熱海支局 鈴木文之
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ツツジが見頃 ピンクや白の花の波 熱海・姫の沢公園でまつり、150匹のこいのぼりも
熱海市伊豆山の姫の沢公園で5月6日まで、大型連休に合わせたイベント「つつじ・こいのぼりまつり」(姫の沢公園パートナーズ主催)が開かれている。 高低差50メートルの斜面を中心に植栽されている6万株のツツジのうち、5~6割程度が見ごろを迎えた。ピンク、紫、白など色鮮やかに咲き誇り、来園者を楽しませている。5月6日の「こどもの日」を祝うために掲出された150匹のこいのぼりも観賞できる。 5月3~5日は熱海で活動する音楽バンドや太鼓保存会、ダンス教室などがステージ発表を行い、同3日には伊豆箱根鉄道のミニ電車の乗車体験を催す。 問い合わせは同パートナーズ<電0557(83)5301>へ。
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記者コラム「清流」 宿題投げ出した子?
熱海市伊豆山の大規模土石流と被災地のことを、川勝平太知事は忘れていたのだろうか。辞職の意向を正式に表明した3日の記者会見。復旧復興や責任追及をはじめ、数多くの課題を抱える熱海土石流について、何一つ言及がなかった。 28人の犠牲者を出した県史に残る大惨事。発生から2年9カ月が経過した今もなお、遺族の心の傷は癒えず、避難生活を送る被災者がいる。知事は辞職届を提出後の会見でも、行政対応の反省点に触れる程度だった。物足りなさを感じた。 リニア問題に区切りが付いたことを辞職理由に挙げたが、こちらも課題山積で議論の最中だ。ましてや任期途中の退陣では、職責の放棄とみなされても仕方がない。学者で博識があ
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熱海被災地で復旧復興を祈願 5年ぶりみこし4基集結 伊豆山神社の例大祭
熱海市の伊豆山神社で15日、例大祭が行われた。岸谷、仲道、浜の地元3町内会と伊豆山厄年奉賛会のみこし計4基が、コロナ禍や土石流災害を経て2019年以来5年ぶりに勢ぞろいし、見せ場となる「みこし下り」を参道の階段で繰り広げた。厳かな神事も執り行い、被災地の一日も早い復旧復興を祈願した。 みこし下りは全837の石階段のうち、海抜170メートルの本殿から海岸近くの下宮までの664段を練り歩く伝統行事。白装束などに身を包んだ男衆が、太鼓の音色に続けて「わっしょい」と気勢を上げ、ゆっくりと歩を進めた。家族や友人、地元住民が「頑張れ」と笑顔で声援を送った。 例大祭では昨年、伊豆山厄年奉賛会のみこし下
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【動画】熱海海上花火大会 2024年度初回
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熱海海上花火大会 温泉街の夜空に3000発 2024年度初回【動画あり】
熱海市の熱海湾で13日夜、2024年度初回の熱海海上花火大会(市ホテル旅館協同組合連合会主催)が開かれた。約3千発の花火が夜空を彩り、大勢の観光客を楽しませた。 熱海港の防波堤から約20分間、色鮮やかなスターマインや名物の「大空中ナイアガラ」などが打ち上げられた。三方を山に囲まれたすり鉢状の地形の温泉街に花火の音が響き渡った。 熱海海上花火大会は四季を通じて開かれ、24年度はこのほか12月までに計10回の開催を予定している。 日程は次の通り(いずれも午後8時20分から)。 春季 5月2日▽夏季 7月26日、8月5、8、18、23日▽秋季 9月16日、10月19日、11月4日▽冬季
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熱海の街歩きで人材育成 企業向け体験プログラム 中日本高速など
中日本高速道路と熱海市のまちづくり会社「マチモリ」は6日、企業向け人材育成研修「チャレンジ・ザ・ミッション」を市内で開いた。チームワークを生かして、熱海の名所旧跡を探訪する体験プログラムを企業関係者に提供した。 電力会社や旅行業者、電機メーカーなど主に首都圏の9社から10人が参加し、3班に分かれて体験した。ミッションは「熱海名物の干物を購入」「元熱海芸妓(げいぎ)を探せ」「貫一・お宮の像前で記念撮影」など30種類以上で、3時間半の制限時間内で達成ポイントを競い合った。 スマートフォンの使用は禁止とし、参加者は地図を広げて戦略を練ったり、地元住民に目的地への道順を尋ねたりした。「大湯間欠泉
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海洋ごみ減らし海を守ろう 熱海の海岸でマイクロプラスチックの有無調査体験
次代を担う若者に学びの場を提供している未来創造ユースチーム(熱海市)は24日、持続可能な開発目標(SDGs)の一つ「海の豊かさを守ろう」を題材にした体験イベント(静岡新聞社・静岡放送後援)を同市内で開いた。 8~26歳の男女16人が参加し、海洋プラスチックごみの現状と課題を学んだ。熱海サンビーチでは、水を張った透明のコップに海岸の砂を投入し、生態系への影響が懸念されるマイクロプラスチックの有無を調べた。黒、白、水色の粒子が水面に浮かび上がると、驚きの声が上がった。 同チームの枝広淳子代表はマイクロプラスチックが発生する原因として、菓子の袋や消しゴムのかすなどをポイ捨てする行為を例示した。
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JR熱海駅開業99周年 豪華車両E655系「なごみ」登場 地元市民ら歓迎セレモニー
JR熱海駅が25日に開業99周年を迎えるのに合わせ、JR東日本は24日、品川(東京都)ー熱海駅間で団体臨時列車のE655系「なごみ」を記念運行した。熱海駅では、なごみの到着を大勢の熱海市民が待ち受け、乗客の歓迎セレモニーを繰り広げた。 なごみは天皇、皇后両陛下の「お召し列車」としても使用される豪華車両。今回は両駅間を往復する旅行商品として運行し、乗客105人が利用した。乗客が熱海駅に降り立つと、熱海高エイサー部が勇壮な楽器演奏と踊りで歓迎した。斉藤栄熱海市長と中島幹雄市観光協会長、熱海芸妓(げいぎ)置屋連合組合の公式キャラクター「まめっこ」も乗客を出迎えた。 JR東日本熱海駅の荒屋祐佳利
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熱海・逢初川 道路河川の整備2年遅れ 完工時期26年度末に
熱海市伊豆山で2021年7月に発生した大規模土石流の復旧復興事業で、市と静岡県は22日、被災地の逢初(あいぞめ)川中流域で進めている道路河川の整備工事について、完了時期を当初予定より2年延長して2026年度末に変更する方針を明らかにした。工事区間内に鉄道を有するJRとの協議や、一部の用地買収に時間を要していることを主な要因に挙げた。 復興に関する二つの現行計画に住民意見を反映させる第2回懇話会が同日、市役所で開かれ、市と県が計画の変更案を示した。東海道線と東海道新幹線をくぐる道路河川の施工箇所で、列車の安全運行を確保する観点から、JR東日本、JR東海と工事設計の協議を継続中だと説明した。道
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静岡人インタビュー「この人」 熱海初「犬同伴OK」のコワーキングスペースを開設した 二見幸司さん(熱海市)
熱海市中心街の渚町で経営しているペット用ホテル・トリミングサロン店「ワンコ」に併設する形で、コワーキングスペース「ワン・ツー」を新たに開設した。熱海でテレワークやワーケーションを希望する国内外の「犬好き」の需要に応え、ペットと飼い主に優しい観光地熱海をPRする。ふた鶴合同会社の代表。59歳。 ―開設のきっかけは。 「コロナ禍を経て、リモートで働く新たなスタイルが定着した。海が見える場所で犬と一緒に仕事ができる場所があったら面白いなと思った。ペットと一緒に楽しく、安心して過ごせる熱海滞在をサポートする」 ―施設の概要は。 「宿泊施設や飲食店が立ち並ぶ熱海の中心部に立地し、目の前に熱海サ
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記者コラム「清流」 熱海は「常春」風土
「真冬を知らざる常春(とこはる)熱海」 熱海ゆかりの文豪、坪内逍遥が作詞した熱海市歌はこの一節から始まる。逍遥の命日に合わせて営まれた記念祭で、市歌を初めて聴いた。「常春熱海」という表現が妙に腹落ちした。 と言うのも、昨夏に熱海に赴任後、初となる冬の生活だが、季節感があまりない。秋口に熱海梅園の早咲き梅が次々と開花し、同じく早咲きの「あたみ桜」は年末から年明けにかけて見事に咲き誇った。秋冬を一気に通り越して、春を迎えた感覚に陥った。 仕事柄、四季の移ろいに敏感に反応しなければならない。だが、熱海は真冬を感じさせない不思議な風土が根付き、いい意味で調子が狂う。常春熱海と書いた逍遥も同じ季
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岸谷本線 着工は秋以降 熱海市長 逢初川整備計画で 熱海市議会一般質問【熱海土石流】
熱海市伊豆山で発生した大規模土石流の復旧復興事業を巡り、同市の斉藤栄市長は6日の市議会2月定例会一般質問で、被災地の逢初(あいぞめ)川両岸で整備を計画する市道「岸谷本線」について、今秋以降に着工するとの見通しを改めて示した。越村修氏(熱海成風会)への答弁。 岸谷本線は逢初川沿いで被災した生活道路。静岡県による逢初川の拡幅工事に合わせて、市が両岸に幅4メートルの市道を整備する。斉藤市長は迂回(うかい)路を確保する観点から、近隣地で1月に先行着手した市道「岸谷2号線」の復旧改良工事を今秋に完了させた後、岸谷本線の整備工事に着手するとした。 市は越村氏への答弁で、被災家屋の公費解体に関する状況
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伊豆半島の課題 共有 能登地震受け オンライン首長会議
伊豆半島の7市6町首長会議(会長・斉藤栄熱海市長)は4日、能登半島地震を踏まえた伊豆半島の課題を共有する臨時会合をオンラインで開いた。巨大地震の発生時は連携して被災対応に当たることを確認したほか、国、県、医療消防の関係機関も交えて地震防災の在り方を協議する場を設ける方針を決めた。 首長会議は非公開。道路網強化、防災拠点の整備、海・空からの救助を議題とし、終了後に斉藤市長が記者団に概要を説明した。伊豆半島も沿岸部を中心に道路寸断や津波被害の恐れがあり、内陸部の首長からはバックヤード機能と津波被災者の住居確保を名乗り出る声が上がったという。 伊豆半島で「命の道」といわれる国道の伊豆縦貫道が全
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熱海中心街にホテル建設 住友不動産 7月着工、26年夏開業へ
住友不動産が熱海市中心街の国道135号沿いに所有する大型駐車場で、新規ホテルの建設計画を進めている。子会社「住友不動産ヴィラフォンテーヌ」がホテルを運営する。7月にも着工の見通しで、2026年夏の開業を目指す。2月29日の住民説明会で概要を明らかにした。 建設計画によると、鉄筋コンクリート造り10階建て、延べ床面積約7600平方メートル。客室数は82室で、下・中層部に74室(32~40平方メートル)、上層部に8室(70~90平方メートル)を設ける。10階に大浴場とレストラン、屋上にテラスを整備する予定で、国内外のファミリー層やグループ客を主なターゲットにする。 ホテルの建設計画地はJR熱
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愛犬同伴で仕事OK 熱海中心街にコワーキングスペース 3日オープン 室内 ドッグランも
熱海市内で初となる「犬同伴OK」のコワーキングスペースが3日、オープンする。市中心街の渚町でペットホテル・トリミングサロン店「ワンコ」を経営している地元事業者「ふた鶴合同会社」が、同店舗内に併設する形で運営を始める。熱海でテレワークやワーケーションを希望する国内外の「犬好き」の需要に応え、ペットと飼い主に優しい観光地熱海をPRしていく。 コワーキングスペース名は「ワン・ツー」。宿泊施設や飲食店が立ち並ぶ熱海観光の中心部に位置し、相模灘に面した熱海サンビーチの眺めを楽しめる。飼い主が使用する机と椅子、Wi-Fi(ワイファイ)といった基本設備のほか、犬用の椅子やマット、水飲み皿を備える。1組
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逍遥作詞の市歌 高らかに 熱海 遺徳しのび命日に記念祭
熱海ゆかりの文豪、坪内逍遥(1859~1935年)の命日に当たる28日、第53回逍遥忌記念祭(熱海市、熱海稲門会など主催)が同市昭和町の起雲閣で開かれた。市内の行政関係者や早稲田大卒業生など約70人が出席し、熱海の地域文化の発展に寄与した逍遥の遺徳をしのんだ。 記念祭では新型コロナウイルスの影響で中断していた「逍遥ゆかりの歌斉唱」の催しが4年ぶりに復活した。市民有志でつくる「坪内逍遥のうた保存会」が歌声を響かせ、「真冬を知らざる常春熱海」のフレーズで始まる逍遥作詞の「熱海市歌」を出席者全員で声高らかに合唱した。 逍遥は晩年を熱海の邸宅「双柿舎」で過ごし、市内に図書館を創設時に自身の蔵書360
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記者コラム「清流」 同じ悲劇はもう二度と
わが子が理不尽に殺害され、突然、目の前から居なくなる現実を受け入れられるだろうか。普通であれば向き合うことさえ難しい。そんな状況下で、全国各地で150回以上も講演活動を続ける人に出会った。 2001年、大阪教育大付属池田小で起きた無差別殺傷事件の被害者遺族、本郷紀宏さん(59)の講演会を取材した。当時7歳の長女優希さんが教室で犯人に刃物で刺され、助けを求めて廊下を39メートルも歩き、絶命した事実を知った。 講演後、つらく、悲しい過去をなぜ語れるのか本郷さんに尋ねた。「娘が懸命に生きた証しを残したい。同じ思いを誰かにさせたくない」。本郷さんの真っすぐなまなざしと思いに強く共感した。二度と同
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認知症高齢者の徘徊、デジタル機器で捜索 熱海で県内初の実証実験
熱海署とALSOKグループの東海綜合警備保障(伊東市)は27日、熱海市内を徘徊(はいかい)して行方不明になる認知症の高齢者について、デジタル機器を用いて捜索し、早期の発見に結びつける実証実験の協定を締結した。静岡県内初の取り組み。 近距離無線通信「ブルートゥース」の機能が付いたALSOKの「みまもりタグ」を徘徊の恐れがある認知症高齢者に携帯してもらう。専用アプリ「みまもりタグアプリ」を入れたスマホの所有者と、捜索対象となるタグの所持者が接近した現場の位置情報をおおむね把握できる仕組み。捜索範囲の絞り込みや捜索時間の短縮、捜索に関わる人員の削減に効果がある。 専用アプリをスマホに入れるだけ
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熱海 宿泊客283万人 コロナ前の9割、目標未達 23年
熱海市は26日、2023年の宿泊客数が前年比23・6%増の283万2千人だったと発表した。新型コロナウイルスの行動制限の撤廃や、複数のホテルの新規開業などが宿泊客数を押し上げたとみられる。ただ、コロナ禍前の水準である目標の300万人台には届かなかった。 コロナ前に当たる19年の宿泊客数311万9千人と比べると、9割程度の回復にとどまった。斉藤栄市長は26日の定例記者会見で、宿泊客数の伸び悩みについて「大きな危機感がある」と述べ、繁忙期に集中している宿泊客の平準化や、ビジネス需要の取り込みなどを強化するとした。 23年を月別にみると、2月が前年同月比81・6%増の20万8千人となり、市によると
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熱海の老舗宿・古屋旅館 「美肌温泉証」に認定 静岡県内第1号
熱海市の老舗温泉宿「古屋旅館」は21日、館内で宿泊客に提供している天然温泉について、ポーラ・オルビスホールディングス(東京)が科学的な分析を基に発行する「美肌温泉証」の認定を受けたと発表した。古屋旅館によると、認定は1月23日付で静岡県内第1号。 美肌温泉証は化粧品研究で確立した肌分析の技術を有するポーラ・オルビスの研究所が2021年に始めた取り組み。温泉が肌に及ぼす影響を調べ、科学的なデータに基づいて効能を訴求する狙い。泉質に応じて6種類ある美肌温泉証のうち、古屋旅館の温泉は「バリア・オアシス温泉」に認定された。肌の角質細胞のはがれ具合が適度に調整され、潤い力が高くなる効果があるという。
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熱海新名物「干物フレーク」大学生開発 「若者の魚離れ」打開へ 老舗店での就業体験、集大成
静岡大3年の池田康太さん(静岡市駿河区)と東京理科大3年の一木美夢さん(横浜市)が、熱海市銀座町の老舗干物店「釜鶴」で行った4カ月間のインターンシップ(就業体験)の集大成として、新たな熱海土産「熱海干物フレーク」を商品開発した。店頭で販売し、熱海に息づく食文化を若者世代に発信している。 熱海・網代産の養殖サクラマスの干物をほぐし、フレーク状にした。中身が見えるデザインのパウチ包装を採用。にぎり飯やパスタ、トーストの具材としてそのまま使用できる。魚や干物を食べる習慣がない20~30代の女性を主なターゲットにした。50グラム入り864円(税込み)。 2人は地域課題を解決する実践型インターン
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熱海産ダイダイPR スカッシュ無料配布 JR熱海駅で18日まで
熱海特産ダイダイの利活用に取り組む実行委員会が17日、JR熱海駅でPRイベントを開始した。ダイダイの果汁と炭酸飲料でつくった新名物「あたみだいだいスカッシュ」を振る舞い、駅利用者の関心を集めている。18日まで。 地域振興の一環として熱海市内のダイダイ農家で収穫支援を行うJR熱海駅と、熱海商工会議所の共同企画。新幹線改札口近くにPRブースを設け、スカッシュとダイダイを無料で配った。試飲した都内の30代女性は「爽やかな香り。さっぱりした味わいでおいしい」と笑顔を見せた。 実行委によると、熱海は全国有数のダイダイ産地だが、生産者の高齢化や人手不足の影響で収穫量が年々減少しているという。実行委の
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記者コラム「清流」 住宅耐震化 周知啓発を
35%の住宅が巨大地震で倒壊の恐れがある―。現行の耐震基準が導入されていない1980年以前に建てられた熱海市内の住宅の割合を知り、正直驚いた。人口1万5000人以上の県内市町のうち、下田市に次いでワースト2だという。 能登半島地震では、住宅の倒壊で多くの命が犠牲になった。家の下敷きになった場合、津波や火事から逃げられない。まずは地震の揺れに耐える住宅を確保することが肝心だ。住宅耐震化は幸いにも、行政の支援制度が用意されている。 ところが、能登半島地震後に行われた熱海市長の定例会見で、住宅耐震化の周知啓発はなかった。今も特段の情報発信はない。熱海土石流を経験し、市民の生命と財産を守ることを
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土石流の復旧復興「加速化」 観光地熱海躍進へ 市予算案一般会計208億円
熱海市は14日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比3・2%増の208億8400万円。最優先課題とする伊豆山の土石流災害からの復旧復興を加速化し、観光地熱海の躍進に向けた事業にも注力する。特別、公営企業会計を含めた総額は1・5%増の407億5200万円。21日開会の市議会2月定例会に提出する。 ※画像タップで拡大してご覧になれます 伊豆山の復旧復興に関連する予算は前年度とほぼ同額の計11億1千万円。被災地の復興推進事業に4億800万円を配分し、宅地復旧補助や用地取得を継続する。25年度末までに完成させる伊豆山地区コミュニティー防災センター(仮称)については、2カ
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熱海温泉の永続願う 湯前神社で春季例大祭の献湯祭
熱海温泉の守り神として知られる熱海市上宿町の湯前神社で10日、春季例大祭の献湯祭が行われた。神社奉賛会と市、市議会、観光関係者が神事に臨み、熱海温泉の永続と地域の繁栄を祈願した。 市内各地の温泉組合やホテル旅館が、日ごろ恩恵を受けている源泉の湯を小瓶に入れ、神前に供えた。神職の祝詞と巫女(みこ)の舞いに続き、出席者が玉串をささげた。神事後、奉賛会の小倉一朗副会長は「温泉を大切にする心を忘れずにいたい。熱海の温泉とまちの隆盛を願っている」とあいさつした。 市中心街に位置する湯前神社は、約1200年前に創建されたといわれ、古くから地元住民の信仰を集めてきた。温泉が勢いよく噴出する名所「大湯間
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温泉卵づくり伝授 熱海・春季例大祭に合わせ、観光客向け体験会
熱海市の湯前神社で開かれた春季例大祭に合わせ、熱海養生法実行委員会は10日、温泉卵づくり体験会を神社近くの「小沢の湯」で開いた。観光客ら30人に生卵を配り、温泉地ならではの味わい方を紹介した。 小沢の湯は市中心街に点在する「熱海七湯」の源泉の一つで、岩場から熱々の蒸気が絶えず噴き出している。体験会では、生卵を釜に入れてふたを閉じ、10分ほど蒸した。完成した温泉卵は白身が程よく固まり、黄身が半熟状態。口にした参加者からは「おいしい」と歓声が上がった。 熱海まち歩きガイドの会の協力を得て、熱海温泉の歴史を参加者に解説する機会も設けた。実行委の北島鉄修会長は「温泉あってこその熱海。ありがたみを
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熱海土石流で被災の岸谷2号線 復旧改良工事が本格化 秋完成目指す
熱海市は26日、同市伊豆山の大規模土石流で被災した市道「岸谷2号線」の改良復旧工事を本格的に始めた。被災地の住民から早期整備の待望論が上がっている伊豆山の生活道路で、今秋の完成を目指す。 岸谷2号線は2021年7月に大規模土石流が発生した逢初(あいぞめ)川の中流部に位置する。改良復旧の工事延長は45メートルで、路線の形状を一部変更する。道路の幅員は被災前と比べて2倍の4・5メートルを確保する。工事費2600万円。市の担当者は「一日でも早く整備を完了させたい」と話した。 岸谷2号線は土石流の影響で破損、流失し、通行不能になった。被災前は地元住民が東西交通の主要ルートとして利用していたが、現
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記者コラム「清流」 巨大地震への備え肝心
「被災地に入るまで3日かかった」。能登半島地震の被災地で救援活動に当たった熱海市の消防隊員が、帰任報告で発した一言が耳に残っている。海と山に囲まれた伊豆半島も人ごとではないと感じるからだ。 能登半島では主要道が寸断し、被害状況の把握や救援活動に時間を要した。巨大地震の発生後は自衛隊や全国各地の公的機関、災害ボランティアが被災地入りする。いち早く現場にと思っても、アクセス道が不通だと救える命も救えない。 熱海と他市町を結ぶ主要道は国道135号と県道の熱函道路。断崖絶壁の海岸線や急斜面の山を通る箇所が多く、巨大地震で寸断の恐れがある。行政による道路網の点検と強靱化(きょうじんか)は言うまでも
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熱海土石流犠牲者を慰霊 伊豆山神社 復興に向け28日にはバザー
2021年7月に発生した熱海市伊豆山の大規模土石流で犠牲になった28人の慰霊神事が23日、現場近くの伊豆山神社で行われた。地元住民ら22人が犠牲者を追悼し、復旧復興への願いを込めた。28日には同神社境内で、住民交流と活力創出を目的にした「伊豆山地域バザー」が開かれる。 語呂合わせで「伊豆山」となる1月23日に合わせた慰霊神事。慰霊の祝詞に続き、参列者が玉串をささげた。被災から2年半以上が経過したが、被災地の復旧復興は道半ば。住民団体「熱海伊豆山で心をつなぐ集い」の大舘節生代表世話人は「昔の伊豆山の絆を取り戻したい」と述べた。 伊豆山温泉旅館組合と伊豆山温泉観光協会が中心となり、慰霊神事と
