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「国民民主」党勢に危機感 静岡県内の国会議員2人 玉木氏と前原氏、代表選終盤に論戦

 9月2日に投開票を迎える国民民主党代表選。立候補した玉木雄一郎代表(54)と前原誠司代表代行(61)はともに、政権交代を見据えた党勢拡大を掲げる。だが、主力国会議員が地方選挙に出馬する動きが相次ぎ、支持率も低空飛行が続く。県内関係者からは党の現状に危機感を募らせる声が漏れ聞こえる。

政権与党との対決姿勢を鮮明にする前原誠司代表代行=8月30日、JR静岡駅北口
政権与党との対決姿勢を鮮明にする前原誠司代表代行=8月30日、JR静岡駅北口
党の体力強化の必要性を訴える玉木雄一郎代表=8月30日、JR静岡駅北口
党の体力強化の必要性を訴える玉木雄一郎代表=8月30日、JR静岡駅北口
政権与党との対決姿勢を鮮明にする前原誠司代表代行=8月30日、JR静岡駅北口
党の体力強化の必要性を訴える玉木雄一郎代表=8月30日、JR静岡駅北口


 代表選終盤の8月30日、両候補の演説会が行われたJR静岡駅北口には、最大の支援団体・連合の関係者をはじめ党員ら100人ほどが集まった。しかし、党勢拡大を訴える両者の声に足を止める通行人はほぼいなかった。
 同党の現職国会議員は21人。創設メンバーの岸本周平氏が和歌山県知事に転じ、大塚耕平政調会長も2025年春の名古屋市長選への出馬を表明した。県内の現職は榛葉賀津也幹事長(参院静岡選挙区)と、田中健県連会長(衆院比例東海)の2人。次期衆院選に向け、玉木氏は「もう1人は県内から擁立したい」と意気込むが、現時点で新人の公認候補予定者は全国で13人と心もとない。
 共同通信社が8月に実施した世論調査によると、同党支持率は4・4%。野党では日本維新の会11・4%、立憲民主党8・7%、れいわ新選組4・8%に次ぐ4番手。玉木、前原両氏の演説を聞いた同党支持者の男性会社員(42)は「主張や政策は評価するが、党を大きくする展望が見えない」ともどかしさを口にした。
 まずは党の体力強化を掲げる玉木氏に対し、前原氏は非自民・非共産の結集を訴える。党籍を持つ県内のある地方議員は玉木氏に投票したことを明かしつつ、野党協力による政権与党との対決姿勢を鮮明にする前原氏の主張は「間違っていない」と賛同する。
 連合が同じく支援する立民について、玉木氏はエネルギー政策や安全保障、改憲論議で相いれない部分があるとし、「党としての考え方がよく分からない」と連携に慎重だ。一方、前原氏は「政策本位」と前置きしつつ、「県内では両党の親和性はかなり高いのでは」と述べ、両者の認識には明らかな違いがある。
 榛葉幹事長は玉木氏の出陣式に出席し、田中県連会長も玉木氏の推薦人に名を連ねた。県内の同党所属市町議6人も玉木氏に投票したとみられる。県西部のベテラン党員(79)は代表選後を見据え、「党が一枚岩になれるか。出て行ってしまう人がいないといいが」と党の先行きを懸念した。
 (政治部・大沼雄大、豊竹喬)

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