浜名湖のハマグリ漁 卸値にばらつき 試験操業で課題
浜名湖で6月に入り、ハマグリの試験操業が進められている。深刻な不漁が続くアサリを補う水産資源として期待が高まる一方、卸値にばらつきがあるなど本格操業に向けた課題が浮かぶ。
漁の解禁から2度目の試験操業となった12日は、日の出とともに約百人の漁師が漁に繰り出した。刃先の後ろに金網が付いた漁具「ジョレン」で、湖底からハマグリを掘り起こした。1日の漁獲量として規定されている1人10キロを袋詰めにすると、船で集荷場や市場へ向かった。
1キロ当たりの卸値は600~1200円。値幅が広がったことに、浜名漁協採貝組合連合会の山本崇会長(42)は「早い時間に出した人で高値が付くこともあったが、600円では割に合わない。理想は千円前後」と話す。全体的に大ぶりのため、料理店などに敬遠されるといった見方も出ている。県水産・海洋技術研究所浜名湖分場(浜松市西区)の調査によると、12日に捕れたハマグリは全長4~9センチ、重さ20~100グラムだった。
ハマグリは2013年に県が漁業権魚種に指定した。浜名漁協は資源量の回復を目指して禁漁としたが、近年は増加傾向が見られるという。月内に4回の試験操業を予定する。