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「熱海宿泊税」本格議論 25年4月導入の方針 1人1泊200円、市が条例案議会提出へ
熱海市は22日、観光振興に特化した財源の確保に向け、静岡県内初の制度創設を目指している宿泊税の条例案を市議会2月定例会に提出する方針を明らかにした。市議会で可決されれば、総務相の同意や周知期間を経て、2025年4月の宿泊税導入を予定する。同日の市行財政審議会の終了後、市幹部が取材に答えた。 市によると、宿泊税は観光振興に使途を限定した法定外目的税として導入する。市内のホテル旅館、民泊施設など約360施設で宿泊者1人1泊につき200円を徴収する。宿泊事業者が特別徴収義務者を務める。12歳未満や学校が主催する修学旅行の児童生徒は課税免除とする。課税期間は原則5年ごと見直す。 市は宿泊税導入で
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熱海宿泊税案で市行財政審 観光振興に「必要」26日答申へ
熱海市行財政審議会(会長・石井倭雄町内会長連合会長)は22日、市役所で会合を開き、市の財政状況や観光振興の観点から、宿泊税の創設が「必要」とする答申案をまとめた。26日に斉藤栄市長に答申する。 市から諮問を受けていた宿泊税の創設案を審議し、観光資源の魅力向上や情報発信、受け入れ環境充実など、持続的な観光振興策に要する費用の財源確保のために必要と判断した。 宿泊税案を巡っては、特別徴収義務者となる宿泊事業者から「説明不足」「使途が不明確」などと異論が相次ぎ、同審議会は2022年12月の前回会合で丁寧な対応を市に求めていた。市は23年に市内のホテル旅館組合を対象に説明会を重ね、合意形成を図っ
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熱海ダイダイ ネクター開発 起雲閣で27日から販売 地場産品の魅力発信
熱海市文化施設運営委員会は19日、熱海特産ダイダイを用いて開発した新名物「熱海だいだいネクター」を発表した。管理運営している起雲閣(同市昭和町)の喫茶「やすらぎ」で27日から売り出す。市を代表する歴史文化施設で地場産品の魅力を発信する。 同ネクターはモモやミカンなど数種類のフルーツ、丹那産牛乳、乳酸菌飲料などをミキサーにかけた後、熱海特産ダイダイの果汁で爽やかな風味を付ける。レトロ感のある瓶に注いで提供し、ストローを使って味わってもらう。1本800円。同委員会の担当者は「昔懐かしの飲み物に仕上がった」と太鼓判を押す。 同委はNPO法人あたみオアシス21とジェイアール東日本企画で構成する。
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紅ほっぺ、きらぴ香…静岡産フルーツたっぷりの高級パフェ専門店 熱海駅前に19日オープン
静岡県産フルーツをふんだんに用いた高級パフェの専門店「十全十美(じゅうぜんじゅうび)」が19日、熱海市田原本町に開店する。運営するモデストスマイル(同市銀座町)の内田宗一郎代表は報道陣向け内覧会で「日本独特のパフェ文化を観光地熱海から発信したい。県産フルーツを大切に活用する」と話した。 店内で提供するパフェは3種類で、価格帯は1980円~2780円。掛川市内の観光農園「赤ずきんちゃんのおもしろ農園」から仕入れたイチゴの「きらぴ香」「紅ほっぺ」、熱海産ダイダイのピールなどを使用し、自家製ジェラートとともに盛り付ける。食べ歩き用と持ち帰り用のパフェもそれぞれ売り出す。 店舗はJR熱海駅から徒
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「金色夜叉」名場面 芸妓が園児に披露 熱海・尾崎紅葉祭
明治期を代表する熱海ゆかりの小説「金色夜叉」の作者、尾崎紅葉(1867~1903年)をしのぶ第82回尾崎紅葉祭が17日、熱海市東海岸町のお宮の松前広場で開かれた。小説に登場する貫一、お宮のやりとりを熱海芸妓(げいぎ)が芝居を通じて再現した。 学生服にマントを羽織った貫一役を一代さん、華やかな着物姿のお宮役を静さんが務めた。唄と三味線の伴奏に合わせ、熱海海岸で貫一がお宮を蹴飛ばす別れの名場面を演じた。熱海の伝統文化に親しみ、郷土愛を育む園外保育の一環として、市立あたみこども園の園児約30人が鑑賞した。 芝居に先立ち、市内の行政、観光関係者が紅葉の記念碑に献花した。斉藤栄市長は明治時代に新聞で連
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熱海土石流 復興事業理解へ説明 3町内会別に23日まで 市と静岡県
熱海市と静岡県は10日夜、同市伊豆山で2021年7月に発生した大規模土石流で被災した逢初(あいぞめ)川流域で計画する復旧復興事業の町内会別説明会を開始した。23日までに伊豆山の3町内会(伊豆山浜、岸谷、仲道)を対象に実施し、事業計画への理解促進と意見聴取に努める。27、28日には事業概要の現場説明会も開く。 初日は逢初川最下流に位置する伊豆山浜町内会を対象とし、被災者を含む住民13人に説明を行った。市と県熱海土木事務所の担当者が24年度中の整備完了を目指す河川・道路計画の図面を示し、座談会形式で個別の質問に応じた。斉藤栄市長は冒頭、「ご理解をいただき、一日も早く復旧復興を進める」と述べた。
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記者コラム「清流」 熱海に大衆浴場もっと
一日の疲れを癒やすのには風呂が一番だ。熱海は国内有数の温泉地。熱海の住民であれば気軽に温泉に入れると思ったが、そうでもない。大衆浴場が意外と少ない。 源泉かけ流しのホテル・旅館が立ち寄り湯を提供しているものの、当然、宿泊客が優先で、繁忙期に電話をかけると「いちげんさんお断り」の状態。値段も1000円超の施設が多く、躊躇(ちゅうちょ)してしまう。 寒い冬、温泉好きの記者がひいきにしているのは、500円の熱海駅前温泉浴場と300円の山田湯だ。いずれも熱々の源泉かけ流しで、入浴後はこの上ない多幸感を味わえる。 ワンコイン以内で楽しめる温泉がもっと増えたら、毎日でも入浴したいと思っている。熱海
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「土石流被災時の恩返し」 能登地震被災地支援へ 熱海で募金活動
能登半島地震を受け、熱海市のNPO法人テンカラセンと熱海青年会議所(JC)は6日、被災者支援の募金活動をJR熱海駅前で行った。熱海土石流の被災時に全国各地から支援を受けた経緯があり、「今こそ恩返しを」と募金集めに励んだ。 テンカラセンは2021年7月に大規模土石流が発生した熱海市伊豆山で被災者や高齢者の支援を展開している。能登半島地震の被災状況が明らかになる中、高橋一美代表(48)は「伊豆山の被災時に全国から多くの助けをいただいた」と今回の募金活動を決めた。 熱海駅前での募金活動は7日午後1~3時も実施予定。同NPOは現地の被災者ニーズを調べた上で、義援金か物資を届ける。熱海JCは現地の
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辰のラベルに復興願う 熱海の日本画家・坂本さん 静岡の酒造場販売
熱海市伊豆山で発生した大規模土石流からの復興を願い、同市渚町の日本画家坂本武典さん(47)が描いた干支(えと)のラベルを張り付けた純米酒「天虹(てんこう)」を、駿河酒造場(静岡市駿河区)が販売している。売り上げの一部は災害支援金として熱海市に寄付する。 ラベルの絵は2024年の干支にちなんだ「不二越雲龍(ふじごえうんりゅう)の図」。富士山、伊豆半島、初島の上空で、龍が復興を見守る構図とした。土石流の発生から1月3日で2年半。「伊豆山のことを忘れず、支援を継続したい」と話す坂本さんが、無償で描き上げた。 坂本さんと駿河酒造場の杜氏(とうじ)の萩原大吾さんが日大三島高の同級生だった縁で、伊豆
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駅彩るステンドグラス制作 現代美術作家ヤノベさん、熱海で創作に集中 万博向け大阪で設置
公共空間を彩るパブリックアートを手がける熱海市泉の「クレアーレ熱海ゆがわら工房」にこのほど、現代美術作家のヤノベケンジさん(58)が訪れ、原画と監修を担当する大型ステンドグラス「生命の旅」の創作活動に取り組んだ。2024年3月に大阪モノレール大阪空港駅に設置し、25年の大阪・関西万博に向けた新たなシンボルとしてPRする。 生命の旅は縦2メートル、横12メートル。大航海時代に船内のネズミを退治する“旅の守り神”として愛された猫をモチーフにした「シップス・キャット」をはじめ、世界中の災害の復興・再生を願う少女「サン・シスター」など、ヤノベさんの代表作を色彩豊かなステン
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スマホの基本 高齢者に指南 熱海高生が講師 市教委が教室初開催
熱海高の生徒がスマートフォンの扱い方に不慣れなシニア世代の講師を務める「超初心者スマホ教室」(熱海市教委主催)がこのほど、同市のいきいきプラザで開かれた。電源の入れ方やネット検索の方法、地図アプリの使い方など、基本操作を一から指南した。 熱海高パソコン部とボランティア部の1~3年生28人が講師を務め、60~92歳の受講生40人を教室に迎えた。スマホの機種によってボタンの位置や操作手順が微妙に異なる上、受講生の理解度もさまざま。生徒は受講生のそばに座り、質問に一つ一つ答えながら操作方法を教えた。特殊詐欺の疑いがある不審なメールの注意喚起も行った。 同教室は、生徒のキャリア教育と高齢者の学習支援
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記者コラム「清流」 かわいくて強い力士に
大相撲九州場所で秋場所に続き優勝争いを演じ、2場所連続で敢闘賞を受賞した熱海富士。出身地の熱海市に凱旋(がいせん)した時の取材で、初めて本人を目の当たりにした。 終始、くしゃくしゃの笑顔を振りまいていた。年配の女性からは「かわいい」「愛してる」との声も。その度に大きな背中を丸め、会釈を繰り返す熱海富士の姿が印象的だった。 「優しくて力持ち」「謙虚で正直」。熱海富士を幼い頃から知る関係者を取材すると、ほぼ決まってこう返ってくる。変わらぬ立ち居振る舞いがファンの心をつかんでいるのだろう。 21歳の若い力士の知名度は全国区になりつつある。次こそ幕内優勝か、それとも三役昇進が先か。来年は人気だ
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レモン香る島に 熱海市初島、新名物へ始動 静岡県内唯一の有人島【わたしの街から】
静岡県内唯一の有人島である初島(熱海市)。熱海を代表する観光地の一つで、近年は若者や家族連れを中心とした旅行客が増えつつある。熱海が発祥の地とされる国産レモンをPRに活用し、観光誘客に取り組む現状を取材した。 オブジェや料理も 富士急グループが初島の東部で運営するリゾート施設「PICA初島」内のアジアンガーデン。南国の雰囲気を感じさせる建物の入場ゲートをくぐると、レモンの巨大オブジェが目に飛び込んできた。高さは取材記者の背丈よりも数センチ大きい1・8メートル。題名は「おっきなレモン隕石(いんせき)」だそうだ。 一見、異様な巨大オブジェ。だが、澄んだ冬の青空を背景にすると意外にも写真
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熱海にゴジラ上陸!? 長浜海浜公園でイルミネーション 1月13日まで
熱海市の長浜海浜公園で16日夜、「長浜イルミネーションファンタジー」が始まった。年末年始のにぎわいを創出するイベントで、1万4千球の電飾が幻想的なムードを演出している。 テーマは「クリスマスの長浜海浜公園にゴジラ上陸!」。ゴジラをイメージした高さ3メートルの大型展示をはじめ、サンタクロースやトナカイ、海の生物など約50体の電飾を配置した。ネット状の電飾を使って長さ40メートルの「流れる銀河」を表現した。 多賀観光協会の主催。2024年1月13日まで開催する。点灯は午後5~9時。
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福呼ぶ「まゆ玉」作り最盛期 正月縁起物 熱海・来宮神社
熱海市西山町の来宮神社で、正月の縁起物として親しまれる「まゆ玉」作りが最盛期を迎えた。巫女(みこ)が家内安全や商売繁盛を願い、6色のカラフルなまゆ玉飾りを一本ずつ丁寧に手作りしている。 まゆ玉作りは熱海でかつて盛んだった蚕産業に由来する。来宮神社は11月中旬に準備を始め、15日も巫女の小嶋彩矢さん(19)、金森百奈花さん(20)が作業に励んだ。まゆ玉は魔よけの色とされる紅、青、白、黄、紫と、ご神木の緑色を採用。大黒様や招き猫などの装飾と一緒に萩(はぎ)の枝に取り付け、稲穂がこうべを垂れたような見た目に仕上げている。 来宮神社は20日ごろまでに計500本のまゆ玉飾りを用意し、1月1日午前0
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熱海土石流 警戒区域の元住人 20世帯34人が市外で生活再建
熱海市伊豆山の大規模土石流で被災し、避難生活を強いられた住民について、市は12日、警戒区域外で生活再建を完了した63世帯99人のうち、20世帯34人が市外に転出したと明らかにした。市議会11月定例会で、杉山恭平氏(熱海成風会)の一般質問に答えた。 市外転出の内訳は、県内が5世帯6人、県外が15世帯28人。大規模土石流の警戒区域内にあった自宅への帰還を諦め、市外への転居を決断したとみられる。市外転出は市の人口減に直結する上、地域の活力低下につながる恐れがある。 市によると、避難住民は4月時点で132世帯227人に上り、市内外の応急仮設住宅などで生活を送った。これまでに10世帯21人が警戒
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花火題材にクリスマスツリー リゾナーレ熱海、球体の電飾使い表現 25日まで
熱海市水口町のホテル「星野リゾート・リゾナーレ熱海」に1日、熱海の花火を題材にした高さ5メートルのクリスマスツリーが登場した。大輪を模した球体の電飾でツリーを表現し、幻想的な雰囲気を演出している。25日まで。 年間を通じて海上花火大会が開催されている熱海をPRする宿泊者向けイベント「花火クリスマス」の一環。円すい状のツリーを形作る球体の電飾は34個で、青、白、金ときらびやかに色を変える。期間中は午後5時半~9時に点灯し、花火柄の衣装を着たサンタクロースが子どもに菓子をプレゼントする。 ホテル最上階のカフェでは「花火玉クリスマスケーキ」の販売も始まった。要予約。半球体のチョコカップにスポ
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熱海土石流 帰還困難55世帯 市が家賃補助を継続
熱海市伊豆山の大規模土石流を巡り、同市の斉藤栄市長は29日の定例記者会見で、当初、避難生活を送っていた被災者全体の6割に当たる77世帯129人について、区域外再建や自宅への帰還が完了したとして、応急仮設住宅の家賃補助を柱とした生活再建支援を11月末に終了すると発表した。残る4割の55世帯98人は県と市の復旧整備事業が進んでいない影響などで希望する帰還が困難な状況で、市は家賃補助を12月以降も継続すると明らかにした。 応急仮設住宅の家賃補助は生活再建の主要支援策の一つ。2021年7月の土石流発生後に避難生活を強いられた132世帯227人(今年4月時点)を対象に、原則、9月1日の警戒区域解除か
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「渚の縁日」熱海の活力に 初のマルシェ 出店きっかけづくり
熱海市渚町のなぎさ中通りでこのほど、マルシェイベント「渚の縁日」(実行委など主催)が開かれた。にぎわいと新規出店のきっかけを創出する初の試み。飲食や工芸品などを手がける市内外12業者が展示販売を行い、来場者をもてなした。 なぎさ中通りの一部40メートルが歩行者天国となり、道の両側に参加業者の店舗が軒を連ねた。ガラス工房の色鮮やかなグラスをはじめ、熱海産ミカンのジャムや手作りパン、箱根の伝統工芸品「木象嵌(がん)」などを売り出した。 なぎさ中通りのかいわいは1950年の熱海大火を免れた古い建物が今も数多く残り、中央渚発展会の吉田耕之助会長は「昭和レトロ感が渚の良さ」とアピールする。コロナ禍の後
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熱海富士、29日凱旋 熱海駅前でイベント
大相撲九州場所で先場所に続き優勝争いをした熱海市出身の熱海富士(伊勢ケ浜部屋、本名・武井朔太郎)の凱旋(がいせん)イベントが29日午後2~3時、JR熱海駅前広場で開かれる。市が28日、発表した。 凱旋イベントは、熱海富士の地元後援会(会長・内田進熱海商工会議所会頭)の主催。市民やファンと一緒に熱海富士の健闘をたたえ、今後のさらなる活躍を祈願する。熱海富士はあいさつに立つ予定で、地元の声援に感謝の意を伝えるとともに、今後の抱負などを語る。来場者との記念撮影にも応じるという。 参加無料。雨天中止。問い合わせは熱海富士の地元後援会事務局<電0557(81)7535>へ。
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鉄道模型1000両走り抜ける 熱海で同好会展 26日まで
熱海鉄道同好会(森下暢紀会長)のイベント「2023秋の鉄道展」が25日、熱海市のいきいきプラザで始まった。会員が「Nゲージ」(150分の1スケール)の鉄道模型を中心に千両以上を持ち込み、熱海周辺を往来する鉄道の風景を再現している。26日まで。 Nゲージの鉄道模型は1周13メートルと同8メートルの複々線を使い、新幹線や特急列車、貨物列車を走らせている。子どもに人気のあるプラレールも設置した。昭和30年代から現代にかけての駅弁の「掛け紙」を展示したほか、JR東日本の協力を得て塗り絵教室や記念品配布などを行っている。 26日の開催時間は午前10時から午後4時まで。 (熱海支局・鈴木文之)
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伊豆山の被災者癒やす音色 熱海在住の沼田さんら4人 復興祈念し演奏会
熱海市伊豆山で発生した大規模土石流の被災者の心を癒やす「伊豆山復興祈念コンサート」(同市民生委員児童委員協議会主催)が24日、市立伊豆山小で開かれた。市内在住のバイオリニスト沼田園子さんら音楽家4人が出演し、澄んだ音色と歌声を響かせた。 沼田さんと一緒に出演したのは、ピアノ奏者蓼沼明美さん、ソプラノ歌手花岡久子さん、打楽器奏者佐藤直斗さん。クラシックの名曲からディズニーの定番曲まで多彩なジャンルの8曲を披露した。全校児童と地元住民ら140人が聴き入り、盛んな拍手を送った。 コンサートは静岡市民生委員児童委員協議会の寄付金を使って開催。締めくくりに、児童代表が出演者4人に花束を贈呈した。4年の
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熱海の街中で芸術堪能 「アートグラント」 11月18日開幕
熱海市のまちを回遊しながら国内外の芸術家が手がけた作品を鑑賞できるイベント「アタミアートグラント」(プロジェクトアタミ実行委員会主催)が18日、開幕する。新進気鋭の芸術家を中心とした約50組100人の作品が市内各地を彩る。12月17日まで。 開幕前日の17日には参加芸術家や主催者らが同市の熱海芸妓(げいぎ)見番に集まり、記念セレモニーに臨んだ。イベントは芸術家の活動支援や地域活性化を目的とし、今年で3回目。主会場となるアタミアートビレッジ(同市熱海)のほか、JR熱海駅前や中心街の「シーサイド」など計四つのエリアを設け、絵画や立体作品など多彩なアート展示を繰り広げる。 市街地の半径3キロ圏
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社会人サッカー「SS伊豆」 熱海本拠 東海1部へ 創設以来7年連続昇格
熱海市伊豆山の姫の沢公園スポーツ広場をホームグラウンドとする社会人サッカークラブ「SS伊豆」の関係者が16日、市役所を訪れ、2023年シーズンの成績を斉藤栄市長に報告した。東海2部リーグで2位となり、来季の1部リーグ昇格が決定したと喜びを伝えた。 SS伊豆は16年に創設。東駿河湾リーグ3部に参戦して以来、コロナ禍の21年を除き7年連続で昇格する偉業を果たした。片岡大輔監督は東海1部リーグ昇格を決めた10月上旬のホーム最終戦を振り返り、「地域の方々の声援と選手の頑張りのおかげで、最高の瞬間を迎えられた」と声を弾ませた。来季に向けては「厳しい戦いにはなるが、優勝を目指す」と抱負を語った。
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熱海の足「まめっこ号」活躍 交通空白域のミニバス 利用者好評、事業化目指す
鉄道やバスの圏域外となる熱海市内の一部の交通空白域で、熱海次世代観光・地域交通プラットフォーム協議会が実証実験として10月下旬に運行を始めたミニバス「まめっこ号」が、移動手段のない高齢者を中心とした交通弱者から好評を得ている。実証実験は来年2月末まで。来年1月末までは無償運行を予定する。協議会は利用状況を検証した上で、市の協力を得ながら事業化を目指している。 まめっこ号は網代、泉、西熱海の3地区の一部にある交通空白域で全8路線を確保した。日常生活に欠かせないスーパーや病院、鉄道駅、行政機関などを回るルートが設定され、主要路線の泉地区では土日を除き毎日運行している。6~8人乗りで、利用は要
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熱海富士に激励メッセージ集「次は優勝を!」 市が後援会に託す ファン132人分
熱海市は13日、大相撲秋場所で優勝争いを演じる活躍を見せ、九州場所に臨んでいる同市出身の熱海富士(伊勢ケ浜部屋)宛てのメッセージカード集を地元後援会に託した。市役所でメッセージを募ったところ、市内外のファン132人が激励文を寄せた。 熱海富士は11勝4敗で終えた秋場所で、優勝決定戦に挑んで敗れたものの、初の三賞となる敢闘賞を獲得した。市は秋場所後の9月末から2週間、熱海富士に送るメッセージカードの記載台と回収箱を市役所に設置。子どもからお年寄りまで幅広い年代のファンが訪れ「次は優勝を目指して」「横綱になるまで頑張れ」などと一言を記した。 132人分のメッセージカードは、一つの冊子にまとめ
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静岡、山梨、長野、新潟の知事が「中央日本サミット」 食文化交流へ共同宣言 ご当地そばで連携模索
静岡、山梨、長野、新潟の4県知事が共通課題について意見交換する「中央日本4県サミット」が7日、熱海市内のホテルで開かれた。食やスポーツ、温泉、山岳にまつわる多彩な文化を切り口に、4県の交流事業を促進するとした共同宣言を採択した。 川勝平太知事をはじめ長崎幸太郎山梨県知事、阿部守一長野県知事、花角英世新潟県知事が一堂に会し、「多彩な文化芸術の振興」を題材に懇談した。共同宣言では、地域独自の歴史文化に関する魅力と価値を世界に発信し、地域振興に努める▽歴史文化をテーマとした周遊観光を促進する―など4項目をうたった。 川勝知事は4県のご当地そばを食文化としてPRする連携事業を通じて「観光交流の拡
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魚介の浜焼き盛況 熱海おさかなフェス開幕 5日まで
熱海の新鮮な魚介類を堪能できる秋恒例のイベント「第13回熱海おさかなフェスティバル」(実行委員会主催)が3日、熱海市渚町の親水公園で始まった。魚介類の浜焼き体験が行楽客の人気を集めている。5日まで。 浜焼きの体験コーナーでは、アジやカマス、イセエビ、アワビなどの魚介類を販売。家族連れや若者が七輪を囲み、焼きたての海の幸に舌鼓を打った。香り高い熱海産ダイタイを用いた「あたみだいだいサワー」をはじめ、ビールや軽食を販売する露店が並び、来場者でにぎわっている。 4、5日は午前10時から開催する。アジやカマスなどの干物づくり教室を実施する。参加費は大人2200円、小学生以下1650円。遊覧船サン
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熱海と全州 伝統の舞、共演 芸妓見番で日韓親睦 東アジア文化都市
