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代位弁済28%増、159億円 コロナ融資影響 23年度静岡県内

 新型コロナウイルス禍で減収となった企業への救済措置として実施された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が本格化した2023年度、県信用保証協会が県内企業の廃業などにより返済を肩代わりした代位弁済は前年度比28・0%増の1522件、金額は27・7%増の159億円に上った。ピークは4月まで続く見込みで、各金融機関は借り換えや経営改善などの支援に力を入れる。

静岡県内保証債務残高、保証承諾額、代位弁済額の推移
静岡県内保証債務残高、保証承諾額、代位弁済額の推移

 23年4月~24年3月に代位弁済した企業を業種別に見ると、製造業が33・5%、非製造業が66・5%。コロナ禍で影響を受けた飲食店やサービス業の影響が色濃く、機械工業なども増加した。原材料やエネルギーの価格高騰など経営環境は厳しさを増し、「返済できない直接的な理由がコロナの影響ではなくなりつつある」(同協会)という。
 全国では大都市圏を中心に代位弁済が増加し、東京都45・7%増、大阪府48・9%増、愛知県52・3%増、福岡県52・4%増(いずれも2月末時点)など。本県は全国平均(43・8%増)よりも増加幅は小さいものの、倒産企業は増加傾向が続く。帝国データバンク静岡支店の集計によると、23年度の県内企業倒産(負債額1千万円以上)は2・4%増の216件、負債総額は45・5%増の519億1700万円となった。
 3年間の金利据え置き期間が設定されたゼロゼロ融資は23年6月から返済が本格化し、24年3月末時点で返済中の県内企業は全体の5割弱、借り換えを含む完済が3割弱。最後の融資実行から3年になる4月には約18%の返済が始まる。政府補助で融資保証料が減額される「伴奏支援型特別保証」の利用期間が6月まで延長され、同協会は「返済が難しい企業には借り換えも勧めるなど、経営支援も含めてサポートしていきたい」としている。
 (経済部・金野真仁)

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