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被災地に恩返しの輪 希少キノコ 穴水町の飲食店に無償提供 島田・大井川製作所

 希少キノコのハナビラタケ(商品名・ホホホタケ)を生産する島田市川根町の大井川電機製作所が、能登半島地震で被災した石川県穴水町のカキ料理店「コーストテーブル」にホホホタケを無償提供した。島田市神座出身の斎藤義己さん(43)が夫婦で営む同店は静岡県内を襲った2022年秋の台風15号被害をきっかけに、生まれ故郷を応援しようとホホホタケを使ったメニューを取り入れている。災害を通じた恩返しの輪が広がっている。

カキとホホホタケのアヒージョを店で提供している斎藤さん夫妻=石川県穴水町(大井川電機製作所提供)
カキとホホホタケのアヒージョを店で提供している斎藤さん夫妻=石川県穴水町(大井川電機製作所提供)

 大井川電機製作所の広報をフリーランスで務める穴水町在住の中川生馬さん(45)と斎藤さんの移住者同士のつながりで実現した。漁師に憧れ、10年ほど前に同町に移住した斎藤さんは店で提供するカキの養殖に取り組んでいて、カキとホホホタケのアヒージョは人気メニューという。無償提供されるのは1パック80グラム入りのホホホタケ計100パックで、20日に第1便が届いた。
 斎藤さんは「食感がカキとよく合い、花びらのような見た目も楽しめる。心温まるつながりはとてもうれしい」と感謝する。中川さんは「災害時の助け合いは大事なこと。ホホホタケとカキの魅力を広めたい」と言葉に力を込める。
 大井川電機製作所は穴水町のカキ養殖業「河端水産」にもホホホタケを無償提供していて、限定セットの通信販売も行う。

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