韓国・全州(チョンジュ)市の文化交流団を迎えた友好親善事業「東アジア文化都市in熱海」(熱海市日韓親善協会主催)が29日、同市内で行われた。熱海芸妓との特別公演などを催し、互いの伝統文化について理解を深めた。 東アジア文化都市事業の一環として、熱海芸妓が9月上旬、全州市内で公演したのがきっかけ。熱海芸妓見番で行われている定期公演「華の舞」に合わせて招待した。全州文化交流団は管楽器「テグム」で澄んだ音色を響かせたほか、伝統舞踊の「ミンサルプリチュム」「全州剣舞」などで迫真の演技を披露した。 全州文化交流団の文正根[ムンジョングン]さんは「かつて韓国にも見番が存在したが、今はもうない。日本に
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クレージーキャッツ・犬塚さん死去、ゆかりの熱海「思い出ありがとう」
クレージーキャッツのベーシストで、俳優としても活躍した犬塚弘さんの死去が明らかになった27日、犬塚さんがついのすみかとした熱海からは惜しむ声が上がった。長年、親交のあった飲食店「カフェ・ド・シュマン」(熱海市銀座町)のオーナー杉本憲治さん(74)は「たくさんの思い出をありがとう」と感謝の言葉を繰り返した。 2人の交流のきっかけは20年以上前にさかのぼる。犬塚さんが客として杉本さんの店を訪れ、すぐに意気投合。ゴルフを一緒に楽しむ間柄になった。犬塚さんが15年ほど前に都内から熱海市に移住した際、杉本さんは引っ越し作業を手伝った。2020年公開の映画「海辺の映画館-キネマの玉手箱」に出演した犬塚
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「熱海芸妓茶屋」28日オープン お菓子と弁当楽しみお座敷体験、日本文化世界に
熱海芸妓(げいぎ)置屋連合組合は28日、飲み食いしながら気軽にお座敷体験を楽しめる「熱海芸妓茶屋」を熱海市中央町の見番歌舞練場の近くにオープンする。踊りや歌、手遊びなどを通じて国内外の観光客をもてなし、伝統的な芸妓文化の魅力を発信する。 26日には現地でプレイベントが行われ、着物姿の芸妓衆が地元関係者ら約20人を迎え入れた。来場客は弁当と飲み物を味わいつつ、芸妓衆による華麗な踊りを鑑賞した。箱の上にある的に狙いを定めて扇を投げ、得点を競う「投扇興」にも挑戦した。 芸妓茶屋は見番歌舞練場に隣接する旧稽古場を改装した。新型コロナウイルス禍の影響でホテル・旅館でのお座敷が激減する中、「伝統文化
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記者コラム「清流」 相撲観戦には余裕必要
大相撲幕内の熱海富士が秋場所で優勝争いを演じる快進撃をみせた。出身地の熱海市では、商店街に激励の看板が掲げられ、「広報あたみ」の表紙に熱海富士の写真が採用された。一定の興奮状態が今なお続く。 本県出身力士として初の幕内優勝は逃したものの、熱海市民をはじめ多くの県民が大相撲中継にくぎ付けになったに違いない。相撲ファン拡大という観点からすれば、熱海富士の果たした功績は大きいといえる。11月中旬に始まる九州場所が早くも待ち遠しい。 相撲観戦で悩ましいのは幕内の取組が夕方に行われること。取材を終え、原稿執筆に追われる時間帯と重なる。秋場所はライバルの取組も確認しつつの観戦となり、作業の手がたびた
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熱海梅園で初開花 過去10年で最速
熱海市は19日、早咲きの梅の名所として知られる熱海梅園(同市梅園町)で、2023年度の初開花を確認したと発表した。市公園緑地課によると、前年度より3日早く、過去10年で〝最速〟となった。 開花したのは、冬至梅や小梅系など6本。市職員と樹木の専門家が18日に目視で確認した。梅園橋近くの冬至梅は10輪ほどの白い花を付け、今にも開花しそうなつぼみも数多い。過去10年の開花状況をみると、主に11月中旬に集中し、10月中の開花は前年度に続き3度目。ここ数日の寒暖差の影響とみられる。 熱海梅園には60品種469本の梅が林立し、散策道が設けられている。樹齢100年を超える古木もそびえるという。今後の天
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静岡人インタビュー「この人」 「みなとまちづくりマイスター」に選ばれた 安田和彦さん(熱海市)
熱海市営の熱海港海釣り施設の管理業務に当たるNPO法人SEA WEBの理事長。港の環境美化や釣り人へのマナー啓発などに取り組む。一般社団法人ウオーターフロント協会から県内2人目のマイスターに認定された。東京都出身。64歳。 ―マイスター認定の所感は。 「海釣り施設のオープン当初から管理業務を受託し、今年で18年目。多くの自治体の視察を受け入れている。また、海釣り施設の新設を計画する全国の自治体を訪ね、適地選定や運営方法、安全管理の仕方を助言してきた。長年の取り組みが今回の認定につながったと思う」 ―熱海との関わりは。 「子どもの頃から釣りが趣味で、熱海には30歳の頃から通い始めた。首
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わっしょい!神輿渡御 熱海・今宮神社
心願成就の宮として親しまれる熱海市桜町の今宮神社で19日、例大祭が始まった。初日は威勢の良い神輿(みこし)渡御や厳かな舞の奉納などを通じて、地域の末永い繁栄を願った。20日まで。 厄年奉賛会による御鳳輦(ごほうれん)神輿の「神幸行列」では、白装束の男衆が「わっしょい、わっしょい」とかけ声をあげて街中を練り歩いた。渡御を終え、境内で臨んだ締めくくりの「宮入り」は最大の見せ場。男衆は御鳳輦を担ぎながら社殿の前を駆け足で何度も周回し、見守った家族や神社関係者の声援に応えた。 20日は午後4時から神事を行い、神楽や稚児舞、巫女(みこ)舞を奉納する。巫女舞は初の試みで、地元の小中学生が稽古の成果を
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熱海土石流復興へ、住民説明会始まる 市と静岡県 全7地区で順次開催
熱海市伊豆山で2021年7月に発生した大規模土石流で、市と県は17日、被災地の逢初(あいぞめ)川流域で復旧復興事業の地区別説明会を開始した。河川・道路整備や宅地復旧、ライフライン復旧など懸案事項を題材に、12月までに全7地区で順次開催する。 初日は逢初川最下流にある浜地区の8世帯12人(帰還済み)を対象とした。このうち出席した2世帯3人に対して、市と県熱海土木事務所の担当者が復旧復興事業の概要を説明し、意見交換と個別相談に応じた。 斉藤栄市長は説明会の冒頭、これまでに意見聴取や合意形成が不十分だと指摘された経緯を振り返り「膝をつき合わせて説明し、意見交換する。ご理解をいただき、事業を進め
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図書館ない離島の子に本を 熱海中心街→初島小中へ漁協職員配送「子どもの喜ぶ姿が原動力」
静岡県内唯一の離島である初島(熱海市)には、図書館がない。「島の子どもに図書館の本を自由に読ませたい」。地元関係者の思いが結実し、海を挟んだ中心街にある市立図書館の本が今夏から、初島小・中に配送されるようになった。市役所と学校の間をつなぐ船の荷物便を配送手段として活用。読書の秋を迎え、児童生徒は自らネット予約した本が手元に届くのを日々心待ちにしている。 初島小・中の児童生徒はタブレット端末を用いて市立図書館の本を検索・予約している。最短で予約した日の翌日に本が船便で届くという。初島小4年の中石陸斗さんは10月上旬のこの日、夏休み中に借りた図鑑の続編を受け取り、「いつ来るかな、と楽しみにして
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ビジネス誘客に本腰 熱海市とJTBが協定
熱海市とJTBは10日、交流・関係人口の拡大に向けた包括連携協定を締結した。主にビジネス利用の客層に照準を定め、誘客促進に連携して取り組む。ニーズ把握や受け入れ環境の整備、観光商品の開発などを通じて需要を喚起する。ビジネス利用の誘客に力点を置いた事業に関し、JTBが自治体と協定を結ぶのは初めてという。 ビジネス利用の誘客に当たっては、都心から新幹線で40分程度という熱海の地の利を最大限に生かす。都内のベンチャー企業や大手企業をターゲットとし、経営会議や社員研修、視察・合宿での熱海滞在を促す。JTBによると、静岡支店に法人向けの「ビジネスなんでも窓口」を設け、ニーズに応じて宿泊、食事、観光の各
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熱海怪獣映画祭が開幕 名作上映、トーク会など 9日まで
「熱海を怪獣の聖地に」を合言葉にした第6回熱海怪獣映画祭が7日、熱海市内で開幕した。同市を舞台にした怪獣映画の上映をはじめ、怪獣映画祭とコラボした創作料理の販売など、市内各地で多彩な催しを繰り広げている。9日まで。 主会場の熱海芸妓(げいぎ)見番では、祭典のオープニングとして1962年公開の映画「キングコング対ゴジラ」を上映した。二大怪獣が熱海城の前で対戦するシーンが見どころで、大勢の来場者が鑑賞した。8日午後3時半からは、1925年公開の無声映画「ロストワールド」を活弁士の解説付きで上映する。 最終日の9日はホテル大野屋を主会場とし、「1970年代ヒーローの素晴らしき世界」と題して「帰
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シニアはつらつ「ジーバー音楽祭」 18、19日熱海で歌や踊り
元気なシニア世代が集まり、音楽と踊りの公演を通じて親睦を深める「ジーバー音楽祭」(NPO法人ライフ熱都、実行委主催)が18、19の両日、熱海市和田浜南町のマリンスパあたみ野外広場で初開催される。本番に向け、関係者が練習に熱を入れている。 音楽祭は、60歳以上がグループ内に1人以上いることが出演条件。シニアバンドのジーバーズ(熱海市)やシルバーフォックス(伊豆市)、カラオケ歌手など県内外の13組がステージ発表を披露する。来場者も自由に参加できる盆踊りを企画し、炭坑節や東京音頭を一緒に楽しむ。シニア世代になじみのあるフォークダンスの体験会も催す。 4日には熱海市内のビル一室に出演メンバーらが
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伊豆山港にカフェ開店 熱海土石流、復興向け「恩返し」 ダイバー飯塚さん
熱海市伊豆山の大規模土石流から2年3カ月が経過した3日、被災地の伊豆山港を拠点に活動するダイバー飯塚広海さん(55)が港内にカフェを開店した。10代の頃から通い続ける伊豆山の海と人にほれ込み、9月末に東京から移住した。復旧復興を目指す伊豆山の一員として「微力ながら恩返しを」と意気込む。 飯塚さんは16歳の時、伊豆山漁業会の松本早人代表(48)の祖父が操業していた船で海に繰り出し、ダイビングの資格を取得した。以来、自宅がある都内から伊豆山港にたびたび足を運び、ダイビング客を案内してきた。土石流の発生後、被災した港の再興に向けて懸命に取り組む漁師の姿を見て、「復興に少しでも貢献したい」とカフェ
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熱海富士に激励メッセージを 熱海市役所に記載台 10月13日まで
熱海市は28日、大相撲秋場所で活躍した熱海富士(21)=同市出身、伊勢ケ浜部屋=に届けるメッセージカードの受付コーナーを市役所に開設した。10月13日まで受け付け、地元後援会を通じて熱海富士に贈呈する。 市役所第1庁舎の1階ロビーに、メッセージカードと記載台、回収箱をそれぞれ設けた。早速、激励のメッセージを寄せた地元製菓店の熊谷玉美さん(65)は「優勝決定戦に残るとは思わず、びっくりした」と郷土力士の勇姿を振り返り、「熱海富士はかわいい顔をしている。今後も頑張ってほしい」と期待した。 熱海富士は大相撲秋場所で優勝争いをリードする快進撃をみせた。大関貴景勝との優勝決定戦には敗れたものの、自
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記者コラム「清流」 夏の観光地 洗礼と改心
新型コロナウイルス感染症の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に移行後、初となった夏シーズンが終わった。県内有数の観光地熱海は週末やお盆、花火大会の開催日を中心に行楽客でにぎわい、まちの活気を肌で感じた。 夏の熱海生活は着任後初めての体験。歴代の支局記者から夏の混雑ぶりを聞いていたが、想像をはるかに超えた。激しい交通渋滞にはまって取材の時間に遅れたり、空席のある飲食店を探すのに苦労したり…。あまり経験したことのない出来事に何度もいら立った。 コロナ禍を乗り越え、勢いづく観光地の“洗礼”を受けたといったところか。このご時世、自分の住んでいるまちが多
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「熱海プリン」の化粧まわし 熱海富士の好物、かわいらしさ話題
大相撲の熱海富士(21)=熱海市出身、伊勢ケ浜部屋=は優勝争いを演じた秋場所に、好物の一つでもある地元名物「熱海プリン」をデザインした化粧まわしを付けて臨んだ。かわいらしさがインターネット上の交流サイト(SNS)上などで話題になった。 化粧まわしは幅60センチ、長さ90センチで、カバの絵柄が入った瓶詰めのプリンを前面に出した。熱海富士が好きな赤色の刺しゅうを随所に取り入れた。熱海プリンの販売店を運営するフジノネ(同市)が7月場所での十両優勝祝いを兼ねて9月上旬に贈呈し、秋場所後半戦の土俵入りで披露された。 熱海プリンは熱海観光のグルメとして若者中心に人気があり、熱海富士も力士になる前から
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温泉まんじゅうの歴史学ぶ 熱海高生が観光案内役に 10月、福井の高校生おもてなし
熱海高ビジネス観光類型の3年生13人が19日、熱海市上宿町の老舗まんじゅう店「延命堂」を見学し、大正時代から熱海名物として親しまれる温泉まんじゅうの歴史に触れた。10月に市内で福井県立敦賀高の生徒を観光案内するための事前学習として訪問した。 延命堂によると、大正初期に初代店主が温泉の蒸気を利用してまんじゅうを蒸す製法を思い立ち、「温泉延命まんじゅう」と名付けて湯治客に販売した。地元では温泉まんじゅうの元祖といわれる。4代目の岩下恵子さんは熱海高の生徒に出来たての温泉まんじゅうを振る舞い、「延命長寿を祈って作っている。創業以来、その思いは変わらない」と思いを語った。 敦賀高の生徒による熱海
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七五三の千歳飴 袋詰め急ピッチ 熱海・来宮神社
11月にピークを迎える七五三の宮参りを前に、熱海市西山町の来宮神社は、千歳飴(ちとせあめ)の袋詰め作業を急ピッチで進めている。 境内にある参集殿には15日、国指定天然記念物のご神木「大楠(おおくす)」がデザインされた紅白の袋が並んだ。巫女(みこ)の金森百奈花さん、田端月穂さんが子どもたちの健やかな成長を願い、ミルク、イチゴ、抹茶味の千歳飴3本を手際よく袋に詰めた。今年は300袋を用意し、16日から取り扱いを開始するという。 来宮神社によると、七五三の宮参りは10月下旬から11月下旬にかけて本格化する。「大安」の土・日曜に当たる10月29日、11月4日、同26日が集中日になる見通し。期間中
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自助共助の備え確認 熱海で総合防災訓練
熱海市は10日、2023年度の総合防災訓練を市内各地で実施した。南海トラフ巨大地震の影響で土砂災害や津波被害、家屋倒壊などが発生したとの想定。市や県、自主防災会など22団体2千人が参加し、自助・共助による防災力の向上を図った。 同市泉の建設会社資材置き場では、市消防本部が21年7月に同市伊豆山で発生した大規模土石流を踏まえた土砂災害対応訓練に取り組んだ。鉄パイプと板を使って「土留め」を施工した後、スコップで慎重に土を掘り、要救助者を捜索する流れを確認した。土砂崩れに巻き込まれた車両から運転者を救出する技術の習得にも励んだ。 メイン会場の第二小では、ペットの同行避難訓練を初めて行った。ペッ
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未活用魚 見て 触って 食べて 熱海知る 保育園で給食に
熱海市教委と、市民有志でつくる団体「熱海千魚ベースプロジェクト」は6日、同市下多賀の市立和田木保育園で、海の恵みに親しむ体験活動を開いた。園児が地元の網代港に水揚げされた鮮魚を観賞し、魚体が小さいなどの理由で市場に出回らない「未活用魚」を使った給食を味わった。 地元の海と魚を知る活動を通じて郷土愛を育むとともに、未活用魚を有効利用した食育を推進する狙い。日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として企画した。定置網漁を操業する網代漁業の担当者が取れたてのアジ、サバ、イワシなどを持ち込み、さばき方を実演した。園児たちは教わった魚の名前を連呼したり、魚に触れたりして興味津々の様子だった。 市教委に
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熱海レモン 新商品開発へアイデア膨らむ 熱海高生が知識習得
熱海高ビジネス観光類型の2、3年生22人が5日、熱海市産レモンを用いた商品開発に向け、基礎知識を習得する講座を校内で受講した。JAふじ伊豆女性部あいら伊豆地区本部長で、野菜ソムリエプロの小川富子さん(伊東市)が作った試食品を味わい、商品開発のアイデアを膨らませた。 生徒は小川さんの講義を通じて熱海市が国産レモン発祥の地とされる歴史や、ビタミンCが豊富に含まれるレモンの栄養と効能について理解を深めた。同校近くで収穫したレモンを使い、小川さんが調理した「レモンピール」「レモンカード」などを試食した。 同校は「熱海レモン」のブランド化と地域活性化を目指し、地元の多賀小、多賀中と連携してレモン
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川勝知事、熱海土石流復興の「スピード感上げる」 警戒区域解除の被災地視察
川勝平太静岡県知事は4日、立ち入り禁止の「警戒区域」が解除された熱海市伊豆山の土石流被災地を視察し、県と市が復旧復興に向けて実施する整備事業の状況を確認した。被災者と対話する機会はなかったものの、視察後の取材に「被災者の生活復興に全力を投じる。スピード感を上げる」と言葉に力を込めた。 土砂が流れ下った逢初(あいぞめ)川の中流域で2024年度末までに、県が河川拡幅を行い、市が両岸に市道を整備する計画。ただ、用地買収は面積ベースで県が3割、市が4割にとどまり、計画通りに完工するかどうか見通せない。整備事業の長期化は帰還率の低下を招く恐れがある。 これに対し、川勝知事は「一日も早く、との思いは
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熱海土石流の教訓胸に対策や提言 日本住宅会議がセミナー
熱海市伊豆山で発生した大規模土石流の問題点や復旧復興の在り方などを考えるセミナー(日本住宅会議主催)が3日、同市昭和町の起雲閣で開かれた。被災者や有識者、静岡新聞記者がパネリストを務め、熱海土石流を教訓とした対策や提言を発表した。 この日は土石流発生から2年2カ月の節目。自宅が全壊した被災者の太田滋さんは市内のホテルで避難所生活を送った当時の状況を振り返った。「住まいと食事は困らなかったが、隣で生活する人が誰か分からなかった。避難者はお客になってしまい、避難所運営を行政に任せてしまった」と述べ、復旧復興に向けて住民の連帯感を早期に醸成すべきだったと悔やんだ。 大規模土石流は逢初(あいぞめ
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熱海伊豆山の警戒区域解除 「家路自由に」帰還は多難 土石流から2年2カ月
災害関連死を含め28人が犠牲になった熱海市伊豆山の大規模土石流で、市は1日、土砂が流れ下った逢初(あいぞめ)川流域の被災地に設けていた立ち入り禁止の「警戒区域」を解除した。2021年7月3日の発災から2年2カ月。被災者の生活再建と現地の復旧復興を阻んでいた規制が、ようやく取り払われた。 生活基盤 復旧これから 午前9時、斉藤栄市長が「警戒区域を解除します」と宣言し、立ち入り禁止を示すロープを取り外した。被災者は2年余りの不自由な生活を思い返しながら、ゆっくりと区域内に足を踏み入れた。警戒区域が解除されたとはいえ、電気や道路などの生活基盤の復旧が途上で、アパートなどで避難生活を送る被災者の
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熱海土石流 起点の土砂撤去、住民に公開 逢初川源頭部 静岡県、緑化し排水路整備
熱海市伊豆山で2021年7月に発生した大規模土石流の起点となった逢初(あいぞめ)川源頭部について、静岡県は31日、行政代執行に基づき不安定土砂の撤去工事が完了した現場を地元住民に公開した。今年3月には国が逢初川の上流部に砂防ダムを完成させた。安全確保を図る工事が完了したとして、市は1日、逢初川流域の被災地に設定している立ち入り禁止の「警戒区域」を解除する。 県によると、土石流の起点にあった不安定土砂1万9千立方メートルを撤去した。斜面に草木の種子を吹き付ける緑化工事や、雨水を排水する水路の整備を併せて実施した。撤去した不安定土砂は熱海港の仮置き場に運び、来年3月までに千葉県の中間処理施設に
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熱海土石流 警戒区域9月1日解除 順次帰還開始 復興は道半ば
災害関連死を含め28人の犠牲者を出した熱海市伊豆山の大規模土石流で、市は9月1日、土砂が流れ下った逢初(あいぞめ)川流域の被災地に設けていた立ち入り禁止の「警戒区域」を約2年ぶりに解除する。避難生活を送る被災者が順次帰還を開始するが、河川、道路整備を中心とした復旧復興事業は途上の段階で、大部分の被災者が引き続き避難生活を余儀なくされる。 大規模土石流は2021年7月3日に発生。二次災害の恐れがあるとして、市は同年8月16日、土石流の起点となった逢初川源頭部から伊豆山港脇の河口にかけての延長2キロを災害対策基本法に基づく警戒区域に指定した。今年3月に国が砂防ダムを完成させ、今月26日には県が
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土砂搬出や土のう作り実践 巨大地震想定し訓練 熱海署
9月1日の「防災の日」を前に、熱海署は29日、土砂災害対策訓練を熱海市内の建設会社資材置き場で実施した。本年度総合防災訓練の一環。若手署員を中心に10人が参加し、土砂搬出と土のう設置の訓練に取り組んだ。 巨大地震の影響で家屋が土砂崩れに巻き込まれ、安否不明者が出たとの想定で行った。署員らは山盛りの土砂に向かって列をつくると、スコップを手に土砂をかき出した。家屋への土砂流入を防ぐための土のうを手作りし、隙間なく積み上げる作業も実践した。同市伊豆山の大規模土石流で活動した同署の災害訓練指導員が手ほどきした。 訓練を見守った石津谷良広副署長は「大規模災害の発生は多方面からの救助が滞り、現場の署
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熱海市、来年度から水道と温泉料金値上げへ 条例改正案を発表
熱海市は28日、市議会9月定例会に提出する議案を発表した。2024年度から水道料金と温泉料金をそれぞれ値上げする市条例の改正案を示した。23年度一般会計9月補正予算案には4600万円を追加し、9、11、12月に追加開催される「熱海海上花火大会」の補助金などに充てる。 市によると、水道料金の改定は11年度以来。市行財政審議会の答申を踏まえ、24年度から3年間の料金改定率を平均15%とする。現行料金に対し、24年度に10%、25年度に15%、26年度に20%と段階的に値上げする。温泉料金の改定は12年度以来で、現行料金から平均19%の値上げになる。市は「水道、温泉事業の安定経営と負担の公平性を
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土石流被災地の公園緑地整備 熱海で住民ら議論「防災機能や憩いの場を」
