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リニア環境問題「解決に道筋」 次期知事に「資料読み歴史勉強を」【川勝知事辞職届提出】

 川勝平太知事は10日の定例記者会見で、任期途中の辞職を決断した理由としてリニア中央新幹線の静岡県内工事を巡る問題に「解決の道筋がついた」と説明したことに関し、「環境問題を解決するためのモニタリングに国もJRも協力することになったため」と具体的な理由を明かした。ただ、国が設置したモニタリング会議の主な役割は県内工事開始後の環境変化と対策の確認、検討であり、「県内の環境問題の解決に結びつくのか」との問いには明確な答えを示さなかった。

辞職届を提出後、記者会見する川勝平太知事=10日午後、静岡県庁(写真部・二神亨)
辞職届を提出後、記者会見する川勝平太知事=10日午後、静岡県庁(写真部・二神亨)

 川勝知事は辞職を決断した理由について、JRがリニア27年開業を断念し、南アルプストンネル静岡工区工事が約10年かかるとの工事計画を明らかにしたことを改めて挙げた。加えて、モニタリング会議の矢野弘典座長から、副知事など実務責任者で構成する県、JR、国の「ハイレベル会議」設置の方向性が示されたことを受け、「環境問題を解決する方法が示された」との認識を示した。
 県は2月、JRと協議すべき環境課題が残っていると表明したばかり。会見では、発言の真意を問う質問が相次いだが、知事は「南アルプスの自然を守り、環境問題を解決するためにやってきた」とし、リニア事業への認識についても「(環境問題解決との)両立は難しい課題だが、リニア推進派から一度も外れたことはない」と強調した。
 次期知事に求める姿勢については「まずはリニアの資料をしっかりと読み、歴史を勉強すること」とし、持論の部分開業や静岡空港新駅設置はJRがこれまで示してきた事業方針と矛盾しないと強弁した。

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