テーマ : 選挙しずおか

知事辞職表明、リニアへの影響「極めて大きい」 難波静岡市長、自身の知事選出馬は否定

 静岡市の難波喬司市長は3日、川勝平太知事が任期途中の辞職意向を表明したことを受けて市役所静岡庁舎で取材に応じた。環境への影響を懸念して静岡県内での着工を認めてこなかったリニア中央新幹線トンネル工事への影響について「極めて大きい」と述べ、知事の職業差別ともとれる発言については「これまで聞いたことがないレベルの不適切な発言」と問題視した。

川勝平太知事の辞職表明についての受け止めを語る静岡市の難波喬司市長=3日午前、市役所静岡庁舎
川勝平太知事の辞職表明についての受け止めを語る静岡市の難波喬司市長=3日午前、市役所静岡庁舎

 難波市長は、川勝知事が「この職を辞そうと思っている」と述べたことから、「まだ正式に表明したわけではない」との認識を示し、辞職への直接的な言及は避けた。次期知事選への出馬については「市長になってまだ1年。全く考えていない」とし、周囲から求めるような声も届いていないとした。
 川勝知事が1日に新規採用職員への訓示で「県庁はシンクタンク。野菜を売るのとは違う」などと発言したことについて難波市長は「これまでも不適切発言はたくさんあったが、今回はレベルが違う」とし、「(知事は)農業を非常に大事にしている方。どうしてこういう発言をしたのか」と驚いたとした。
 難波市長は副知事として8年間川勝知事に仕え、県のリニア水問題の陣頭指揮に当たった。JR東海による県内工事の環境影響評価に対して要求を続けてきた川勝県政について「JRの環境影響評価が不十分だったことは明らか。正しい判断だった」と評価した。一方で、最近1、2年は国の指導もあり、JRの姿勢が変わった中、県は「議論を前に進めようということではなく、問題点を指摘して終わり」だったと問題視。知事も持論の「部分開業」を主張するなどJRの経営判断に口を挟む言動が際立っていたとし、「適切でなかった」と指摘した。
 静岡市は、市域でリニア工事が行われる自治体として県とは別にJRと環境影響評価の議論を続けている。難波市長は、県の姿勢の変化に関係なく「適切な環境影響評価が行われるようJRと一緒に前に進む姿勢は変わらない」とした。

いい茶0

選挙しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