熱海市は27日、同市伊豆山の土石流被災地に整備する公園緑地に住民意見を反映させるための第3回ワークショップ(WS)を市役所で開いた。被災者を含む住民10人が参加し、防災機能や憩いの場の確保など、公園緑地のあるべき姿について発表し合った。 市は2026年度までを目途に、逢初(あいぞめ)川流域の計3カ所に公共空間を整備する計画。WSは6月に始まり、求められる機能と施設配置の案を検討してきた。最終回となったこの日は、これまでの検討内容を仮想現実(VR)の手法でイメージ化し、参加者が「防災機能や休憩スペースがあったらいい」などの意見を出した。 土石流被災地に設定されている立ち入り禁止の「警戒区域
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「警戒区域」9月1日解除 熱海土石流被災地 市発表
熱海市伊豆山の大規模土石流を巡り、同市の斉藤栄市長は24日の定例記者会見で、災害対策基本法に基づき立ち入り禁止としている被災地の「警戒区域」を9月1日午前9時に解除すると正式に発表した。土石流の起点となった逢初(あいぞめ)川源頭部の不安定土砂を撤去する県の行政代執行が8月26日に完了する見通しが立ったため。 市によると、避難生活を送っているのは8月18日現在、112世帯200人。区域内には46棟が土石流に流されずに残っているが、9月1日時点でライフラインが復旧するのは32棟にとどまる。警戒区域解除を受け、9月中に7世帯13人が帰還を予定する。このほか12月末までに6世帯16人、2023年度
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熱海港にまちづくりマイスター 静岡県内2人目、NPO法人の安田さん選出
熱海港で海釣り施設を管理するNPO法人SEA WEB(シー・ウェブ)の安田和彦理事長(64)=熱海市桜木町=が、一般社団法人ウオーターフロント協会が認定する「みなとまちづくりマイスター」に選ばれた。港の環境保全と地域活性化に向けた取り組みが評価された。23日、市役所に斉藤栄市長を訪ねて喜びを報告した。 マイスターは港のまちづくりの中心的な役割を果たし、地域の発展に貢献する人材をたたえる制度。安田理事長は年1回の海中清掃に加え、釣り人へのマナー啓発、子ども向けの釣り教室に取り組んできた。全国には49人のマイスター認定者がいて、県内では一般社団法人御前崎スマイルプロジェクトの石原智央代表理事
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熱海・伊豆山神社で4年ぶり納涼祭 災害とコロナ乗り越え復興復旧願う
熱海市の伊豆山神社本宮社で23日、例祭が行われた。大規模土石流の起点となった逢初(あいぞめ)川源頭部に隣接する境内で住民25人が神事に臨み、地域の再生と発展を祈った。例祭に合わせた地元町内会による納涼祭も、コロナ禍を経て4年ぶりに開催した。 本宮祭では原嘉孝宮司が祝詞を読み上げた後、神社氏子と地元町内会などの関係者が順番に玉串をささげた。納涼祭にはボールすくいや飲食のブースが用意され、老若男女が和やかなひとときを楽しんだ。祭典実行委員長で七尾町内会長の小林秀樹さんは「災害があって難しい面もあるけれど、楽しく祭りをやりたい」と前を向いた。 市は土石流被災地で立ち入り禁止にしている「警戒区
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「平和 後世に残したい」 熱海市戦没者遺族会長 米山さんが講話
戦争の悲惨さを知り、恒久平和を後世に伝える「熱海市民平和のつどい」が19日、同市昭和町の起雲閣で開かれた。市戦没者遺族会長の米山勉さん(79)らが講話し、父を戦争で亡くした体験談を交えて平和の尊さを訴えた。 米山さんの父は、網代地区の定置網漁に従事する船の機関長だった。1944年のインパール作戦に参戦し、戦病死したとされる。米山さんは「母が生前、父の話をよくしてくれた。一緒にお酒を飲みたい、会いたいと感じることが多々あった」と思いをはせた。父の遺書には「子の成長を願う」「親戚、近所との付き合いを怠るな」と記されていたという。 米山さんは網代地区の遺族会役員を経て、2012年から市の遺族会長を
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熱海土石流の復興計画「見直し必要」 熱海市と静岡県に被災者有志ら改定案
熱海市伊豆山で発生した大規模土石流の復旧復興と原因究明を目指す被災者有志と専門家が17日、市役所で市と静岡県の幹部と面会し、市復興まちづくり計画の改訂案を提出した。現行計画では用地買収が難航し、復旧復興に向けた整備事業が進まないとして見直しの必要性を訴えた。 現行計画は、土石流で被災した逢初(あいぞめ)川の中下流域で、県が河川拡幅の工事を行い、市が川の両岸に幅4メートルの市道を整備する事業。用地買収が3割止まりの現状を踏まえ、改訂案では、地下水路となる暗渠(あんきょ)部分を増やしたり、市道の一部を河川の上に張り出す工法を採用したりして、整備事業に必要な用地を最小限に抑えるべきだと主張した。
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かがり火110基 幻想的に 熱海で盆行事 海上花火も夜空彩る
熱海市の多賀地区で16日夜、伝統的な盆行事「百八体流灯祭」が開かれた。約110基のかがり火が地区内のあちこちに設置され、一帯は幻想的な雰囲気に包まれた。 300年の歴史があるといわれる流灯祭は、第2次世界大戦の影響で一時途絶えたが、昭和30年代に復活して以降は多賀地区の夏の伝統行事として親しまれている。長浜海水浴場では、地元住民らが約350個の灯籠を海に流して先祖を供養した後、一斉にかがり火をたいた。 流灯祭に続き、対岸の網代湾では「網代温泉海上花火大会」が行われた。地域住民や観光客が見守る中、約2千発の花火が打ち上げられ、南熱海の盆の夜を華やかに彩った。
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駐車ポイント→商品券に 熱海、回遊性向上で地域活性 運営会社・神社・観光協会連携
熱海市の来宮神社と市観光協会、駐車場運営会社「タイムズ24」(東京)は8月から、同社会員ポイントを市内の地域共通商品券として交換・利用できるサービスを開始した。来訪者の回遊性向上を図り、地域活性化に結びつける。同社としては全国初の試みで、他地域にも普及させるモデルケースにしたい考え。 同社が管理運営する有料駐車場などを利用した際にたまる会員制の「タイムズポイント」(利用代金100円で1ポイント獲得)について、200タイムズポイントを「熱海エリア共通商品券」(200円分)に交換可能とする。同商品券は市内の飲食店や日帰り温泉など約40の店舗や施設で利用できる。 同社が付帯駐車場を管理運営して
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「熱海芸妓」踊り華やか 浴衣姿で地域住民おもてなし 4年ぶり納涼祭
熱海の芸妓文化の魅力を伝えるイベント「納涼芸妓まつり」(熱海芸妓置屋連合組合主催)が10日、熱海市の熱海芸妓見番歌舞練場で始まった。芸妓衆の踊りや、お座敷遊び「投扇興」の体験を気軽に楽しむことができる。11日まで。 新型コロナウイルス禍の影響で、2019年以来4年ぶりの開催となった。涼しげな浴衣姿の芸妓25人が来場者を出迎え、舞台上で華やかな踊りを披露した。投扇興の体験では、来場者と芸妓が箱の上にある的に狙いを定めて扇を投げ、得点を競った。 同組合の小笠原亜紀子組合長は4年ぶりのイベント再開について「芸妓一同、待ちに待っていた。日頃かわいがってくれる地域の方々に感謝の気持ちを込め、おもて
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異業種交流促進へ 「真誓会熱海」発足
熱海市内の経営者らでつくる異業種交流団体「真誓会熱海エリア」が8日、発足した。同市西山町の来宮神社で初会合を開き、相互交流や情報交換を通じて新ビジネスの創出を図り、地域経済の活性化を目指すことを確認した。 真誓会は一般社団法人中小企業相互扶助協会(東京都)が運営する全国組織。熱海エリアは47団体目の発足で、県内では初の参入となった。同市内で飲食業、建築業、印刷業、清掃業などを手がける経営者ら約20人が会員として活動する。月1回、定例会を開いて親睦を深めるという。 熱海エリアの代表には中島わさび漬製造所(同市渚町)の中島一洋社長が就任した。中島代表は初会合のあいさつで、「会員同士が交流し、
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生涯学習の指導者募集 熱海市教委、25日まで
熱海市教委は25日まで、生涯学習事業の指導者確保に向け、「生涯学習人材バンク」の新規登録者を募集している。主にスマートフォンの操作、健康運動、絵画、楽器、語学に精通した人を募っている。 人材バンクは延べ約130人が登録していて、個別指導や生涯学習講座の市民教室などを担当している。登録内容は市が定期発行する「生涯学習のしおり」を通じて情報発信する。 居住地を問わず応募できる。所定の用紙から申し込む。問い合わせは市教委生涯学習課<電0557(86)6573>へ。
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警戒区域解除前 最後の黙とう 熱海土石流被災者「元のまちに」「まだ不安」
熱海市伊豆山の大規模土石流は3日、発生から2年1カ月が経過した。土砂が流れ下った逢初(あいぞめ)川沿いに遺族や被災者が集まり、犠牲者に黙とうをささげた。原則立ち入り禁止の「警戒区域」を市が9月1日に解除するのを前に、被災者は「元のまちの姿を取り戻したい」「まだ不安、危険だ」などと複雑な胸中を明かした。 月命日の黙とうは発災2カ月後の2021年9月に始まり、24回目。警戒区域を見下ろす高台を定位置に続けてきた。今回も遺族と被災者ら15人が土石流の発生時刻とされる午前10時28分に合掌した。警戒区域の解除に伴い、一部の被災者は避難先から帰還できることから、この高台での黙とうは最後になった。
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熱海土石流発生から2年1カ月 警戒区域解除前最後の黙とう 被災者「元のまちに」「まだ不安」
熱海市伊豆山の大規模土石流は3日、発生から2年1カ月が経過した。土砂が流れ下った逢初(あいぞめ)川沿いに遺族や被災者が集まり、犠牲者に黙とうをささげた。原則立ち入り禁止の「警戒区域」を市が9月1日に解除するのを前に、被災者は「元のまちの姿を取り戻したい」「まだ不安、危険だ」などと複雑な胸中を明かした。 月命日の黙とうは発災2カ月後の2021年9月に始まり、24回目。警戒区域を見下ろす高台を定位置に続けてきた。今回も遺族と被災者ら15人が土石流の発生時刻とされる午前10時28分に合掌した。警戒区域の解除に伴い、一部の被災者は避難先から帰還できることから、この高台での黙とうは最後になった。
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プロ野球新球団創設へ協定 運営会社「ハヤテ223」と静岡県、静岡市
静岡市を本拠地とするプロ野球の2軍球団創設構想に絡み、運営会社のハヤテ223(ふじさん)と県、静岡市は28日、全県を挙げた応援態勢の構築や県営施設の優先使用などを盛り込んだ連携協定を締結した。杉原行洋社長と川勝平太知事、難波喬司市長が県庁で協定書を交わした。 新球団は市清水庵原球場(同市清水区)を本拠地とし、2024年シーズンからイースタン・リーグへの新規参入を目指している。協定により、同社、県、市の3者が保有する知見や資産を活用し、県民や企業・団体、県内市町との連携を図る。草薙球場(同市駿河区)、愛鷹球場(沼津市)といった県営施設を優先使用するほか、山梨県などを含めた近隣の自治体に応援協
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「行政の力 問われる」 静岡で経済フォーラム 難波市長が講演
静岡市葵区のNPO法人静岡ビジネスサポートセンター(水上一夫理事長)はこのほど、経済フォーラムを市内で開いた。難波喬司市長が「市政の基本的考え方」と題して基調講演し、人口減少や高度化する科学技術への対応に触れて「地域行政の力が問われる時代。根拠と共感に基づく市政運営を目指す」と語った。 難波市長は同市の人口減少の原因として合計特殊出生率が低く、生涯未婚率が高いことを挙げた。「これまでの延長上の行政運営では明るい未来、安心感のある社会は実現できない」と指摘し、意識改革と行動変容の必要性を訴えた。 中高生や大学生との質疑応答では、JR清水駅東口のスタジアム建設構想に関する質問に対し、「ハードルは
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リコーダー二重奏披露 全日本受賞 静岡・大川小中の薮田さん、佐藤さん
静岡市葵区の小中一貫校大川小中の音楽部によるサマーコンサートが23日、同区の大川生涯学習交流館で開かれた。3月に開かれた「全日本リコーダーコンテスト」で最高賞の金賞に輝いた薮田有妃さん、佐藤志庵さん(ともに8年=中学2年に相当)が、全国レベルの二重奏を披露した。 葵区の中山間地にある小規模校の音楽部で、部員は薮田さんと佐藤さんの2人だけ。コンテストに出場後初めて、地元住民に腕前を披露する機会となった。コンサートの冒頭、薮田さんは「(佐藤さんと)2人で高め続ける音楽に打ち込んでいる」、佐藤さんは「音楽に全力を注いできた。楽しみながら演奏したい」とそれぞれ思いを語った。 2人はアルトリコーダ
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東京ディズニー開園40周年 安倍川で光のショー 22日、花火大会にドローン700機
東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)を運営するオリエンタルランドは6日、静岡市葵区で22日に開かれる安倍川花火大会で、開園40周年特別企画のドローンショーを初公演すると発表した。ドローンを駆使した光のショーで、ディズニーキャラクターを夜空に浮かび上がらせる。 ドローンショーは安倍川花火大会の開始直前の午後7時半から、15分間にわたり上演する計画。同社によると、ディズニーの定番曲に乗せて約700機のドローンを夜空に飛ばし、ミッキーマウスなどのキャラクターやシンデレラ城などを形作るという。 オリエンタルランドは1983年に東京ディズニーランドを開園。ドローンショーは40周年記念イベント「ド
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静岡市議会 22年度政活費9951万円、執行率69・11%
静岡市議会は30日、2022年度の政務活動費の執行状況と収支報告書を公開した。計1億4400万円の交付額に対し、支出総額は9951万円で前年度と比べて3万円増えた。議会事務局によると、執行率は69・11%で前年度から0・03ポイント上昇した。新型コロナウイルスの影響もあり、ほぼ横ばいの状況となった。 同市議会の政務活動費は議員1人当たり月25万円、年間300万円で、市が各会派に交付している。残余金4448万円は市に返還された。 執行率を会派別にみると、最大会派の自民党市議団は56・84%で最も低かった。第2会派の創生静岡が70・67%、第3会派の公明党市議会が69・80%、志政会が89・
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「有機茶」産地化後押し 静岡市、研究会新設へ 市議会答弁
静岡市議会6月定例会は27日、佐藤成子氏(志政会)、井上智仁氏(公明)、内田隆典氏(共産)が代表質問を行った。大村博農林水産統括監は市内茶業の振興に向け、海外で需要が高まっている「有機茶」の産地化を後押しする方針を明らかにした。2023年度は専門家を交えた研究会を新設し、生産者の取り組みを支援する。佐藤氏への答弁。 大村統括監は茶業の現状について「リーフ茶や茶価の低迷が続き、茶園面積もここ10年で半減するなど危機的状況」と指摘し「早急に収益力が高い攻めの茶業に転換を図る必要がある」と強調した。環境に優しい有機農業への関心が高まる中、「取扱量が順調に伸びている輸出に活路を見いだし、有機茶の
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人口減、定住策を強化 静岡市長答弁「速やかに実行」 市議会定例会
静岡市議会6月定例会の総括質問が26日始まり、繁田和三氏(自民)と安竹信男氏(創生静岡)が代表質問を行った。難波喬司市長は人口減少問題を「喫緊の課題」に挙げ、「定住人口の減少傾向を変える政策を強化すべきだ」と主張した。安竹氏への答弁。 難波市長は市の最上位計画の第4次市総合計画(2023~30年度)に関し、交流人口や関係人口の増加による人口活力の向上がうたわれている一方、「定住人口の増加に向けた積極的な記述が見当たらない」と指摘。人口減少の根本的な原因として、県平均と比べて生涯未婚率が高く、合計特殊出生率も低いことが挙げられるとし「希望する誰もが安心感を持って(結婚や出産を)実現できる社
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4次総目標「世界に輝く静岡の実現」 静岡市長「腹落ちしない」
静岡市の難波喬司市長は26日の市議会6月定例会代表質問で、第4次市総合計画(2023~30年度)の基本構想に掲げられたまちづくりの目標「世界に輝く静岡の実現」について、「否定するものではない。しかし、市の状況からみてストンと腹落ちしない」との認識を語った。繁田和三氏(自民)への答弁。 4次総は市の最上位計画として田辺信宏前市長肝いりの事業を登載し、根幹となる基本構想・計画に関しては市議会の議決を得て策定している。難波市長は初当選した4月の市長選で市議会最大会派の自民党と政策協定を結んだ際、「着実な推進」を約束していた。 難波市長は代表質問の答弁で4次総を基本的に継承する考えを示した一方、
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被災河川 土砂を順次撤去 静岡市 台風影響 緊急点検
静岡市の難波喬司市長は23日の定例記者会見で、6月初旬の台風2号を受け、市が管理する187河川を対象に行った緊急点検の結果を発表した。土砂の堆積量が多く、今後の大雨で氾濫の発生が懸念される10河川で順次、土砂撤去の緊急対策を進めていると明らかにした。 市河川課によると、緊急点検は台風が通過した直後の4~9日に実施。187河川のうち68河川で、水が流れる部分となる「河道断面」に3割以上の土砂が堆積していたという。このうち10河川は河道の土砂堆積量が5割以上で危険性が高く、近隣民家への浸水被害を回避するための緊急対策が必要と判断した。 難波市長は緊急対策が必要な10河川のうち、観音沢川(葵区油山
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難波静岡市長が所信表明 政策執行「根拠と共感」 市議会で市政運営方針
静岡市の難波喬司市長は13日開会した市議会6月定例会で、就任後初となる所信表明演説を行った。市の目指す将来像に「安心感がある温かい社会」を掲げ、「根拠と共感に基づく政策執行による温かい市政を行っていく」と市政運営の方針を述べた。 静岡市固有の魅力として「美しく豊かな自然環境と温暖な気候」「歴史性が根付いた文化力」「温かい人の心と絆」「多様で深みのある産業力による経済的活力」を挙げ、自身の掲げる都市将来像の実現に生かす考えを示した。 地域づくりの主役は「人であり社会」と位置づけた上で「社会の大きな力と世界の大きな知がうまくつながり、共創ができるよう下支えし、伴走する市政を進めていく」と強
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ボクシング全日本V 杉山さん(中島中3年) 静岡市長に報告
静岡市駿河区のSFKボクシングジムに所属する杉山烈希さん(中島中3年)が、3月に鹿児島県内で行われた全日本UJフレッシュボクシング大会(日本ボクシング連盟主催)の男子42キロ級で優勝した。8日、市役所静岡庁舎に難波喬司市長を訪ね、日本一の喜びを報告した。 杉山さんは東海地区予選を制した代表選手として全日本大会に出場し、全国各地区の代表選手とトーナメント戦を繰り広げた。持ち前の動体視力を生かして相手の攻撃を交わしたり、カウンターを決めたりして勝ち進んだ。同ジムの福井国教会長は「技術的な成長とうまさが光った」と健闘をたたえた。 小学1年の時、兄2人の影響でボクシングを始めた杉山さん。全国優勝は中
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水防、経済に17億円 静岡市、一般会計追加 6月補正案
静岡市は6日、2023年度一般会計に17億100万円を追加する6月補正予算案を発表した。昨年9月の台風15号を教訓にした危機管理対策をはじめ、物価高騰下の事業者支援、地域経済の活性化に取り組む。13日開会の市議会6月定例会に提出する。 風水害が激甚化する中、市民の安全安心を守る危機管理対策に1億2600万円を充てる。このうち巴川流域の治水対策には8900万円を盛り込み、気象予報、雨量、河川水位を基にした水害予測システムの構築を進める。有識者を交えた研究会を発足して治水対策を検討した上で、河川管理者の県に対策案を提案する。建設発生土の受け入れ地を民間公募する事業には1千万円を盛り込んだ。
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虐待相談最多782件 22年度の静岡市 児相対応110件増
静岡市児童相談所は2日、2022年度に対応した虐待相談の件数が、21年度比110件増の782件で過去最多だったと公表した。幼稚園や学校、虐待者本人からの相談が増加傾向にあるという。 虐待相談のうち、子どもの前で家族に暴力をふるうなどの心理的虐待に関する相談が434件(21年度比43件増)で最も多く、全体の55・5%を占めた。次いで身体的な虐待が198件(同54件増)。子どもを無視したり、養育を放棄したりするネグレクト137件(同8件増)、性的虐待13件(同5件増)と続いた。 心理的虐待の割合が多い理由について、市児相は警察からの通告が近年増加していることを要因に挙げている。 虐待を受け
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中部日本横断道を利用促進 静岡市、4市1社と協定締結へ ふるさと納税で広域連携
静岡市は15日、「中部日本横断自動車道」の利用促進と全線開通に向け、沿線4自治体(山梨県南アルプス、北杜両市、長野県佐久市、新潟県上越市)、ふるさと納税サイト運営会社のトラストバンク(東京都)と連携協定を結ぶと発表した。高速道路の沿線自治体がふるさと納税制度を活用して広域連携する全国初の取り組み。22日に都内で協定を締結する。 中部日本横断自動車道は中部横断自動車道、中央自動車道、上信越自動車道の総称。このうち、中部横断自動車道八千穂高原インターチェンジ―中央自動車道長坂ジャンクション(仮称)間の34キロが未開通区間となっている。 協定締結により、5市は同社が運営する国内最大級のふるさと
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静岡市民文化祭が開幕 展示、芸能、音楽 2000人参加
第21回静岡市民文化祭(市主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が10日、開幕した。7月2日までの間、市内6会場で、20団体から2千人が参加して作品展示や芸能発表、音楽演奏など28事業を繰り広げる。 初日は市役所静岡庁舎で開会式が行われ、難波喬司市長や市文化協会の海野俊彦会長らがテープカットで開幕を祝った。難波市長は「静岡市の文化を盛り上げてほしい」と期待し、海野会長は「静岡市を文化の薫りで満たしたい」とあいさつした。庁舎内の市民ギャラリーでは華道展と写真展が始まり、愛好家たちが日頃の創作活動の成果を披露した。 市民文化祭は市民ギャラリーのほか、市民文化会館、清水文化会館マリナート、静岡音楽館AO
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カンヌウイーク開幕 静岡市内各地でマルシェや映画上映など
