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人的資本経営で「終身成長を」 静銀経営塾フォーラム

 静岡銀行は27日、若手経営者や後継者が集う次世代経営塾「シズギンシップ」の全体フォーラムを静岡市葵区で開いた。一橋大CFO教育研究センターの伊藤邦雄センター長が「企業価値を創造する人的資本経営」と題して講演し、社員個々が能動的に成長する人材戦略の重要性を説いた。

人的資本経営の重要性を呼びかける伊藤邦雄センター長=27日午後、静岡市葵区
人的資本経営の重要性を呼びかける伊藤邦雄センター長=27日午後、静岡市葵区

 終身雇用を前提とする従来型雇用では社員が人事や待遇を受動的に捉える傾向が強い一方、最近の若者は「自分のキャリアを自分で作る意識が強い。難しければ3年程度で会社を辞めてしまう」と指摘。経営者は人材を効率的に使う資源ではなく、価値や能力を高める資本として考える必要性を強調した。共感や貢献、称賛など人的価値の創造に向けたキーワードを挙げ、「経営戦略と人材戦略のギャップを埋め、行動変容を促す企業文化を定着させていくのが大切」と訴えた。
 リスキリングやキャリア形成など企業が進める人材育成の情報は今後さらに開示されるとし、人的資本経営を労使双方が選び、選ばれるための重要戦略と位置づけた。持続可能性も軸に据えた新たな日本型雇用モデルの創出を期待し、「終身雇用から終身成長へ。社員の個性やスキルに応じたジョブを見極め、日本企業の価値を高めてもらいたい」と語った。

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