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外国人との共生、対応は 増える園児に通訳 受け皿づくり急務 清水町長・町議選

 清水町に住む外国人約1300人のうち、約4割が暮らす町西部の長沢区。同区の町立清水西幼稚園では外国籍の園児が増え続け、現場は対応に追われている。町長選・町議選が告示され、候補者が舌戦を繰り広げている。今後も増加が想定され、臨機応変な対策が必要になりそうだ。町の実情を探った。

外国籍の子どもたちの通訳をするアガラノさん(中央)。保育の補助もする=清水町立清水西幼稚園
外国籍の子どもたちの通訳をするアガラノさん(中央)。保育の補助もする=清水町立清水西幼稚園

 「バイユアセルフ」。同園で外国籍園児におむつをたたむよう声をかけるのは、フィリピン出身のアガラノ娃肥(あび)さん(33)。町が昨年から通訳として雇用した。アガラノさんはフィリピン語など3カ国語で園児や保護者と接する。斉藤泰枝園長(50)は「意思の疎通ができず困り果てていた。娃肥先生が橋渡し役になってくれている」と喜ぶ。ただ、園の幼児教育が理解してもらえない場合や日本語取得が遅れるなど課題も多い。
 今後も外国籍園児が増えることが予想され、斉藤園長は「日本のルールになじみ、どの国籍の子も自然にコミュニケーションが取れる雰囲気になれば。状況を見極め、(子どもを)受け入れられる体制づくりが不可欠」と話す。
 同園の園児が入学する西小でも受け皿づくりがなされる。週に1度、外国籍の児童向けに日本語指導教室を開くほか、通訳2人を配置するなどの対応を取る。
 町は本年度、一部で守られていないとして、外国人を対象にごみの出し方教室を開催予定。一方で、区のまつりなどで外国料理のコーナーを設けて外国人と交流している。岩崎正司区長(74)は「同じ地区に住んでいるからこそ仲良く過ごしていけたら」と共生の形を考える。
 <メモ>清水町立清水西幼稚園では本年度、園児70人のうち外国籍園児は25人で約35%を占めた。町内15の幼稚園や保育施設などの中でもずば抜けた多さ。そのほとんどがフィリピン国籍で6年ほど前から増え続けているという。近隣に工場が位置することに加え、コミュニティー内の口コミの広まりが理由とみられる。

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