静岡市の姉妹都市フランス・カンヌ市の国際映画祭に合わせた文化交流事業「シズオカ×カンヌウイーク」(実行委員会主催)が6日、静岡市葵区の七間町名店街で開幕した。フランスの食市場を再現した「ロゼマルシェ」が登場し、来場者でにぎわった。 7日まで行われるロゼマルシェには、フランスの料理、ワイン、スイーツ、雑貨を販売する約40店舗が軒を連ねた。開幕イベントでは、市内のダンス教室「I・R・Mアカデミー」の生徒が華やかな衣装を身にまとい、伝統的なフレンチカンカンを踊った。 同イベントは21日までの週末を中心に、市内各地で映画上映やマルシェを開催する。13、14日は清水区の三保内浜海岸で「
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バスケB2昇格 静岡難波市長がコメント「市民の喜び、誇り」
静岡市の難波喬司市長は2日、バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)のベルテックス静岡がB2昇格を決めたことについて、「ホームタウンチームが快挙を成し遂げたことは、市民にとっても大きな喜び、誇り」と祝福するコメントを文書で発表した。 6~8日に行われるB3プレーオフ・ファイナルの勝利も願い、「悲願のB3優勝を果たすことを期待している」として、市として全力で応援する姿勢を示した。
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今川氏真役・溝端さんの衣装展示 静岡大河ドラマ館 撮影や静岡まつりで着用
大河ドラマ「どうする家康」で今川氏真役の溝端淳平さんが着用した衣装が、静岡市葵区の静岡浅間神社境内にある「静岡 大河ドラマ館」にお目見えした。大型連休中の観光誘客促進を目的にした一部展示替えの一環で、新たな呼び物としてPRする。 新たに展示されたのは、紺碧(こんぺき)色をしたちりめん小袖、はかま、羽織の和装一式。氏真の洗練された姿や高貴な姿を演出しているという。溝端さんが撮影時に使用し、4月に開かれた「静岡まつり」に参加した際にも着用した。 駿府城跡の発掘調査で発見された金箔(きんぱく)付きの土器など、今川氏ゆかりの出土品の展示も始まった。 大河ドラマ館はドラマの進捗(しんちょく)状況
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自動運転、初の実証実験 市街地走行の課題抽出 静岡市と静鉄など 6人乗り低速EV
次世代交通サービス「MaaS(マース)」の導入を目指し、静岡鉄道や静岡市などでつくる官民組織「静岡型マース基幹事業実証プロジェクト」は28日、市内初となる自動運転の実証実験を葵区の駿府城公園周辺で開始した。5月10日まで。 市歴史博物館と静岡浅間神社内の大河ドラマ館、浅間通り二番街を結ぶルートを設定し、最高時速19キロの6人乗り低速電気自動車(EV)を走らせる。歩行者や自転車が行き交う市街地走行の課題を洗い出す。周遊観光の交通サービスや公共交通の担い手不足解消の可能性も探る。 初日は難波喬司市長が一部区間で乗車体験し、市民文化会館に設けた自動運転のコントロールセンターを視察した。終了後、難波
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ちびまる子ちゃんのマンホールのふた設置 静岡市内3区に3枚ずつ
静岡市は25日、旧清水市が舞台の人気漫画「ちびまる子ちゃん」の絵が描かれたマンホールのふたを設置する作業を開始した。市の下水道事業100周年を記念した取り組みで全9枚を制作し、7月末までに葵、駿河、清水の各区に3枚ずつ設置する。 1枚目の設置場所となった葵区の市歴史博物館前ではセレモニーを行った。主人公のまる子と祖父の友蔵が旧東海道を歩く様子を描いたデザインで、市職員がふたを除幕して披露した後、マンホールにはめ込んだ。森下靖公営企業管理者は「市のPR、情報発信につなげたい」とあいさつした。 このほかの設置場所は、葵区の市役所静岡庁舎前とJR静岡駅北口、駿河区のグランシップ前、日本平動物園
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静岡市、子育て教育環境を充実 23年秋までに総合政策 難波市長、市政課題に指示事項
静岡市の難波喬司市長は25日の定例記者会見で、市長部局・区役所などを対象に聞き取り調査を実施し、市政課題に対する指示事項をまとめたと発表した。子育て教育環境の充実に向けては、今秋までに市の総合的な政策を取りまとめ、2024年度予算に反映させる方針。筆頭の子育て教育統括監(仮称)を大長義之副市長が兼ねる。 子育て教育環境の政策立案に当たり、地元のシンクタンクなどを交えた研究会を発足させる。全国の子育て政策を収集・分析した上で、市の現状と課題を洗い出す。子育て世代から要望がある子ども向け屋内遊び場の整備に関しては、民間施設や利用が低迷している施設の活用を検討する。 田辺信宏前市長の肝いり事業
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台風被害越え再出発 GW前に改装オープン 静岡・足久保のホテル「鈴桃」
静岡市の中山間地オクシズにある「リゾートホテル鈴桃」(葵区足久保奥組)が昨年9月の台風15号での浸水被害を乗り越え、5月の大型連休を前に改装オープンした。地域住民や地元の建設業者が復旧を後押しした。経営者の鈴木啓介さん(44)は「恩返しのためにも、オクシズの魅力を発信し、地域をけん引する施設にしたい」と意気込む。 市中心街から車で30分、足久保川の上流域に位置する鈴桃は、鈴木さんの父義則さん(70)が1990年に開業。建物内の解体工事を終えて、改装工事に入った直後に台風15号に襲われた。近くの沢が増水し、1階に大量の泥水が流れ込んだ。「どこから手を付けていいか分からないほどの被害。頭が真っ
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困窮子育て世帯に5万円 静岡市4月補正、物価高対策で給付
静岡市は20日、低所得の子育て世帯に子ども1人当たり5万円を給付する2023年度4月補正予算案を発表した。国の臨時交付金を財源とし、物価高騰の影響に直面する低所得の子育て世帯の生活を支援する。27日開会の市議会4月臨時会に提出する。 給付対象は国の制度に基づき、低所得のひとり親世帯や住民税非課税の子育て世帯とする。対象となる子どもは1万4千人を想定。予算額は7億2700万円で一般会計補正予算案に計上する。4月臨時会で可決された後の5月末、一部を除き、申請する必要がない「プッシュ型」で支給する。 補正後の一般会計の規模は3524億2700万円になる。
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棋士の「おやつ」8品選出 静岡市で開催、将棋と囲碁 市民投票で決定
静岡市内で開かれる将棋の第81期名人戦(27、28日)と囲碁の第78期本因坊戦(5月18、19日)の両実行委員会は18日、対局棋士に提供する菓子を決める「おやつコンテスト」の結果を発表した。市民投票を経て和菓子、洋菓子の計8品が選ばれた。 和菓子部門で選出された4品は、安倍川もち 皿もり(やまだいち)▽玄米茶のわらび餅(大国屋製菓舗)▽桜餅(佐藤農園)▽「勝つを見る」かつ見のおはぎ(かつ見)。洋菓子部門の4品は、「茶っふる」本山・静岡いちご(茶町KINZABURO)▽ぼくたち8人兄弟クッキー(CAT&BAKES 9456)▽久能山東照宮献上品「漆黒の甲冑と徳川四天王のタルト」(キルフェボン
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⚾プロ野球で地方創生へ 静岡市と球団運営会社「ハヤテ223」協定 2軍へ新規参入目指す
静岡市を本拠地とするプロ野球の2軍球団創設構想に絡み、新球団運営会社となる「ハヤテ223(ふじさん)」と市は7日、地方創生の推進に向けた包括連携協定を結んだ。スポーツや産業、教育の振興などで連携を強化する。 市役所静岡庁舎で開かれた協定締結式で、田辺信宏市長と同社の杉原行洋社長が協定書を取り交わした。田辺市長は、地元球団創設が初当選した2011年市長選で掲げた公約の一つだったと紹介し「夢を諦めず良かったと感じる。新規参入を全面的に応援する」と述べた。 ハヤテ223は金融事業などを手がけるハヤテグループ(東京)の子会社で、葵区に本社事務所を置く。市清水庵原球場(清水区)を本拠地とし、24年
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「沖あがり」100年フード認定 明治から続くサクラエビ“漁師飯” 普及へ意欲
明治時代から駿河湾で水揚げされているサクラエビの漁師料理「桜海老の沖あがり」が、歴史的な食文化をたたえる文化庁の2022年度「100年フード」に認定された。サクラエビ漁の拠点港がある静岡市清水区由比地区の商工、飲食関係者が31日、市役所静岡庁舎に田辺信宏市長を訪ねて報告した。2日の春漁解禁と6月11日の「由比桜えびまつり」に向け、普及活動に取り組むと意欲を示した。 沖あがりは、生のサクラエビや豆腐、ネギなどをすき焼き風の味付けで煮込んだ料理。1894年にサクラエビ漁が始まって以降、夜通し漁に励んだ船乗りが冷えた体を温め、大漁を祝う“漁師飯”として発祥した。現在は清水
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「勇気を与える人に」 ミスコン静岡代表4人 日本大会へ抱負 静岡市役所
世界最高峰のミスコンテストの都道府県大会で選出された静岡代表4人が28日、静岡市役所静岡庁舎に田辺信宏市長を訪ね、ことしの夏から秋にかけて開かれる日本大会への抱負を語った。 訪問したのはいずれも大学生で、ミスユニバースジャパンプレリミナリー静岡の宮崎莉緒さん(牧之原市)、レディーユニバースジャパン静岡の青柳汐音さん(静岡市葵区)、ミスユニバーシティー静岡の鈴木梨恩さん(同市駿河区)。28~49歳を対象にした「ミセスSDGsジャパン静岡大会」グランプリの入谷美智子さん(同市葵区)も喜びを報告した。 宮崎さんは静岡市内の中学、高校に通いながら打ち込んだチアダンスの魅力に触れ「20歳の節目に自分自
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台風15号最終報告 静岡市長行動「適切性に問題」 方針一転、検証対象
静岡市は27日、昨年9月の台風15号の災害対応に関する検証結果をまとめた最終報告を公表した。被災直後、公務で地域の敬老会や祭りを訪問した市災害対策本部長の田辺信宏市長について、従来の方針を一転させて検証対象とし、「本部長は災害対応と通常公務のバランスの適切性に問題があった」と指摘した。 最終報告は、田辺市長の当時の行動を、災害対策本部の在り方を巡る検証項目で「課題・問題点」の一つに挙げた。本部長は自らの行動の適切性を判断する必要があるとし、「特に、初動期は最悪の事態を想定した状況判断を行うようにする」ことを今後の対策とした。 市は1月末に中間報告を公表した際、あくまでも市組織の検証が目的
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清水区「有形無形の恩恵」 静岡市長 4月で静清合併20年
静岡市の田辺信宏市長は24日の定例記者会見で、4月に20年となる旧静岡市と旧清水市の合併で清水区に生じた効果について「有形無形の恩恵が清水区民にある。合併により清水のまちづくりが進んだ」と強調した。 田辺市長は「市民生活に直結する恩恵、メリットはたくさんある」と述べ、象徴的な合併効果として、旧清水市域のごみ処理問題が解消し、市立小中学校の校舎耐震化が進展したことを挙げた。 合併後の市内全域のごみを旧静岡市域にある二つの清掃工場で処理することで、旧清水市で計画されていた清掃工場の建て替えが不要になったと指摘。校舎の耐震化については旧清水市が旧静岡市よりも30ポイント低い65%だったとし「現
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「木乃華サクヤ」選挙啓発 静岡市選管、若年層に呼びかけ【統一地方選しずおか】
静岡市選挙管理委員会は4月9日に投開票される統一地方選前半戦の静岡市長選、県議選に向け、静岡新聞社・静岡放送公認バーチャルユーチューバー「木乃華(このはな)サクヤ」を選挙啓発キャラクターに起用した。ポスターや投票済み証のイラストに採用し、主に若年層に投票を呼びかけている。 市選管は選挙啓発にこれまで地元ゆかりの著名人の協力を得てきたが、キャラクターを活用するのは初めて。イラストとともに「さぁ!行くよワタシ」「あなたは誰推し?」などと記されたポスターを4千枚作製し、市内の公共施設や駅に掲示した。 投票済み証には、木乃華サクヤのオリジナル壁紙を入手できるQRコードを添付する。葵、駿河、清水
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静岡市人事予想 危機管理監に増田氏有力 総務局長は大村明氏か
静岡市の2023年度定期人事異動は15日の内示に向け、最終調整に入った。局長級27人のうち7人が定年退職するため、後任人事を軸に人選が進んでいる。全体の異動規模は前年度と同規模の見込み。 再任用職員が務めている危機管理統括監は「危機管理監」に名称が変わり、後任には22年9月の台風15号で被災者支援に尽力した増田浩一保健福祉長寿局長が有力視される。大規模断水を教訓に、体制強化の指揮を執る上下水道局長には、水道分野での経験が豊富な渡辺裕一総務局長が回るとの見方がある。 市長の特命事項を担当する筆頭ポストの連携調整監を廃止し、連携調整監の管轄下にある市長公室を総務局に編入する。新体制となる総務
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球団との連携強化必要 静岡市長ら プロ2軍創設へ議論
静岡市は7日、同市を本拠地とするプロ野球新球団の創設構想をテーマにした「市長ミーティング」を市役所静岡庁舎で開いた。田辺信宏市長と市職員が意見交換し、球団側との連携強化の必要性を確認した。 田辺市長と意見交換したのは、スポーツ交流課、企画課、学校教育課などの職員10人。スポーツ交流課は「ホームタウンチームを地域資源としてまちの活性化に生かせる。全庁を挙げて取り組む必要がある」と呼びかけた。各課の職員からは「輝く選手をPR役とした移住促進策が可能」などの意見が出た。 日本野球機構(NPB)のファーム拡大構想に絡み、ハヤテグループ(東京)が市清水庵原球場を本拠市とするプロ野球2軍球団を創設し
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静岡市 水道局に危機管理課 台風15号教訓に防災体制強化
静岡市は1日、2023年度の組織機構改正案を発表した。22年9月の台風15号を教訓に、上下水道局に「上下水道危機管理課」を新設する。市長直轄組織の危機管理総室には「危機計画係」を新たに設ける。南海トラフ巨大地震に備え、危機管理体制を強化する。 上下水道危機管理課は、新設の上下水道局経営管理部に置く。台風15号の影響で興津川取水口が機能停止し、清水区で大規模断水が発生したことを受け、危機管理機能や経営基盤を強化する必要があると判断した。 危機管理総室は危機計画係の新設により計四つの係に体制が拡充する。 市長の特命事項などを担当する局長級ポストの連携調整監を廃止し、連携調整監の管轄下にある
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プロ野球2軍創設構想 静岡市、ハヤテGと連携協定へ 市長答弁
静岡市議会2月定例会は28日、代表質問を行った。田辺信宏市長は、清水区の市清水庵原球場を本拠地にプロ野球2軍球団の創設を目指すハヤテグループ(東京都)と包括連携協定を締結する方針を明らかにした。寺沢潤氏(自民)への答弁。 ハヤテグループは2024年シーズンからのイースタンリーグ新規参入に向け、日本野球機構(NPB)が今春実施する公募に名乗りを上げる。田辺市長は協定締結により「スポーツ振興をはじめとしたさまざまな分野で、ハヤテならではの価値や魅力を最大限発揮できるよう連携を深める」と強調した。 サッカーJ2清水エスパルスに加え、第3次総合計画(15~22年度)期間中にはバスケットボール、ラ
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田辺静岡市長、最後の施政方針 「5大重点政策」を加速
静岡市の田辺信宏市長は20日の市議会2月定例会で、2023年度施政方針演説を行った。過去最大の規模となった23年度当初予算案について、第4次市総合計画(23~30年度)に位置づけた「5大重点政策」の加速化につながる事業を盛り込んだと強調した。 5大重点政策のうち「子どもの育ちと長寿を支えるまちの推進」では、「しずおかハグくむ子育てプロジェクト」と銘打ち、政令市初となる第2子以降の保育料完全無償化や、屋内遊び場整備に向けた調査研究などに着手するとした。 庁内の組織再編の概要にも触れた。都内の企業が市清水庵原球場(清水区)を本拠地とするプロ野球2軍球団の創設を目指していることを受け、市スポー
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静岡市23年度予算案 5大重点政策に注力 子育てや中山間地振興
静岡市が15日発表した2023年度当初予算案は、市の第4次総合計画(23~30年度)に掲げた「5大重点政策」を推進する事業に力点を置いた。新たな政策推進の分野として位置づけた子育て支援、中山間地振興などに注力する。 ■子育て支援 子育て世帯の経済的負担を軽減する「第2子以降の保育料完全無償化」は政令市初の取り組み。所得制限を設けず、4月の保育料分から適用となる。天候を気にせず利用できる「屋内遊び場施設」の整備に向けた調査研究に着手し、26年度の開所を目指す。妊娠から子どもが満3歳に達するまでの間、保護者に交流サイト(SNS)を通じて子育て情報を発信する。 ■中山間地振興 「オ
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静岡市、第4次総合計画推進 23年度予算案、一般会計は過去最大3517億円
静岡市は15日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比4・1%増の3517億円と過去最大を更新した。初年度に当たる第4次市総合計画の「5大重点政策」として新たに掲げた子育てや中山間地振興などの分野に重点配分する。22年9月の台風15号、新型コロナウイルス禍を教訓とした危機管理対策にも力を入れる。=関連記事3面へ 13特別会計と4企業会計を合わせた総額は前年度当初比3・3%増の6759億円で過去最大となる。予算案は開会中の市議会2月定例会に提出する。 歳入の4割を占める市税は前年度当初比で0・9%増の1404億円を見込む。個人市民税は1人当たりの所得増加で0・3%増の56
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JR静岡駅北口 再開発ビル 地下道の工事概要説明 静岡市議会
静岡市議会は13日、2022年度一般会計補正予算案などの付託議案審査を行った。都市建設委員会では、市担当者がJR静岡駅北口再開発ビルの直下に整備する新しい地下道の工事概要を説明した。早ければ22年度内に着工し、24年4月のビル開業に合わせて供用を開始する。 再開発ビルは地下1階、地上15階建てで、駅前の御幸町・伝馬町エリアに位置する。市街地整備課によると、新しい地下道は延長9メートル、幅員4メートル、高さ2・5メートル。再開発ビルの地下1階と、静岡駅から延びる既存の地下道を接続する。 工事費は約4億8千万円で、市と、地権者でつくる再開発組合が費用を負担し合う。市は工事負担金2億8500万
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プロ野球本拠地化推進へ 静岡市議会が決議可決
静岡市を本拠地とするプロ野球2軍球団の創設構想に関し、静岡市議会は10日の2月定例会本会議で、市清水庵原球場(清水区)の本拠地化を推進する全議員発議の決議を全会一致で可決した。 日本野球機構(NPB)のファームリーグ拡大構想に絡み、ハヤテグループ(東京)が市清水庵原球場を本拠地とする2軍球団を創設し、2024年シーズンからの新規参入を目指している。 決議では、ハヤテグループの動向を「千載一遇の機会」ととらえ、市民が効果を最大限に享受し、市が持続的に発展するよう、市議会として清水庵原球場のプロ野球本拠地化を推進すると表明した。 決議を求める地元住民らの請願2件を採択した後、市議会最大会派
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静岡県内スポーツチーム 大型ビジョンでPR 3月末まで
静岡県は3月末まで、静岡県内スポーツチームの認知度向上とファン拡大を目指し、サッカー、自転車、バスケットボールなど計16チームのPR動画を県内3カ所の大型街頭ビジョンで配信している。 動画配信するのは、東急スクエア(静岡市葵区)、遠鉄百貨店(浜松市中区)、沼津ラクーン(沼津市)の各大型街頭ビジョン。それぞれの地域を本拠地とするスポーツチームを取り上げ、試合日程やチーム情報をまとめた15秒動画を流す。 県スポーツコミッション担当室によると、各大型街頭ビジョンを用いたPR動画は2月初旬に開始。1時間当たり4~7回の配信となる。担当者は「友人、家族連れで試合会場に足を運んでもらい、本県スポーツ
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補正予算など34件を上程 静岡市議会開会
静岡市議会2月定例会は8日開会し、会期を3月17日までの38日間と決めた後、2022年度一般会計補正予算案や清水港の海洋文化施設「海洋・地球総合ミュージアム」の事業契約議案など34件を上程した。このうち、人権擁護委員の推薦など人事関連8件に賛成・同意した。 補正予算案は22年9月の台風15号の災害復旧費を23年度当初予算案に付け替えるため、一般会計を47億円減額する。牧之原市で発生した送迎バス園児置き去り事件を受け、認定こども園などの送迎車に安全装置を装備する助成費として1億5200万円を計上する。 民間の資金とノウハウを生かした同ミュージアムの整備運営に向け、乃村工芸社(東京都)を代表
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静岡市清水庁舎 現地改修案が適当 検討委、市長に報告 移転新築から方針転換
老朽化が進む静岡市役所清水庁舎の整備の在り方を協議する市の検討委員会(委員長・恒川和久名古屋大大学院教授)の委員らは7日、市役所に田辺信宏市長を訪ね、清水庁舎の現地改修案が適当だとする検討結果を報告した。 検討委は有識者や公募市民ら10人で構成。昨年6月から計6回の協議を重ね、現庁舎を改修し、改修後の耐用年数を20年程度とする案をまとめた。恒川委員長は「委員、市民の思いを政策に尊重してほしい」と述べた。 清水庁舎はJR清水駅東口公園に移転新築する計画だったが、同公園に桜ケ丘病院の移転が決まるなどの情勢変化を受けて方針転換した。曲折を経ただけに、田辺市長は今回の報告について「市長の任期中に
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最有力候補にエネオス跡地 市検討委 静岡・新サッカー場構想
静岡市内に新しいサッカースタジアムを整備する構想に関し、有識者や公募市民でつくる市の検討委員会は7日、2022年度第5回会合を市内で開き、JR清水駅東口のエネオス清水製油所跡地を最有力候補地に選定した。ただ、建設費や防災対策に課題があるとして、IAIスタジアム日本平の改修を代替案として残した。 検討委は22年度中にスタジアム整備の候補地を一つに絞り込む予定だったが、23年度以降に結論を持ち越す格好となる。市は候補地絞り込みの判断材料として、23年12月までに建設費の試算結果などを検討委に提示する。市によると、整備の事業主体、資金集めの方法などは決まっておらず、完成時期のめどは立っていない。
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静岡市が下支えを 市長に有志が提言書 プロ野球2軍球団の創設
静岡市の清水庵原球場を本拠地とするプロ野球2軍球団の創設構想を巡り、市民有志が3日、球団創設に向けて行政の下支えを求める提言書を田辺信宏市長に提出した。 提言者として名を連ねたのは、スポーツ団体関係者や大学生など市内在住または出身の計42人。 提言書では、プロ野球の球団創設が実現した場合、競技振興や地域活性化につながると期待した。一方、交通渋滞や騒音などの対策が課題となり、アマチュア野球チームの競技環境を確保する必要性もあると指摘した。 提言者を代表し、同市出身のスポーツライター岡田真理さんは「世代、性別を問わず、地域のあらゆる人に愛され、歓迎されるように行政のバックアップをお願いした
