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知事の発言「農業者を愚弄して看過できない」 JA静岡中央会が声明文提出

 川勝平太知事が新規採用職員への訓示で「職業差別」とも受け取れる発言をしたことについて、JA静岡中央会の鈴木政成会長が9日、県庁に田保豪農林水産担当部長を訪ね、抗議の声明文を提出した。鈴木会長は「農家に対して知事の気持ちを発信してほしい」と対応を求めた。

知事発言に対する声明文を手渡すJA静岡中央会の鈴木政成会長(左から2人目)=9日午後、県庁
知事発言に対する声明文を手渡すJA静岡中央会の鈴木政成会長(左から2人目)=9日午後、県庁

 声明文は、組合農家から強い憤りや失望の声が多数寄せられる状況を示した上で、「食を支えるため、厳しい経営環境の中、日々奮闘している農業者を愚弄(ぐろう)する発言であり、決して看過できない」と強い遺憾の意を表明した。農業の重要性を踏まえ、県内JAグループが取り組む地域農業振興や食料の安定供給に対し、県がさらに協力や連携をするよう望んだ。
 鈴木会長は「辞職表明の理由をリニア問題としたが、発言はそんなに軽いものか」と辞職理由に疑念を示した。田保部長は「知事の発言で農業者や多くの皆さんの心を傷つけて申し訳なかった。声明を知事に伝える」と応じ、「今回は信頼を失いかねない発言だった。(農業振興のため)今後も協力をお願いする」と話した。
 知事は6日に浜松市中央区の浜名湖ガーデンパークで行われた浜名湖花博2024の開場セレモニーを前に、鈴木会長らと面会して謝罪していた。鈴木会長は声明文提出後の取材に「農業者が受けた傷は大きい。正式に意思表明した」と説明し、知事が発言撤回に時間を要したことには「非常に不愉快」と述べた。
 知事発言に対する県庁への苦情は9日も続いている。報道があった2日から1週間で、電話、メールで計3009件(このうち擁護は184件)に上る。

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