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【新茶特集】​情熱燃やす若きセリ人 静岡茶市場の市川さん、関野さん

 全国一の茶の集積地、静岡市の茶問屋街。その中心に位置する静岡茶市場には、県内外から多種多様な茶が集まる。取引を担うのは、同市場取引部の職員。大半が50代のベテランで、担当地域の荷を手際よくさばいていく。そんな中で奮闘する若手男性職員2人は「生産者と茶商の間をうまく取り持てるセリ人になりたい」と情熱を燃やす。茶を鑑定する茶商を見守る市川さん(左)と関野さん(中央)=1日、静岡市葵区の静岡茶市場
 先輩職員に交じり、日々取引の現場に立つ入社4年目の市川幸多朗さん(23)と3年目の関野嵩公さん(24)。市川さんは、県農林大学校茶業学科を卒業後、「販売に携わり、茶農家の後押しをしたい」と茶市場に入社。常葉大で地域振興を学んだ関野さんは「地元の主要産業の茶業を通じ、地域活性化に寄与したい」と門をたたいた。
 「見て覚えろ」が茶取引の世界。同市場は茶商と職員が値段交渉する相対取引を採用し、茶商との駆け引きや信頼関係がものを言う。茶商との交渉と関係構築に日々余念がない先輩らがまぶしく見えた。
 本格的に茶の知識を得ようと昨年度、2人そろって日本茶インストラクターの資格を取った。関野さんは「普段の仕事での学びが試験に生きた」と語り、市川さんは「同世代の少ない茶業界に彼がいてくれて心強い」と信頼を口にする。
 これまで主に取引補佐を担ってきたが、本年度はともに担当地域を持ち、最前線に立つ。12日に始まる今期の県産新茶初取引。若いセリ人は新たな一歩を刻む。

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