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記者コラム「清流」 静岡市歴史博物館に思う
休暇を利用し、横浜市のカップヌードルミュージアムを家族で訪れた。即席麺の開発秘話を伝える展示は見応えがあり、カップ麺を手作りする体験では子ども以上に夢中になってしまった。 余韻も残る数日後、全面開館した静岡市歴史博物館を取材に訪れた。展示のメインは静岡ゆかりの徳川家康だが、物足りなさを感じたのは気のせいだろうか。世界的に活躍する建築家ユニット「SANAA」が設計した建物の迫力だけが印象に残っている。 抜群の知名度を誇る家康だけに、市歴史博物館に寄せられる期待は大きい。展示の充実に加え、食を絡めた体験企画も必要になりそうだ。来館者とリピーターを獲得するためにも、一層の深化と進化を願ってやま
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室伏スポーツ庁長官 静岡のアリーナ候補地視察「活性化の核に」
室伏広治スポーツ庁長官(沼津市出身)が20日、静岡市に田辺信宏市長を訪ね、アリーナやスタジアムなどのスポーツ関連施設を官民連携で整備する政府の方針をトップセールスした。市がアリーナの誘致を目指している候補地のJR東静岡駅北口市有地などを視察した。 スポーツ庁は地方自治体に対し、アリーナやスタジアムの建設にPFI(民間資金活用による社会資本整備)方式を採用するよう促している。室伏長官は「民間の創意工夫を生かすことで行政負担を大幅に削減できる。(施設整備が)地域活性化の核となるよう後押しする」と述べた。 JR東静岡駅北口市有地は2・4ヘクタールで、市によると、約30年前からアリーナの整備構想
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「まるちゃん」がルルカカードに 静岡鉄道 限定1000枚発行
静岡鉄道は16日、静岡市のPR曲「まるちゃんの静岡音頭」のデザイン画を入れた電子カード「LuLuCa(ルルカ)パサール」の発行を開始した。市のシティプロモーション推進事業の一環。 デザイン画は、人気漫画「ちびまる子ちゃん」の作者で、清水区出身の漫画家さくらももこさんが生前に、PR曲のために描き下ろした。同社の担当者は「まるちゃんの静岡音頭の認知度向上をお手伝いしたい」としている。 限定1千枚。静鉄電車新静岡、草薙、新清水の各駅と新静岡セノバ5階のカードカウンターで発行する。無くなり次第、終了する。
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静岡市のプラモニュメント2作品 JAA広告賞を受賞
静岡市は13日、市内に設置されている郵便ポストと公衆電話のプラモニュメント2作品が、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会(JAA)主催の2022年度審査会でそれぞれ広告賞を受賞したと発表した。 JAA広告賞の審査会は広告活動の発展が目的で、60回目。全国の企業や自治体から6部門に計1164点の応募があった。このうち「屋外・交通広告部門」で、郵便ポストが最高賞の「グランプリ」に輝き、公衆電話が優秀賞の「メダリスト」に選ばれた。 プラモデル出荷額で国内8割のシェアを有する静岡市は、プラモデルの部品群をかたどったモニュメントを整備する「プラモデル化計画」に取り組んでいる。市内に計5基あり、今回
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マグロ未利用材を商品化 清水区企業などに最高賞 静岡市「SDGs連携アワード」
静岡市はこのほど、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた企業・団体の連携事業を表彰する「SDGs連携アワード」の選考結果を発表した。最高賞の大賞には、水産加工会社のディ・エッチ・エー・マリンフーズ(清水区)などの連携事業「マグロの未利用資源でみんなを健康に!」が選ばれた。 市によると、同社は東海大海洋学部、県工業技術研究所、就労継続支援B型事業所「なないろ」(清水区)と連携し、本業のネギトロ製造の過程で生じる廃棄物(未利用の端材)を有効活用して商品開発につなげた。 同アワードはSDGsに取り組む企業・団体を後押しするため、2021年度に始まった。22年度は市内外から21件の応募があり
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静岡市 台風被災者支援 福祉に軸 災害対策本部廃止、復興本部に移行
静岡市は28日、9月の台風15号に伴う市災害対策本部を廃止し、市災害復興本部に同日付で移行したと発表した。11月から被災地域で行っていた戸別訪問の調査結果を踏まえ、被災者の福祉支援に力点を置く。 市によると、災害対策本部は台風襲来から一夜明けた9月24日に設置し、96日間に渡り開設した。廃止の理由に、災害発生の危険が解消し、災害対応の応急処置がおおむね完了したことを挙げた。 市の戸別訪問調査は11月上旬から12月中旬にかけて約1万4千世帯を対象に実施した。「通院困難や精神不安の影響で健康観察が必要」「通勤通学の移動手段に支障がある」などの実態を把握した。市災害復興本部は当面の間、こうした
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JR東静岡駅アリーナ構想 検討委、役割や機能を議論 静岡市
静岡市がJR東静岡駅北口市有地に誘致を目指す民間主導のアリーナについて、有識者や公募市民でつくる検討委員会は23日、第2回会合を市内で開き、コンセプトや役割、機能の在り方を巡って意見を出し合った。 市はプロスポーツ観戦や、有名アーティストによる大規模コンサートの鑑賞など「観(み)る機能」を重視したアリーナを理想像に掲げている。 委員側は県内外の利用者や興行の主催者から「選ばれる施設」、地域経済への波及効果をもたらす「稼げる施設」の視点が重要だとの認識を示した。施設整備に当たっては、騒音対策や防災機能といった公共性も考慮すべきだとして、官民連携での対応を求めた。 検討委は2023年2月中
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静岡市長選 難波氏推薦で一致 自民市内4支部、県連上申へ
2023年4月の静岡市長選を巡り、自民党静岡市静岡、清水両支部は22日、立候補を表明している元副知事難波喬司氏(66)の推薦を決めた。由比、蒲原両支部は同日までに難波氏推薦を決定していて、市内の全4支部の対応が一致した。4支部は週明けにも自民党県連に上申する。 静岡支部は自民と対立する川勝平太知事の側近だった難波氏の支援に慎重論が根強かったが、支部によると、この日の総務会では異論はなかったという。 静岡支部は推薦決定の理由に、第4次市総合計画(23~30年度)やリニア中央新幹線事業の着実な推進などを記した政策協定を挙げた。井上恒弥幹事長は取材に「(難波氏が)一番、政策的に合っているのは自
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興津川に応急組立橋 28日から供用開始 台風15号時流失、仮復旧工事完了
静岡市と国土交通省は21日、9月の台風15号で被災した興津川の清水橋(清水区清地)について、応急組立橋を設置する仮復旧工事が完了し、28日から供用を開始すると発表した。約3カ月ぶりの通行再開となる。 応急組立橋は長さ50メートル、幅員4・3メートル。国交省が市に貸与した。28日午前10時ごろ通行可能になる見通し。対面通行は不可。市道路計画課によると、2022年度内に清水橋の本復旧工事に向けた設計に着手する。本復旧が完了するまでの間、応急組立橋を使用する。 清水橋は台風15号による興津川の増水で流失した。市は国交省の技術支援を受け、現場の興津川をまたぐ工事用道路を整備。地域住民にも開放し、
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プロ野球2軍球団、静岡市に 市長「受け皿づくり、積極的に」
静岡市の田辺信宏市長は13日の定例記者会見で、都内の投資会社「ハヤテインベストメント」から静岡市を本拠地としたプロ野球2軍球団の創設を目指すと正式に連絡が入ったと明らかにした。同社が希望する市清水庵原球場の本拠地化に向けて「受け皿づくりを積極的に検討し、下支えする」と改めて意欲を語った。 同社は13日までに、ウェブサイトで「静岡を本拠地に2024年春のプロ野球参入を目指す」と表明した。田辺市長は初当選した11年市長選の選挙公約としてプロ野球の地元球団創設を掲げ、スポーツジャーナリスト二宮清純氏や市職員と協力して誘致を進めてきたとし、「トライする企業が出てきたことは感慨深い」と述べた。 川
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中町秋葉山常夜灯「火災防止シンボル」 保存会、歴史的価値を解説
静岡市葵区の浅間通りの入り口にある「中町秋葉山常夜灯」の保存会はこのほど、同常夜灯の基礎知識を習得する講座を葵区の県産業経済会館で開いた。県民俗学会の松田香代子理事が、火伏せの「秋葉信仰」を起源とした歴史文化を解説した。 松田理事は火伏せの神の山岳信仰が根付いている秋葉山(浜松市天竜区)を紹介。同常夜灯の正確な建立時期は不明とする一方で、少なくとも1842年に再建された記録があるとし、「火災防止のシンボルとして、駿府の町で継承されてきた」と話した。 同常夜灯は1957年に国体の本県開催を記念して大修繕が行われ、71年には静岡鉄道中町バス停付近から現在地に移転した。84年に市有形民俗文化財
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清水区の大規模断水、取水源確保へ複数案 静岡市、23年中に決定
静岡市議会11月定例会は5日、総括質問を行った。服部憲文上下水道局長は9月の台風15号の影響で発生した清水区の大規模断水を踏まえ、新たな取水源の確保に向けた複数の対策案を2023年中に取りまとめる方針を明らかにした。山梨渉氏(公明)への答弁。 服部局長は、清水区の取水源が興津川取水口に依存し、大規模断水を引き起こしたことを教訓に「依存リスクを分散できるよう、多様な方策を水源ととらえて対策を講じる」と強調。具体例としては、地下水の利用▽安倍川水系から清水区に送る北部・南部ルートの増強▽取水口の複数化―などを挙げた。 新たな取水源に関する複数の対策案を検討する場として、22年度内に有識者会議
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災害復旧に重点 173億円追加 静岡市11月補正予算案発表
静岡市は30日、2022年度一般会計に173億6500万円を追加する11月補正予算案を発表した。9月の台風15号による豪雨災害で被災したインフラの本格的な復旧事業に重点を置く。開会中の市議会11月定例会に追加提出する。24日に提出済みの補正予算案と合わせると207億円超となり、政令市移行後、11月補正としては最大規模になる。 特別会計と企業会計を合わせた今回提出分の補正総額は176億5100万円。 台風15号の災害対応に関わる追加補正は166億7400万円。このうち被災道路1204カ所、被災河川71カ所などインフラの本復旧事業に148億100万円を充てる。被災者と事業者の支援事業には18
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「選挙トリセツ」高校生へ 静岡市選管など発行 来春の統一地方選へ啓発
来年4月に行われる統一地方選に向け、静岡市選挙管理委員会と市明るい選挙推進協議会などはこのほど、高校生向け選挙啓発冊子「選挙トリセツ」を発行した。市内32高校の3年生を中心に計8千部を順次配布する。 若者の投票率向上を目指し、選挙は自分の意思を政治に反映させる機会と改めて呼びかける内容。進学や就職に伴う引っ越しの影響で「現在の居住地で投票できない」とする若者の意見を踏まえ、不在者投票制度の概要をQRコード付きで紹介している。 選挙トリセツは主権者教育の一環で2016年から発行を続けている。今回は市選挙啓発サポーターの大学生3人と高校生6人の協力を得て作成した。人気ゲームのデザインを参考
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静岡市、4次総基本構想・計画案 子育てなど重点5政策
静岡市はこのほど、まちづくりの羅針盤となる最上位計画、第4次総合計画(2023~30年度)の基本構想・基本計画案を公表した。「世界に輝く静岡」の実現を目指し、子育てやスポーツ、森林文化などを推進する5大重点政策を打ち出した。 基本構想では、世界に輝く静岡を市民と都市の双方が輝くまちと定義づけた。豊かな自然環境、歴史文化、産業に恵まれた同市で、市民の一人一人が自分らしい人生を送り、地域資源を磨いて世界から注目されるまちづくりを進めるとした。 まちづくりの方向性を示す基本計画の重点政策として「子どもの育ちと長寿を支える」「アートとスポーツがあふれる」「城下町の歴史文化を守り抜く」「港町の海洋
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静岡市、11月補正33億5900万円 台風、物価高対応重点
静岡市は10日、2022年度一般会計に33億5900万円を追加する11月補正予算案を発表した。台風15号の災害対応と物価高騰対策に重点を置いた。特別会計と企業会計を合わせた補正総額は43億7300万円。24日開会の市議会11月定例会に提出する。 台風15号関連の予算規模は12億7900万円で、被災した市民と事業者の支援に7億2300万円、公共施設の復旧に5億5500万円を配分する。災害救助法に基づく応急仮設住宅制度の対象外になっている世帯に対し、民間賃貸住宅の家賃などを最大6カ月間補助する。補助月額は1人世帯で5万円、3、4人世帯で7万円、5人以上の世帯で10万円など。 新型コロナウイル
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台風15号被災者を戸別訪問 静岡市、実態把握し適切支援 1万1400世帯対象
静岡市は台風15号による豪雨災害の被災者を対象に戸別訪問調査を行っている。市職員が12月上旬までの間、床上浸水の被害が目立った地区を中心に計1万1400世帯を訪ねる予定。心身の状態や生活環境、今後の見通しなどを聴き取り、被災者の実情に応じた支援に結びつける。 市職員が2人1組で被災者宅を訪問し、世帯主らに「被災者アセスメント調査票」に回答してもらう。世帯人数や要配慮者の属性といった基本情報をはじめ、住宅ローンの有無や罹災(りさい)証明の状況を尋ねる。発災後の心身の変化、福祉サービスの利用状況も聴き取る。 台風15号の発災から1カ月以上が経過する中、いまだに厳しい生活環境に置かれ、必要な支
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大浜公園再整備 物価高騰で12億円増、当初計画の1.5倍に 静岡市、補正計上へ
静岡市が民間資金活用による社会資本整備(PFI)を活用して再整備する大浜公園(同市駿河区)の事業費が、物価高騰のあおりで当初計画の約1・5倍となる12億円増の35億7千万円に上る見通しになったことが2日、関係者への取材で分かった。市は当初の債務負担行為に増額分の事業費を追加し、2022年度11月補正予算案に盛り込む方向で調整している。24日開会予定の市議会11月定例会に提出する方針。 大浜公園の再整備事業は民間のノウハウを取り入れ、ウオータースライダーのあるプール、カフェ、レストランなどを設ける計画。25年7月の供用開始を目指している。 市は21年度11月補正予算で事業費23億7千万円の
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SDGs若者サミット 高校生や実業家討論「同志とネットワーク構築」宣言 静岡
若者が持続可能な社会の構築に向けて議論する静岡市SDGs(持続可能な開発目標)ユースサミットがこのほど、同市葵区の浮月楼で開かれた。「同じ志を有する仲間とのネットワーク形成する」との共同宣言を採択した。 世界遺産富士山の構成資産・三保松原(清水区)周辺の活性化に取り組む高校生や、SDGsを推進する企業の学生リポーター、まちづくりを手がける20~30代の実業家など10人が登壇した。「若者が行動するために必要な機会・環境」を題材にパネル討論し、仲間の存在や挑戦することの大切さを共有した。 同サミットは、SDGsの活動を共有する国連の記念日「世界都市デー」の関連イベント。SDGsハブ都市にアジ
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箏曲教師の石渡さんとシズオカオーケストラ 静岡市芸術文化奨励賞
静岡市は2日、2022年度芸術文化奨励賞の授賞式を市役所静岡庁舎で開いた。葵区瀬名の箏曲教師石渡裕子さんと、市内を拠点に文化事業を展開している「シズオカオーケストラ」(井上泉代表)が選ばれた。 石渡さんは6歳の頃から箏曲を学び、これまでに国民文化祭や伊勢神宮での舞台演奏などに参加した。市内の小学校で出前講座を行い、子どもたちに魅力を伝えている。 シズオカオーケストラは2014年、「まちを音楽のように味わえる人を増やす」を目標に設立。市内各地で地域に根ざしたアートプロジェクトを開催している。 田辺信宏市長が2人に表彰状を手渡した。石渡さんは「近年、力を入れている子どもへの指導が、自分の生
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全日本知的障害者柔道大会 稲葉さん準V、藤浪さん3位 静岡市長に報告
8月に都内で開かれた全日本ID(知的障害者)柔道大会に出場し、好成績を収めた「しずはたスポーツクラブ」(静岡市葵区)の2選手が31日、市役所静岡庁舎に田辺信宏市長を訪ねて喜びを報告した。 訪問したのは、準優勝を果たした稲葉乃知さん(26)=葵区神明町=と、3位入賞の藤浪智矢さん(24)=葵区北安東=。稲葉さんは「準優勝できてうれしい」と笑顔を見せ、藤浪さんは「これからも頑張る」と意欲を語った。 田辺市長は「パラスポーツの機運が高まっている。皆さんの活躍は静岡の誇り。環境整備に取り組みたい」と話し、稲葉さんと藤浪さんにそれぞれ花束を贈呈した。
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台風被災者支援 鈴与1500万円寄付 静岡県と静岡市に
鈴与グループは25日、台風15号による豪雨災害の被災者支援として、静岡市と県に計1500万円を寄付した。このうち市は1千万円の寄付を受け、災害救助法に基づく応急仮設住宅制度の対象外になっている被災者の追加支援に活用する。 同制度は民間賃貸住宅を借り上げて仮設住宅とみなし、被災者に提供する仕組み。法令上、半壊以上が制度対象になる。床上浸水の被害に遭い、居住が困難な場合であっても、住宅の損傷具合によっては制度の対象外になるため、救済を求める声が上がっていた。 市役所静岡庁舎で行われた寄付金の贈呈式では、鈴与の高橋明彦副社長が田辺信宏市長に目録を手渡し「被災者の生活立て直しのために役立ててほし
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北街道でマルシェ 50店舗もてなし 静岡市葵区、毎月第4日曜に
静岡市葵区の北街道沿いで22日、定期市「きたかいマルシェ」が開かれた。飲食や衣服などの約50店舗が出店し、来場者をもてなした。 新型コロナウイルス禍のため2年半にわたって中断していた「鷹の市・駿府市」を発展的に継承し、地元の鷹匠1丁目商店街と駿府町1区商店街の関係者でつくる実行委員会が企画した。商店主らが街の魅力発信とにぎわい創出を目指し、焼き菓子や地場野菜、手作り雑貨、婦人服などを売り出した。 次回以降は毎月第4日曜の午前9時~午後3時に開催する。実行委の新村範子さんは「商店街の若手が中心となり、定期市を復活させることができた。幅広い年齢層に親しまれる場にしていきたい」と話した。
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空手全国大会で好成績 小学生選手が副市長に喜び 静岡市役所
7、8月の空手道全国大会で好成績を収めた正剛道場静岡教室などの児童9人が17日、静岡市役所静岡庁舎を訪れ、大長義之副市長に喜びを報告した。 7月の全日本少年少女武道錬成大会団体の部で小学1、2年チームが初優勝し、同5、6年生チームが準優勝した。大長副市長は選手に花束を手渡し「暑い中で自分の力を出し切ったと思う。今後も指導者や家族への感謝の気持ちを忘れず、空手道を究めてほしい」と声をかけた。 結果は次の通り。 【全日本少年少女武道錬成大会】小学1、2年団体の部優勝 赤堀漣(静岡千代田2)梅原里輝(静岡竜南2)藤原栞奈(掛川千浜2)峯岡惺太(静岡安東2)▽同5、6年団体の部準優勝 大村優月
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被災者支援に31億円、インフラ復旧73億円 静岡市9月補正予算案発表 台風15号
静岡市は11日、台風15号による豪雨被害を受け、2022年度一般会計に105億2100万円を追加する9月補正予算案を発表した。被災者支援に31億7700万円、インフラ復旧に73億4300万円を増額する。特別会計、企業会計を合わせた補正総額は106億9400万円。開会中の市議会9月定例会に追加提出する。 被災者支援は、JR清水駅東口のエネオス遊休地など3カ所を災害ごみの仮置き場として運営する事業に9億3千万円を充てる。清水区で発生した大規模断水の被害に遭った水道契約者(8万件)を対象に、10月の基本料金と20立方メートルまでの従量料金を減免する。 災害救助法に基づき、床上浸水などの被災世帯
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消防団が災害ごみ処理 輪番制、3カ所で開始 静岡
静岡市消防団はこのほど、台風15号による記録的な豪雨の影響で発生した災害ごみの処理作業を市内の仮置き場など3カ所で開始した。被災者支援の一環として当面の間、活動を継続するという。 市環境局の依頼を受け、消防団員が5日から輪番制で活動することを決めた。仮置き場に持ち込まれた災害ごみを可燃、不燃に分別し、清掃工場に運ぶトラックに積載する作業に精を出している。 市消防団を所管する市消防局警防課の担当者は「日ごろから地域密着の活動を行っていて、今回の災害でも大きな力を発揮してくれている」と感謝した。
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台風15号災害対応、課題検証を 市議から相次ぐ 静岡市議会総務委
台風15号による記録的豪雨の静岡市の災害対応を巡り、5日の市議会総務委員会で、市議から課題検証と対応策を求める意見や要望が相次いだ。 自民党市議団の寺沢潤氏は今回の災害対応に「多くの課題や準備不足が露呈した」と指摘。具体的には大規模断水が発生した清水区の給水所に関する情報発信が不十分だったとし、インターネットや交流サイト(SNS)に不慣れな世代への配慮を求めた。 創生静岡の風間重樹氏は防災対策に膨大な時間と予算を投じてきたにもかかわらず、「自衛隊の派遣要請、広報体制、災害対策本部の役割など、市の災害に対する脆弱(ぜいじゃく)性があらわになった」と追及した。 志政会の佐藤成子氏は「市民に
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清水区断水 5日までに全面復旧へ 興津・巴川ブロック、飲用可能に
静岡市は28日、台風15号による記録的豪雨の影響で発生した清水区の大規模断水について、水道管に生活用水を送る充水作業を行っていた興津、巴川の各ブロック(計3万1千戸)で水質検査が完了し、飲用使用が可能になったと発表した。庵原北部や三保など残るブロックへの充水作業と水質検査を順次実施するとともに、和田島地区で被災した水管橋の復旧工事を進め、10月5日までに断水の全面解消を目指す。 興津、巴川の各ブロックでは、トイレや泥の洗浄、風呂水などに加えて飲み水の日常利用が再開できる。断水の主な原因だった興津川取水口の障害物を撤去し、県工業用水や井戸水を活用した結果、飲用可能日が当初計画より1日早まった
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取水口の障害物撤去完了 本格送水へ点検 断水原因の清水区・興津川
