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テーマ : 議会しずおか

薬過剰摂取、搬送の48%若者 3年間で194人 静岡市議会総括質問

 静岡市議会2月定例会は4日、総括質問を行い、9氏が登壇した。山本哲生保健衛生医療統括監は、市消防局管内で2020~22年の3年間に市販薬を過剰摂取するオーバードーズや急性薬物中毒などの疑いで救急搬送された405人のうち、48%の194人が10~20代だったと明らかにした。大石直樹氏(公明)への答弁。

オーバードーズなどで救急搬送された10~20代の人数
オーバードーズなどで救急搬送された10~20代の人数

 各年の若者の救急搬送者の内訳は20年が51人、21年が67人、22年が76人と、年々増加している。23年は統計がまとまっている1~6月で26人が搬送され、全年代の31%を占める。
 市こころの健康センターによると、学校や家庭に居場所がなく孤独や生きづらさを感じている若者が、気持ちを和らげる手段として市販薬の過剰摂取を始め、習慣化して依存症に進行するケースが多い。インターネット上には「不安感を和らげる」として誤った薬の飲み方の情報が飛び交っていて、若者でも簡単に手を出せてしまう。一方で、市販薬の販売を規制することは難しいのが現状という。
 市は当事者が悩みを身近な人に相談し、助けを求める力を高めるため、市内高校生らに対する「SOSの出し方研修」を定期的に実施。若者のつらさを早期に認識できるよう教育関係者や支援者へのゲートキーパー研修も開いている。
 山本統括監は「引き続き関係機関と連携し、生きづらさを抱える若者やその家族からの心の悩みに関する相談や支援者らの対応力向上に向けた研修会を実施していく」と述べた。
 (政治部・池谷遥子)

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