あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 議会しずおか

沼津市議会 予算案、委員会で可決 最大会派が批判も賛成

 沼津市議会2月定例会は8日、一般会計予算決算委員会を開き、2024年度一般会計予算案を賛成多数で可決した。2月28日の代表質問で頼重秀一市長の施政方針を「市長の特色が見えない」などと批判した最大会派の志政会も賛成に回った。

2024年一般会計予算案を審議した沼津市議会一般会計予算決算委員会
2024年一般会計予算案を審議した沼津市議会一般会計予算決算委員会

 8日は一般会計予算案への総括質疑と討論が行われた。志政会代表の浅原和美氏は賛成討論で、頼重市長への厳しい言葉が並んだ自身の代表質問を「28番(最多期数)議員として、心を鬼にして発言した」とした上で、「市長の思いは読み取れた」「(鉄道高架化に向けた動きを)見える化する予算として期待している」などと述べた。沼津志帥会、市民クラブ、公明党、虹の会も賛成した。
 共産党市議団と未来の風はそれぞれ、物価高騰への対応や市債に頼った財政運営などを批判し、反対した。
 一般会計予算案は18日の本会議で可決される見通し。

 【記者の目】浮いて見えた強い苦言
 「市長が積極的に動く予算を評価する」。沼津市議会最大会派志政会の代表で7期のベテラン浅原和美氏が8日、一般会計予算決算委員会での2024年度予算案の賛成討論で語った言葉には、やや違和感を覚えた。9日前の代表質問は何だったのか、と。
 代表質問の言葉は苛烈だった。「市政遂行の決意を十分に感じられない」「失望の念を禁じ得ない」。浅原氏は市議時代に同じ会派だった頼重秀一市長を正面から批判した。市長の施政方針でも委員会でも示された施策は同じはずで、最終的に予算に賛成するならば、委員会質疑の中で何が心を動かしたのか、納得できる一言がほしかった。
 重鎮の痛烈な指摘は、議会内で驚きをもって受け止められた。その背景には、“市長与党”会派からの苦言が少ない現状があると考える。委員会質疑では当局の意をくみ取ったかのような質問が一部であり、気になった。だからこそ代表質問の強い言葉が、殊更浮いて見えた。
 議会改革が進む中、議員には政策議論の深化を期待したい。筋書きのない討論は議員だけでなく、答弁する市長や職員も鍛えられる。ぶれない真剣勝負を数多く議場で見たい。
 (東部総局・尾藤旭)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

議会しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む