台風15号に伴う記録的豪雨で、静岡市清水区の大規模断水の原因となった興津川取水口施設の障害物の撤去作業が28日未明、完了した。陸上自衛隊が27日夜から人力で作業を進め、取水口をふさいでいた土砂や流木を取り除いた。市は設備の点検や改修などを経て、問題がなければ谷津浄水場への本格的な送水作業に取りかかる。 市水道総務課によると、陸自の撤去作業は27日午後6時半ごろ始まり、28日午前0時半ごろ完了した。取水口の障害物はなくなったが、一部損傷した設備も確認され、取水量(1日7万トン)の全量回復には至っていない。 市は27日、県工業用水と井戸水を谷津浄水場から水道管に流す充水作業に着手し、断水世帯
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静岡市清水区の断水 29日から段階的解消へ 井戸水や工業用水を使用
静岡市は26日、台風15号に伴う記録的豪雨により清水区で発生した大規模な断水について、29日から10月2日にかけて段階的に解消できる見通しになったと発表した。井戸水や県の工業用水から応急的に取水し、水道管に水を満たす「充水作業」を27日から開始する体制が整った。 市水道総務課によると、清水区を興津、巴川、庵原北部、三保、庵原系小規模配水池、富士見ケ丘の6ブロックに分け、27日から30日にかけて充水作業を実施する。飲用水として使用可能になる目安は、最も早い興津ブロックで29日、最も遅い富士見ケ丘ブロックで10月2日の見通し。各ブロックへの充水作業を迅速に終わらせるため、市は使用可能日を厳守す
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静岡市清水区の断水、取水口に重機投入へ 最短4日で給水可能 市対策本部会議
静岡市は26日、災害対策本部会議を開き、台風15号に伴う記録的豪雨により発生した清水区の大規模断水などの対応を協議した。断水の原因となった興津川承元寺取水口(同区)をふさぐ流木や土砂を撤去するための重機は27日に投入予定という。重機が入れば、最短4日間で生活用水の給水が順次可能と見込んでいる。 市によると、断水世帯は蒲原、由比地区を除く清水区のほぼ全域に相当する約6万3千戸。川の水位が高く、26日は重機の投入は難しい見通し。重機で流木や土砂を撤去したとしても、水道管の通水作業や天候の状況で復旧が遅れる可能性がある。市は10月1日前後から生活用水を、同4日前後から飲用水を順次供給する方針。
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静岡市21年度決算 65億円の黒字確保
静岡市は22日までに、2021年度の決算概要を公表した。一般会計の歳入は3643億2300万円(前年度比11・4%減)、歳出は3548億3400万円(同12・0%減)となり、次年度に繰り越す財源を差し引いた実質収支は65億2300万円(同23・3%増)の黒字を確保した。 歳入は国庫支出金が852億6600万円で前年度を513億円下回った。新型コロナウイルス対策に伴う特別定額給付金事業の補助金が減ったことが響いた。市税は前年度比1・3%減の1378億7400万円。歳出では、子育て世帯や住民税非課税世帯を対象にした臨時特別給付金などにより扶助費が大幅に増加した。 市債発行額は前年度比14・6
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サッカー王国発展、継承に意欲 女性初殿堂入り綾部さん 静岡市役所訪ね「最高の栄誉」報告
女性初の日本サッカー殿堂入りを果たした静岡県サッカー協会評議員の綾部美知枝さん(静岡市清水区)が22日、市役所静岡庁舎に田辺信宏市長を訪ねて喜びを報告し、サッカー王国の発展と継承に引き続き尽力すると意欲を語った。 綾部さんは日本サッカー協会(東京)のビル内にある日本サッカーミュージアムに展示された肖像彫刻のレプリカを持参し、市職員らの拍手で出迎えを受けた。殿堂入りについて「サッカー界最高の栄誉。人に恵まれ、まちに育てられた」と感謝の言葉を述べた。 綾部さんは小学校教員時代に少年サッカークラブ「清水FC」の監督として、名古屋グランパス監督の長谷川健太さん(清水東高出身)ら「清水東三羽烏(が
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昇格へ「全て出し切る」 B3ベルテックス静岡 開幕へ意気込み
10月上旬にバスケットボール男子Bリーグ3部(B3)が開幕するのを前に、静岡市を本拠地とするベルテックス静岡の選手らが15日、市役所静岡庁舎を訪れ、田辺信宏市長に新シーズンへの意気込みを語った。 岡田雄三主将は「今季のスローガン『すべてを出し切る』を達成すれば、おのずと結果はついてくる」と活躍を誓った。コート外でチーム活動の中心的役割を果たすオフコートキャプテンの大石慎之介選手も「B2昇格しか見ていない」と言葉に力を込めた。 ベルテックスはリーグ参戦3年目だった21~22年シーズンを過去最高の3位で終えた。22~23年のシーズン開幕戦は10月1、2日、ホームアリーナの市中央体育館で横浜エ
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空手全国で活躍 優勝の武田さん(長田南小)ら報告 静岡市役所
7月末に開かれた松涛連盟全国空手道選手権大会に出場し、小学6年女子型の部で優勝した武田梨央さん(静岡市立長田南小)ら選手4人が15日、市役所静岡庁舎に田辺信宏市長を訪ねて喜びを報告した。 武田さんのほかに訪問したのは、小学1年女子型の部で準優勝した妹の梨莉さん(長田南小)▽中学2年男子型の部で準優勝した鮎沢龍さん(城山中)▽小学5年女子型の部で準優勝、同組手の部で3位だった鮎沢さんの妹の澪さん(長田南小)。 田辺市長は「きょうだいで競技に励むことは素晴らしい。さらに空手道に精進を」と声を掛けた。武田梨央さんは田辺市長から花束を受け取り、「日本一を目指して毎日練習した。今までの努力が実を結
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低所得世帯に5万円 静岡市が追加補正予算案
静岡市は15日、2022年度一般会計に41億円を追加する9月補正予算案を発表した。原油・物価高騰の対策として、家計への負担が大きい低所得世帯に5万円を給付する。開会中の市議会9月定例会に補正予算案を追加提出する。 新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻に伴い、電気、ガス、食料品などの価格が高騰する中、国庫補助金を財源にした緊急支援給付金を低所得世帯に支給する。対象は住民税が非課税の約7万5千世帯と、家計の急変が認められる約500世帯。 一般会計は8月末に発表した補正予算案を含め3585億5600万円。特別会計と企業会計を合わせた補正後の総額は6776億8100万円になる。
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ブラックバスなど外来種生息 駿府城堀の魚、子どもら観察
静岡市葵区の駿府城公園周辺のにぎわい創出に取り組む「駿府城舟の会」は11日、同公園中堀で「おさかな調査会」を開いた。会員とボーイスカウト静岡第26団の子どもら約30人が参加し、身近な水辺の環境に親しんだ。 市が歴史文化のエリアに位置づけている駿府城公園周辺の水辺環境に興味関心を持ってもらう狙い。参加者は釣りざおやペットボトル製の仕掛けを使い、中堀に生息している魚の捕獲を試みた。 捕獲した魚は水槽に入れて観察した。外来種の「ブルーギル」と「ブラックバス」が計50匹ほど確認できた一方、在来種はコイ科の淡水魚「モツゴ」の1匹だったという。会員らは身近な水辺の生態系を守る大切さを子どもたちに伝え
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一丸で全国優勝目指す 東海バレーボールクラブが抱負 静岡市役所
24、25日に和歌山県で開かれる全国ヤングバレーボールクラブ男女優勝大会に出場する静岡市内の女子中学生チーム「東海バレーボールクラブ」が8日、市役所静岡庁舎に田辺信宏市長を訪ね、健闘を誓った。 同クラブは5月に行われた県大会を制し、全国大会への切符を手にした。全国大会出場は5度目。福元さやか主将(清水二中3年)は「全選手が一丸となって優勝を目指す」と抱負を語った。 田辺市長は「ワンチームで試合に臨み、東海旋風を巻き起こしてほしい」とエールを送った。 同大会には、同市清水区を中心に活動しているSSC(シミズ・スター・クラブ)も出場する。
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殉職消防隊員に黙とう 静岡ビル火災、市長ら市議会で
静岡市議会9月定例会は9日開会した。出席議員と市当局が会議の冒頭、葵区呉服町の雑居ビル火災で殉職した市消防局の隊員山本将光さん(37)に黙とうをささげた。続いて田辺信宏市長が哀悼の言葉を述べた。田辺市長は「大切な職員の生命が失われたことは痛恨の極み」とし、遺族への寄り添いと消防職員の心のケアに努めるとした。その上で「事故原因の徹底的な究明と、それに基づく対策を講じる」と力を込めた。 秋山義隆消防局長も追悼の言葉をかけた。山本さんについて「特別高度救助隊員としての責任感にあふれ、上司や部下からの信頼も厚く、将来を嘱望された職員だった」としのんだ。再発防止策を通じて「今後、絶対にこのようなこと
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静岡人インタビュー「この人」 3年ぶりに開催される大道芸W杯のプロデューサー 奥野晃士さん
静岡市の秋を彩る一大イベント、大道芸ワールドカップ(W杯)。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中止を経て、今秋は11月4~6日に3年ぶりに開催される。県舞台芸術センター(SPAC)の舞台俳優として活動する傍ら、大道芸W杯の企画進行を取りまとめる大役を担う。兵庫県淡路市出身。53歳。 ―就任の抱負は。 「今秋で29回目を数える歴史のある行事。大道芸人が目標とする大舞台の一つとして全国的な知名度がある。長年、大道芸W杯を支えている地元企業の社長や大会関係者と関わる中で、プロデューサー就任への話が持ち上がった。最大限の力で場を盛り上げたい」 ―準備状況は。 「感染対策を講じつつ、規模縮小で
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静岡市清水庁舎整備 4案を提示 検討委員会に市、現状と課題共有
静岡市役所清水庁舎の整備計画を巡り、有識者や公募市民でつくる市の検討委員会の第3回会合が31日、清水区で開かれた。市が現庁舎の改修やJR清水駅東口への移転新築など主に四つの整備案を提示し、委員が現状と課題の議論を深めた。 市が示した整備案は①桜ケ丘病院が移転する清水駅東口公園の余った土地への移転新築(初期費用74億円)②清水駅東口広場への移転新築(同80億円)③現庁舎敷地内の駐車場への新築(同90億円)④現庁舎の改修(同59億~77億円)。 清水駅東口に移転新築する2案については、市が駅周辺の「清水都心」に拠点機能を集約するまちづくりの方針と一致すると評価したものの「現庁舎と同規模の駐車
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静岡市、ポイント20%還元 ペイペイ利用、9月1日から
静岡市は9月1日、キャッシュレス決済サービス「PayPay(ペイペイ)」と連携したポイント還元キャンペーン第3弾を開始する。10月31日まで。市内の約1万店舗がキャンペーンに参加し、買い物に支払い額の20%を還元する。 新型コロナウイルス感染拡大や物価高騰の影響で冷え込んだ地域経済の活性化を図る狙い。市産業政策課によると、キャンペーン期間中のポイント付与上限額は過去最大の1万円分。決済1回当たりの付与額は1千円分を上限とする。 キャンペーンの実施店舗は市内各地の飲食店やコンビニ店、ドラッグストアなど。実施店舗にはPR用のポスターが掲出されるという。 市は2022年度一般会計6月補正予算
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静岡市9月補正、過去最大95億円追加 高騰、コロナ対応重点
静岡市は29日、2022年度一般会計に95億6200万円を追加する9月補正予算案を発表した。原油・物価高騰に苦しむ市内の中小企業や福祉施設を支援し、新型コロナウイルス感染急拡大への対応を強化する。9月補正としては政令市移行後で最大の規模。特別会計を含めた補正総額は117億3800万円。9月9日開会の市議会9月定例会に提出する。 電気、燃料、資材の価格が高騰する中、中小企業や福祉施設の事業継続を支える費用として19億7700万円を計上する。中小企業向けの支援メニューは、高圧電力を使用している製造業者に最大50万円▽中・小型トラックの運送業者に車両1台当たり最大5万円▽環境に優しい農業を行うエ
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「家康公ビール」開発 静岡市が支援、「大河」契機に 9月補正予算案
静岡市は23日、2023年大河ドラマ「どうする家康」の放送を契機とした観光経済の活性化に向け、静岡大や地元醸造所が取り組む地ビール「家康公ビール(仮称)」の商品開発を支援する方針を固めた。23年5月に発売予定で、市内産の酵母を活用するなど製法にこだわり、家康ゆかりの地を全国にアピールする。22年度9月補正予算案に関連経費を計上する。 静岡大の研究組織「発酵とサステナブルな地域社会研究所」が市内の各地に咲く花などから酵母を採取。研究で選抜された酵母を使い、市内醸造所がビール製造を手がける。市や静岡商工会議所、するが企画観光局などでつくる大河ドラマの官民推進協議会がブランド化や販路開拓を担う。
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静岡市歴史博物館プレオープン 「駿府城記念符」限定2千枚発売
静岡市まちづくり公社は、市歴史博物館(葵区)のプレオープンを記念した「駿府城限定記念符」を2千枚製作した。隣接する駿府城公園の東御門、巽櫓(たつみやぐら)入場券販売所などで購入できる。 記念符は縦10センチ、横15センチ。東御門と巽櫓をかたどった藍色の切り絵に、黄金色をした葵の御紋がデザインされている。県と静岡、浜松両市、静岡商工会議所などでつくる「全国家康公ネットワーク」の推奨を得た。 1枚千円。希望者には通信販売も行う。問い合わせは駿府城公園二ノ丸施設管理事務所<電054(251)0016>へ。
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新サッカースタジアム建設構想 静岡市、アンケート開始
静岡市内に新しいサッカースタジアムを建設する構想を巡り、市は17日、サッカーJ1清水エスパルスの本拠地、IAIスタジアム日本平(清水区)の利用者らを対象にしたウェブアンケートを開始した。市が設置している有識者の検討委員会にアンケート結果を示し、建設候補地の選定作業に生かす。 アンケートには市の公式ウェブサイトからアクセスできる。設問は、サッカーへの興味関心▽IAIスタジアムの観戦頻度や消費額、交通手段▽新サッカースタジアムへの期待▽魅力を高めるための周辺施設―など全22問。 市企画課の担当者は「サッカースタジアムの在り方を検討する上で利用者の意向は不可欠になる。建設候補地の選定に当たって
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静岡市 ごみ屋敷解消へ条例案 罰則規定、代執行も
静岡市は15日、住宅敷地内にごみをため込む「ごみ屋敷」問題など不良な生活環境を解消、防止するための条例案のパブリックコメント(市民意見公募)を開始した。当事者による自発的な問題解決を促す福祉支援を基本原則とし、必要に応じて強制力のある行政措置や罰則規定を適用する方針。 条例案は、ごみ屋敷の背景には地域での孤立や生活上の問題があるとして、まずは当事者に寄り添った支援を行う。現場の立ち入り調査に加え、当事者への指導、勧告、命令など強制的な措置も盛り込む。従わない場合は5万円以下の過料とする。有識者の審議会に諮った上で行政代執行に踏み切る場合もある。 悪臭や騒音の原因になる動物の不適切な多頭飼
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家康が愛した静岡PR 大河ドラマ「どうする家康」 ウェブ、ツイッター開設
徳川家康を主人公とした2023年大河ドラマ「どうする家康」を機に地域活性化を目指す静岡市の官民協議会はこのほど、家康ゆかりの地をPRするウェブサイトとツイッターの運用を始めた。 ウェブサイト名とツイッターのアカウント名はいずれも「家康公が愛したまち静岡」。どうする家康の放送に合わせ、23年1月に静岡浅間神社内の旧市文化財資料館にオープンを予定する「大河ドラマ館」の情報を発信していく。 サイトでは、家康公との関わりが深い臨済寺(葵区)、駿府城公園(同区)、久能山東照宮(駿河区)などの観光情報も紹介する。協議会のメンバーが活動状況をツイッターでつぶやき、地域活性化の機運醸成を図る。
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日本遺産「駿州の旅」 静岡浅間神社と木屋江戸資料館(静岡・清水区) 構成文化財に追加認定
静岡市葵区の静岡浅間神社と清水区蒲原の木屋江戸資料館が、日本遺産「日本初『旅ブーム』を起こした弥次さん喜多さん、駿州の旅」の構成文化財に追加認定され、10日に市役所静岡庁舎で認定書授与式が行われた。 静岡、藤枝両市でつくる「駿州の旅日本遺産推進協議会」の申請に基づく審査を経て、文化庁が7月末に追加認定した。十返舎一九の滑稽本「東海道中膝栗毛(ひざくりげ)」を起源とする日本遺産・駿州の旅のストーリー性を高める文化財として評価された。 市観光・MICE推進課によると、同神社は駿河国の総社として江戸時代には東海道府中宿の人々から信仰を集め、東海道中膝栗毛とも関連がある。同資料館は江戸時代の東
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国1静清バイパス整備 促進向け事業計画 静岡で総会
静岡市や市内の連合自治会長などでつくる国道1号バイパス整備促進委員会(会長・田辺信宏市長)はこのほど、同市葵区で総会を開き、国への要望活動や啓発活動を柱とした2022年度事業計画を決めた。 国道1号静清バイパスは丸子―興津インターチェンジ(IC)間の24・2キロ。18年に全線4車線化が完了し、唯一の平面区間となる東名高速道清水IC付近を高架化する「清水立体」の整備が進む。田辺市長は総会のあいさつで「市、地域、議会、経済界がワンチームで整備促進に取り組もう」と呼び掛けた。 総会後、国土交通省静岡国道事務所が26年春に上りの開通を予定する清水立体の進捗(しんちょく)状況などを説明した。
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静岡・清水区の市道 市長に保全要望 由比入山自治会
静岡市清水区の由比入山自治会は9日、地元の釜ケ沢川沿いにある市道が豪雨災害の影響で陥没や崩落の危険性があるとして、抜本的な保全対策を求める要望書を田辺信宏市長に提出した。 同自治会によると、釜ケ沢川沿いの市道は2014年10月に台風の影響で崩落。復旧後も豪雨のたびに護岸が浸食され、今年1月には路面陥没が起きた。石切山誠会長は市役所静岡庁舎で田辺市長に要望書を手渡し「生活に欠かせない道路。早急な対応をお願いしたい」と訴えた。 田辺市長は現場を視察する考えを示し「秋までに応急処置を実施する」と説明。市幹部は河川を所管する県と協議、調整を重ねた上で、抜本的な対策を講じるとした。
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福島産のモモいかが 消費拡大ヘイベント 静岡
福島県産の青果物の消費拡大を図る販売イベント(静岡市青果仲卸協同組合など主催)が6日、同市駿河区のスーパー「フードマーケットマム高松店」などで開かれた。福島県の市場関係者が旬のモモを売り出した。 福島県は全国有数の果物産地で、モモの栽培面積と生産量で全国2位を誇る。PR役を務める「ミスピーチ」の石井なつみさん(福島市)らが店頭に立ち、福島産のモモと野菜を買い物客に勧めた。 同イベントは東日本大震災の被災地復興を後押ししようと2012年に始まり、新型コロナウイルス感染拡大の影響で3年ぶりの開催となった。7日はフードマーケットマム高松店と、藤枝市のスーパー富士屋五十海店で行われる。
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富士登山観光拠点、代替も便利に 焼失の5合目旧レストハウス
静岡県と富士宮市は2021年に発生した火災の影響で解体された富士宮口5合目の来訪者施設「レストハウス」の代替施設について、ことしの夏山シーズンに合わせて機能を強化した。新型コロナウイルス感染症対策も兼ねて休憩所のスペースを拡充したほか、水分補給用の自動販売機を新設した。本県側を代表する登山、観光拠点として、国内外の来訪者を受け入れている。 代替施設の開設は昨夏に続き2度目。富士宮市が設置し、県が設置費用の3分の2を負担した。今夏は休憩スペースや土産物販売に使用するプレハブ小屋を、昨夏と比べて1基増の6基体制にした。要望の多かった自販機を2台設置し、熱中症や高山病の対策につなげる。トイレは
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清水港の海洋文化施設 事業者が入札参加表明 静岡
静岡市は29日、民間資金活用による社会資本整備(PFI)方式で清水港に建設を目指す海洋文化施設「海洋・地球総合ミュージアム」の事業者公募について、事業者から入札参加を表明する書類の提出があったと明らかにした。 5月末に入札公告を開始し、同日を入札参加表明書の提出期限としていた。市は提出業者の数や概要を明らかにしていない。入札公告では、新型コロナウイルス下を踏まえて事業者に感染症対策を義務づけ、都市型水族館などの新設や全面改修を手がけた実績のある業者が応札できるように門戸を広げた。 市海洋文化都市政策課によると、入札参加表明書の提出業者に対して8月上旬、入札の参加資格があるかどうかの審査結
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静岡市長とお茶カフェトーク 駿府城マインクラフト化も話題に
静岡市の田辺信宏市長と市民団体が意見交換する「市長とお茶カフェトーク」が26日、駿河区の地域福祉共生センターからオンライン形式で開かれた。デジタルや歴史文化をテーマに、協働の在り方を模索した。 市民側は常葉大造形学部の村井貴講師(情報デザイン)の研究室と城南静岡高地域貢献部が参加した。 村井講師は、同大の学生が人気ゲーム「マインクラフト」上で藤枝市の国指定史跡「志太郡衙(ぐんが)跡」を再現した事例などを紹介し、「専門家の意見を聴きながら、駿府城をマインクラフト化したい」と提案した。 田辺市長は、村井講師が用意したVR(仮想現実)動画の視聴を体験し「駿府城再建に対する市民の関心は高い。最
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総合計画 市民意見を公募 8月1日から静岡市 6日にはシンポ
静岡市は2023年度から8年間の市の最上位計画となる「第4次総合計画」の原案について、8月1~31日にパブリックコメント(市民意見公募)を実施する。同6日には計画策定の機運醸成を図るためのシンポジウムを開く。 4次総の原案は「世界に輝く静岡の実現」をうたった3次総を発展的に継承し、五つの重点施策に▽歴史文化の地域づくり▽海洋文化の地域づくり▽森林文化の地域づくり▽健康活躍のまちの推進▽まちは劇場とスポーツの推進―を掲げた。 4次総の原案に対するパブコメは21年度に続き2度目で、幅広い市民の意見を反映させる狙い。原案は市のホームページ、市内の生涯学習交流館などで閲覧できる。市はパブコメを踏
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静岡市 「全世代型」健康長寿計画策定へ 学生からアイデア募る
静岡市は27日、全世代で健康長寿の取り組みを推進するまちづくり計画(2023~30年度)の策定に向け、常葉大造形学部の学生からアイデアを募る初のオンライン会合を市内で開いた。 市は高齢者向けの要素が強い現行計画を見直し、老若男女に受け入れられる次期計画の策定を目指している。学生らは次期計画の周知拡大を図るためのイラストや動画を制作するほか、健康長寿に関する市の専用ウェブサイト「まるけあ」の改修作業に協力する。 この日のオンライン会合では、学生6人が「健康長寿と全世代活躍のイメージ」を発表し合った。学生からは「健康寿命の長さが活躍につながる。生涯スポーツ・学習を見つけることが大事」などの意
