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「熱海宿泊税」本格議論 25年4月導入の方針 1人1泊200円、市が条例案議会提出へ

 熱海市は22日、観光振興に特化した財源の確保に向け、静岡県内初の制度創設を目指している宿泊税の条例案を市議会2月定例会に提出する方針を明らかにした。市議会で可決されれば、総務相の同意や周知期間を経て、2025年4月の宿泊税導入を予定する。同日の市行財政審議会の終了後、市幹部が取材に答えた。

熱海市宿泊税案の主なポイント
熱海市宿泊税案の主なポイント

 市によると、宿泊税は観光振興に使途を限定した法定外目的税として導入する。市内のホテル旅館、民泊施設など約360施設で宿泊者1人1泊につき200円を徴収する。宿泊事業者が特別徴収義務者を務める。12歳未満や学校が主催する修学旅行の児童生徒は課税免除とする。課税期間は原則5年ごと見直す。
 市は宿泊税導入で7億円程度の財源確保を見込む。観光行事の開催支援といった既存事業に加え、宿泊客増加や観光消費額の拡大に資する新規事業の費用に充てる。情報通信技術(ICT)を駆使した市場調査と誘客宣伝、熱海名物の花火大会、専門人材の確保などへの活用が想定される。
 今後、発足する熱海型DMO(観光地経営組織)が市から予算交付を受け、具体的な観光施策の企画立案や事業執行を担うという。
 市の財政状況をみると、税収の根幹をなす市税は2020年ベースで93億円となり、ピーク時の1996年と比べて35%減った。一方、社会保障関連費は直近30年で4・7倍に増加し、観光振興を含む投資的経費を十分に確保できない恐れがある。市内の年間宿泊客数のうち、インバウンド(訪日客)は全体のわずか1%に当たる3万人程度にとどまり、海外需要の取り込みも課題になる。
 宿泊税は23年5月時点で東京都、大阪府、京都市、長崎市など九つの自治体が導入し、税額は100~千円と自治体ごとに異なる。
 (熱海支局・鈴木文之)

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