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設備の生産性 最大限に 日本たばこ産業(JT)東海工場(磐田市)/王丸賢治郎工場長【キーパーソン・最前線】

 全国4カ所にある国内製造拠点の一つで、「ピース」「ホープ」などの紙巻きたばこと、低温加熱式たばこ用のカプセルを生産する東海工場を指揮する。現在地での操業開始から45年。現在取り組んでいる施策などを聞いた。

王丸賢治郎工場長
王丸賢治郎工場長

 ―たばこ市場の現状は。
 「人口減少や喫煙率の低下に伴い総需要は低下している。そんな中で加熱式たばこの割合が増し、日本では約4割を占めるまでになった。昨年、低温加熱式の『プルーム・テック』の販売が終了したが、東海工場は引き続き、後継ブランド『with(ウィズ)』のたばこカプセルを生産している。紙巻きの吸い応えに近い高温の加熱式と違い、香料を含めたフレーバーを楽しむ新カテゴリーとして需要を掘り起こしたい」
 ―工場ではどんな取り組みを進めているか。
 「以前から生産設備の自動化を進めてきた。さらに、生産性を改善するデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環で、設備の稼働データを自動で集約し、どの従業員でもモニターで生産上の課題を確認できるようにした。設備の生産性を最大限に発揮するのはコスト管理上、非常に重要。脱炭素に向けては今年1月から、工場にバイオマス発電によるグリーン電力を導入した」
 ―地域との連携をどう考えるか。
 「現在地で操業してから半世紀近くたった。これまで、地域の祭りやイベントへの協賛・支援に取り組んできた。地元採用の従業員やOBも多い。これからも良き企業市民としてまちづくりに貢献していきたい」
 (磐田支局・八木敬介)

 おうまる・けんじろう 1996年入社。関西工場製造部長などを経て、2022年7月から現職。千葉県出身。52歳。

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