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静岡市の小学生5選手 陸上全国、市長に健闘誓う
8月下旬に横浜市で開かれる全国小学生陸上競技交流大会に出場する静岡市内の5選手が27日、市役所静岡庁舎に田辺信宏市長を訪ね、健闘を誓った。 男子コンバインドB(走り幅跳び、投てき)に出場する千代田小6年の増田龍之助さんが「県代表として全力を尽くす」と抱負を述べた。 田辺市長は「全国の強豪を相手に、静岡旋風を巻き起こしてほしい」と激励した。 このほかの出場選手は次の通り。 女子コンバインドA(80メートル障害、走り高跳び) 中沢美緒(千代田6)▽女子コンバインドB 秋元心夢(横内6)▽男子100メートル 山田理生(東源台6)▽女子100メートル 六坂レイギフト(南藁科6)
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全国大会出場 静岡のサッカー5チーム 市長に抱負
サッカーの全国大会に出場する静岡市内5チームの代表者が21日、市役所静岡庁舎に田辺信宏市長を訪ね、抱負を述べた。 出場報告に訪れたのは、清水エスパルスジュニアユース、清水エスパルスユース、清水FC女子U―18、静岡中央高、ねんりんピック静岡市代表。 清水エスパルスユースの成沢夢行主将は「タイトル獲得に向け、練習の成果を出す」と意欲を示し、清水FC女子U―18の江間紗也香主将は「日ごろ応援してくれる方への感謝を忘れずに戦う」と語った。 田辺市長は「サッカー王国の誇りを見せてほしい」と激励し、5チームを代表して清水エスパルスジュニアユースの市川幸優主将に記念品を手渡した。
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Tリーグ参入動き「肯定的に見守る」 静岡市長定例会見
静岡市の田辺信宏市長は22日の定例記者会見で、卓球のTリーグに同市を拠点とするチームが来季の新規参入を目指していることに関し「肯定的に見守っている」と述べ、今後の動向を注視するとした。 市は自治会や民間企業と連携して6月、国内トップレベルの選手を招いた卓球イベントを中山間地の梅ケ島地区で開催した経緯がある。田辺市長は中山間地とスポーツの振興につながるとし「大いにポテンシャルがある」と期待した。 サッカーやバスケットボールに加えて、卓球のトップチームが静岡市に本拠地を置けば「喜ばしい」と歓迎した。一方で、「プロチームの事業性は民間が積極的に提示しなければならない。中長期的に安定させるのには
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田辺信宏氏 4選出馬意向 2023年春の静岡市長選
静岡市の田辺信宏市長(60)は20日、2023年4月12日の任期満了に伴う市長選に、4選を目指して出馬する意向を固めた。田辺氏は取材に「(4選)出馬を否定したことはなく、常に意欲を持っている。しかるべきタイミングで態度を表明する」と答えた。 歴史文化や海洋文化のまちづくりなど市長肝いりの「五大構想」が道半ばだとして、事業を継続する方針。23年度から8年間の市の最上位計画として策定中の「第4次総合計画」を実行に移す。 田辺氏は静岡市出身。1991年に旧静岡市議に初当選し、95年から県議選に3回連続当選。2003、05年の衆院選に無所属で立候補し落選。11年の同市長選に無所属で初当選し、現在
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記者コラム「清流」 マイナカードの使い道
マイナンバーカードの取得者に買い物で使えるポイントを付与する国の事業「マイナポイント第2弾」。最大2万円分のポイントが付与されるとあって、静岡市役所の支援窓口には相談待ちの人で行列ができた。 マイナポイントは50%以下の交付率をたどるマイナンバーカードの普及向上が狙い。カードは身分証明書やオンラインの行政手続き、コンビニ店での住民票取得などに利用が可能だ。ただ、いずれも恩恵としてのインパクトに欠けている。 市のマイナポイント支援窓口のそばで、参院選の期日前投票が行われていた。マイナンバーカードとスマホを使い、あらゆる選挙の投票ができたらどうなるだろうか。「時代が変わった」と多くの人に驚き
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スタバ後継未決定 静岡・城北公園、再整備事業は継続
静岡市の田辺信宏市長は8日の定例記者会見で、民間活力を活用して再整備する城北公園(葵区)のパークPFI事業に関し、出店を辞退したスターバックスコーヒーの後継テナントは現時点で決まっていないと明らかにした。事業自体は継続する方針。 田辺市長は、パークPFI事業の公募に応じ、再整備を主導する民間事業者(代表法人・フジ都市開発)が今後の対応について協議、調整を重ねている状況だと説明した。同事業を巡る住民訴訟の動向を見守りつつ、「なるべく早い段階で事業を進めたい」と改めて意欲を示した。 同事業は民間事業者のノウハウを生かしカフェや子育て施設、駐車場を整備する計画。 市の負担額は上限3千万円(う
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ウクライナ避難民支援金10万円寄託 静岡市協力雇用主会
刑務所の出所者らを雇用して更生を支える静岡市協力雇用主会は1日、ウクライナからの避難民に対する支援金10万円を静岡市に寄託した。茶山弘会長ら7人が市役所に田辺信宏市長を訪ね、目録を手渡した=写真=。 ロシアによる侵攻を受け、ウクライナから静岡市に避難している2世帯5人の生活を支援する狙い。会費の一部を支援金に充てた。茶山会長は「大変な思いで生活しているはず。少しでもお役に立ちたい」と話した。 支援金は、市と市国際交流協会でつくる委員会を通じて避難民に支給される。
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マイナポイント第2弾 支援窓口に来訪者急増 静岡市
マイナンバーカード取得者に買い物などで使えるポイントを付与する国の事業「マイナポイント第2弾」が始まったことを受け、静岡市の各区役所にある支援窓口が、来訪者の急増でパンク状態に陥っている。申請期限はカードの新規取得が9月末、マイナポイントが来年2月末。市は一定の猶予期間があるとして、「落ち着いた対応を」と混雑回避を呼び掛けている。 第2弾の付与額はマイナンバーカードに健康保険証の機能を加える「マイナ保険証」の登録で7500円分、公的給付金の受け取り口座の登録で7500円分。カードの新規取得者に5千円分を付与する第1弾を加えると最大2万円分となり、市民の注目度も高い。 マイナポイントはスマ
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21年度政活費9948万円 静岡市議会 執行率69・08%
静岡市議会は1日、2021年度の政務活動費の執行状況と収支報告書を公開した。計1億4400万円の交付額に対し、支出総額は9948万円と前年度比で1408万円増えた。議会事務局によると、執行率は69・08%で前年度を5・82ポイント上回ったが、過去10年で3番目に低かった。新型コロナウイルス下で、調査研究費などの支出が少なかったことが要因。 同市議会の政務活動費は議員1人当たり月25万円、年間300万円で、市が各会派に交付している。残余金4451万円は市に返還された。 執行率を会派別にみると、最大会派の自民党市議団は54・48%で最も低かった。第2会派の創生静岡が72・48%、第3会派の公
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清水区大内新田の利活用 市民の意見、近く公募 静岡市長答弁
静岡市の田辺信宏市長は30日の市議会6月定例会総括質問で、桜ケ丘病院を運営する地域医療機能推進機構(JCHO)から取得した清水区大内新田の土地に生涯学習交流館などを整備する利活用案について、7~8月にパブリックコメント(市民意見公募)を実施する方針を明らかにした。山本昌輝氏(自民)への答弁。 田辺市長は大内新田の土地利用について、「地域の課題解決と、市全体のまちづくりに寄与することが大事」と強調。老朽化が進む生涯学習交流館の建て替えのほか、多目的公園の整備、治水対策となる調整池の設置を利活用案の軸とし、地元住民と検討を重ねてきたと説明した。 市はパブコメを実施後、利活用案の具体的な調査設
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リニア生態系会議 静岡市長「自然と調和の糸口に」 市議会答弁
静岡市の田辺信宏市長は、リニア中央新幹線工事に伴う南アルプスの生態系への影響を議論している国土交通省専門家会議について「自然と調和した持続可能な地域発展を考える糸口になればと期待している」と述べた。松谷清氏(緑の党)の総括質問に答えた。 田辺市長はリニア工事に関して「環境と経済の両立というSDGs(持続可能な開発目標)の時代を生きる私たちに課題を突き付けている」と指摘した。 ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)に指定されている南アの豊かな自然環境を「損なってはならない」と強調する一方、東京、名古屋、大阪をリニアで結ぶ大都市回廊構想「スーパーメガリージョン」のメリットに言及した。
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4次総は重点5政策へ 市議会再開、静岡市長答弁
静岡市議会6月定例会は28日、本会議を再開し、代表質問を行った。田辺信宏市長は2022年度中に策定する第4次総合計画(23~30年度)に五つの重点政策を掲げる方針を明らかにした。歴史文化と海洋文化の拠点形成を従来通り継続しつつ、新たに森林文化、スポーツ、共生の観点を盛り込む。尾崎行雄氏(自民)への答弁。 田辺市長は22年度施政方針で、市の重要政策の五大構想に「持続可能な中山間地域の形成」と「都市全域の安全安心向上」を追加した「七つの柱」を4次総の核にすると表明。ところが、市議会各会派や市民から「もっと分かりやすい計画に」と見直しを求める声が上がり、五つの重点政策に集約する形で修正したと説
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検討委、年内にも候補地選出 静岡市のサッカースタジアム構想
静岡市内に新しいサッカースタジアムを整備する構想に関し、有識者や公募市民でつくる「サッカースタジアムを活(い)かしたまちづくり検討委員会」(会長・木宮敬信常葉大教授)が21日、市内で初会合を開いた。複数候補地の比較検討や市民アンケートの結果など踏まえ、年内をめどに最有力候補地を選出する。 検討委は市が設置した付属機関で、大学教授やサッカー関係者、J1清水エスパルスのサポーターなど14人で構成する。初会合では市がIAIスタジアム日本平(清水区)の現状と課題を説明。築30年と老朽化が進み、屋根のカバー率がJリーグ基準に満たないことなどを挙げた。 スタジアム整備の在り方を巡り、委員からは「中心
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溶融燃料価格、2021年の3倍 静岡県内のごみ処理施設悲鳴
ロシアのウクライナ侵攻や円安に伴う物価高騰で、ごみ処理に輸入燃料を使用する県内清掃工場が苦境に立たされている。中でも、ごみ溶融に用いる石炭由来の燃料「コークス」価格が急騰し、補正予算の確保に乗り出す自治体もある。自治体関係者は高止まりが続く輸入燃料の出費を抑えるため、ごみ排出量の削減を呼び掛けている。 静岡市は葵区の西ケ谷清掃工場でごみの溶融処理に年間8700トンのコークスを使用する。市によると、5月時点の見積額でコークス(1キロ当たり)は前年度比で3倍の192・50円に上昇した。有害物質を取り除くために必要な原油由来の「キレート」(同)は前年度比で2・3倍の440円と見込む。 事態を
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ボクシング杉山3兄弟 全国V目指し地区予選挑む 静岡市長激励
ボクシング競技に励む静岡市駿河区の杉山律希さん(愛知県・菊華高1年)、辰希さん(市立中島中3年)、烈希さん(同2年)が今夏、全国優勝を目指してそれぞれ地区予選に挑む。3兄弟が練習拠点にする駿河区のSFKボクシングジムに10日、田辺信宏市長が激励に訪れた。 自宅から通学する律希さんは7月上旬、国体愛知県予選のライト級に出場する。48キロ級の辰希さんと39キロ級の烈希さんは6月下旬、全日本王座決定戦の東海大会に挑む。「3兄弟そろって全国優勝」と意気込み、大会への調整を重ねている。 田辺市長は「高い目標を持ち、静岡の代表として頑張って」と声を掛けた。胴体にサンドバッグを着けてリング入りし、3兄
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首長出身の経験生かす 静岡市議会・望月俊明さん【議長に聞く】
静岡市に編入合併した旧由比町で最後の町長を務め、合併後に市議に転じた。同市議会では初となる首長出身の議長に4月、就任した。「大きな市でも小さな町でも、住民第一でまちづくりを進める点は同じ。二元代表制の一翼を担うため、市当局のチェック機能を果たす」。為政者の経験を生かしつつ、議会運営の職務に臨む。 静岡市は2003年に旧清水市と対等合併し、06年に旧蒲原町、08年に旧由比町をそれぞれ編入合併した。旧由比町との合併協議会では、当時の町議会が合併議案を2度否決。旧清水市、旧蒲原町との合併も実現まで曲折を経ただけに「市民の声を拾い上げ、市政に反映することが議員一人一人に課せられた使命」と強調する。
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静岡市6月補正 物価高対策に重点、70億円追加
静岡市は7日、2022年度一般会計に70億9200万円を追加する6月補正予算案を発表した。ロシアのウクライナ侵攻や急速な円安などに伴う原油・物価高騰の対策に重点を置き、市民生活と事業者の支援に57億6700万円を充てる。企業会計を含めた補正総額は77億500万円。20日開会の市議会6月定例会に提出する。 生活支援と地域経済の活性化に向け、9~10月にモバイル決済サービスを活用したポイント還元キャンペーンを市内の1万店舗で実施する。支払額の20%を還元する内容で、期間中の還元上限額は1万ポイントになる。 物価高騰の影響が懸念される小中学校、こども園などの給食費について、食材費の値上げ分を予
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静岡市 脱炭素モデルに 市長、先行地域選定で意欲 都内授与式
政府目標より20年早い2030年度までの脱炭素化に取り組む「先行地域」の第1弾選定証授与式が1日、都内で開かれ、県内自治体で唯一選ばれた静岡市の田辺信宏市長が山口壮環境相から選定証を受け取った。 第1弾の募集には全国の102自治体から計79件の提案があり、静岡市の提案を含む26件が採用された。田辺市長は式典で、事業性と公益性を両立した地域づくりの先行モデルを創造すると意欲を示した。 静岡市内の先行地域は、▽製油所跡地の利活用が検討されているJR清水駅東口エリア(清水区)▽物流倉庫などが立地する清水港日の出地区(同)▽東名高速道日本平久能山スマートインターチェンジ近くの恩田原・片山地区(
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静岡市6月補正 給食費据え置きへ 上昇分鑑み予算化
静岡市は物価高騰の影響が懸念される小中学校、こども園などの給食費について、食材費の値上げ分に相当する額をあらかじめ予算化する方針を固めた。給食費を据え置くなどして、子育て世代の家計負担を軽減する。2022年度分の関連経費3億2千万円を6月補正予算案に盛り込む方向で調整している。1日、関係者への取材で分かった。 関係者によると、ロシアのウクライナ侵攻や急激な円安などに伴う物価高騰を受け、給食の材料として頻繁に使用する小麦、食用油、タマネギ、ジャガイモなどの値上げが危惧されている。 市は消費者物価指数を参考に、22年度の給食の材料費が前年度比で最大10%上昇すると試算した上で、値上げ分に対応
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静岡市6月補正、グリーン水素普及へ補助金 供給設備の整備対象
静岡市は31日、2050年までの脱炭素化を目指す国の方針に呼応し、生産過程で二酸化炭素(CO2)を出さない「グリーン水素」の燃料電池車向け供給設備を市内に整備する民間業者に対し、事業費を助成する方針を固めた。22年8月から24年3月までを対象期間とし、助成枠は2億円。22年度6月補正予算案に債務負担行為を設定する。 グリーン水素は再生可能エネルギー由来の電気を使い、水を電気分解して生み出す。政府目標より20年早い30年度までに、CO2排出量を実質ゼロにする環境省の「脱炭素先行地域」に静岡市内の3地域が選ばれたことを受け、市はグリーン水素の普及を進める民間業者を支援する。 補助対象はグリー
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スポーツ、食の拠点に 東名・日本平久能山スマートIC周辺 区画整理事業が始動
静岡市駿河区の宮川・水上土地区画整理事業が2022年度、本格的に始動した。東名高速道日本平久能山スマートインターチェンジ(IC)に面した環境を生かして「健康・スポーツ」「食と農」などの拠点化を進め、交流人口の拡大を目指す。事業期間は36年度まで。 土地区画整理事業の対象は47・1ヘクタール。市内では数少ない開発余地のある大規模平地として有効活用が期待されている。土地利用計画案などによると、「交流施設」「永続農業」「当面農業」「居住」の4エリアに分けた上で、それぞれ関連するスポーツ施設、観光農園、キッズパークなどを整備する。 宮川・水上地区の地権者が20年、土地区画整理事業の合意形成に向け
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都心「おまち」歴史文化重点に 静岡市、2040年の将来像策定
静岡市はこのほど、葵区の中心市街地が2040年に目指す姿と方針を示した「葵歴史のまちづくりグランドデザイン」を策定した。歴史文化と都市再生を重点テーマに設定し、市民、事業者と一緒にまちづくりを進める。 葵区の中心市街地を「静岡都心」と位置づけた上で、将来像に「歴史とともに暮らす誇りを感じ、ワクワクする『おまち』」を掲げた。駿府城公園や静岡浅間神社に代表される歴史資源が点在し、商業施設や官公庁が集積する地域特性を最大限に生かす。 駿府城公園周辺エリアでは、23年1月に開館予定の市歴史博物館や、駿府城天守台跡の野外展示などを活用して、歴史資源を身近に体感できる環境を整える。青葉通り周辺エリア
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記者コラム「清流」 脱炭素化を「見える化」に
地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「脱炭素化」。政府目標よりも20年早い2030年度までの脱炭素化を目指す先行地域の第1弾に、静岡市の提案が県内自治体で唯一採用された。今後の動向に注目したい。 先行地域は大規模太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの設備導入に国の交付金を活用できる利点がある。市内の関連企業が持続可能な開発目標(SDGs)を達成する上で、大きな後押しになるに違いない。 とはいえ、脱炭素化の取り組みは発展途上の段階で、進み具合や成果が分かりづらいとの指摘もある。脱炭素化のうねりをより大きくするためにも、市民に対する「見える化」の工夫が必要になりそう
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山岳レースPRへ冊子 富山→静岡415キロ踏破 グルメや観光も紹介
富山湾から駿河湾の大浜海岸(静岡市駿河区)までの山岳地帯を踏破するレース「トランス・ジャパン・アルプス・レース(TJAR)」が8月7日に開かれるのを前に、大浜海岸の地元住民らでつくる実行委員会がPR冊子を作製した。 TJARは富山県魚津市を出発し、北、中央、南の各アルプスを通って大浜海岸を目指す全長415キロ。冊子では、TJARに出場歴がある静岡市消防局の大畑匡孝さんらを取り上げ、大会概要を紹介している。コース沿線のグルメスポットや観光名所も掲載した。 冊子は約800部を用意し、静岡市スポーツ交流課などで配布する。 実行委の関係者は「大会開催を応援するとともに、地元の魅力を広く発信した
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市民芸術の成果一堂 静岡市内4会場で文化祭開幕 6月26日まで
第20回静岡市民文化祭(市主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が11日、開幕した。6月26日までの間、18団体2千人が市内4会場で作品展示や芸能発表、音楽演奏など25事業を繰り広げる。 初日は市役所静岡庁舎でセレモニーが行われ、田辺信宏市長や市文化協会の是永尚志会長らがテープカットで開幕を祝った。隣接する市民ギャラリーでは華道展と写真展が始まり、愛好家が日ごろの創作活動の成果を披露した。 市民文化祭は市民ギャラリーのほか、葵区の市民文化会館と静岡音楽館AOI、清水区の清水文化会館マリナートで開催する。 問い合わせは市文化協会事務局<電054(204)8811>へ。
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記者コラム「清流」 市民と行政の近さ実感
今春から取材活動で静岡市役所に通い始めた。2017年以来、5年ぶりの静岡市政担当。直近まで取材拠点にしていた県庁と比べ、一般来庁者の数が圧倒的に多い。市民と行政の距離の近さを改めて実感している。 着任のあいさつ回りをしていると、自治会の行事や神社のお祭り、地元高校生の活躍など、身近な話題に事欠かない。一方で、人口減少に伴う活力の喪失や、まちづくりの方向性をはじめ、市全体の将来を不安視する声も耳にした。 基礎自治体の予算や政策の良しあしは、明日の市民生活に直結する面白さと怖さがある。行政機能が正常に働いているかチェックするとともに、市民の興味関心につながる記事を一本でも多く書いていきたい。
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告示前最後の週末、動き対照的な両陣営 川勝氏「個別」に意見交換 岩井氏「広く」街頭や集会【静岡県知事選】
静岡県知事選(6月3日告示、20日投開票)の告示前最後の週末となった29日、立候補を表明している現職の川勝平太氏(72)と新人で元参院議員の岩井茂樹氏(52)はそれぞれ県内に繰り出し、意気込みをアピールした。ただ、その動きは対照的。選挙戦の争点を意識して大井川流域に暮らす有権者と個別に意見交換した川勝氏に対し、岩井氏は県西部で街頭演説やミニ集会など分刻みのスケジュールをこなし、1人でも多くに自らの訴えを届けようと走り回った。 公務優先で臨む川勝氏は、実質この日が選挙をにらんだ対外活動の初日になった。リニア中央新幹線工事に伴う水問題が浮上している大井川流域に向かい、地下水を利用する藤枝市のイ
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静岡中心街にPCRセンター開業 1日2800人分可能【新型コロナ】
医療法人社団アール・アンド・オー(静岡市葵区)が監修する民間検査センター「PCR検査センター静岡」が29日、葵区の呉服町通りにオープンする。中心街の立地を生かして利用を促し、新型コロナウイルス感染拡大の防止につなげる。1日で最大2800人分を検査できる。個店形式の検査専門センターは静岡県内初という。 唾液から判定する検査キットを用いる。間仕切りの付いたカウンターで検体を採取し、回収ボックスに投入する。検査には事前予約が必要で、ホームページやセンター内で受け付ける。検査費用は3300円。検査翌日までに結果をメールで通知する。検査後3時間で結果を通知する迅速検査は5500円。 関係者を対象に