外国人材、定着する職場の鍵は 静岡でセミナー 雇用の留意点解説
人手不足の解決策として海外の労働力確保を検討する企業などを対象にした「外国人材受け入れセミナー」(静岡銀行主催)が18日、静岡市で始まった。日本語に不慣れな労働者への接し方や使用者側の意識など、外国人が長く働き続けられる職場環境の整備について説明した。20日までに県内3カ所で開催する。
日本企業と外国人労働者をつなぐ登録支援機関「グリーンワークス」(千葉県)の手塚泰行社長が、外国人雇用時の留意点を解説した。日本語の指示を外国人労働者が理解できず、日本人従業員との双方がストレスを感じるケースが多いとし、明解な意思疎通の方法や職場ルールを設定する重要性を強調。使用者の意識として「使ってやるという考えではだめ。一緒に企業を作っていくスタンスでないと外国人労働者はやめていく」と訴えた。
技能実習から特定技能への移行段階に帰国する労働者が多い背景として、円安で国際競争力が低下した日本の賃金水準や残業の少なさなどを挙げた。定期的な昇給制度や住環境、交通費の充実なども外国人材が定着するポイントとし、「外国人は安い労働力ではない。日本人と同等かそれ以上でないといてくれない」と語った。
県職員も外国人活躍を支援する県の施策を説明したほか、フィリピン人の雇用をテーマにした講演も行われた。