新たな分断が生まれかねない」と懸念する。
 知事選には立民の衆院議員渡辺周氏(62)=比例東海=も出馬の意欲を見せ、連合など4者の候補者選定に向けた協議を注視する姿勢を示している。

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