三ケ日にマリンスポーツ拠点／医療的ケア児の支援拡充／商品用中古軽の課税軽減【浜松市議会一般質問答弁】
浜松市議会１１月定例会は１日、岩田邦泰（市民クラブ）、小黒啓子（共産党市議団）、井田博康（自民党浜松）、鈴木恵（浜松市政向上委員会）、花井和夫（自民党浜松）の５氏が一般質問を行った。一般質問は２日も行い、５氏が登壇する。
三ケ日青年の家隣接地 マリーナ整備へ基本構想
嶋野聡文化振興担当部長は、浜名湖のマリンスポーツの拠点として、県立三ケ日青年の家（北区）の隣接市有地に、ヨットなどを停泊・保管するマリーナの整備を検討していることを明らかにした。本年度中にマリーナの機能や規模などを盛り込んだ基本構想を策定する計画という。井田氏に答えた。
市スポーツ振興課によると、予定するマリーナは、セーリングの国際大会なども開催されている三ケ日青年の家と連動する形で整備する。両マリーナを合わせると、国内トップクラスの規模になる見通し。宿泊施設を備えた三ケ日青年の家と連携することで、全国・国際大会の誘致などを促進するという。
嶋野部長は「基本構想を基に、用地の測量や地質調査を行い、地域との効果的な連携や運営手法についても考えたい」と述べた。渋滞回避や利便性向上に向け、周辺道路の整備も検討するという。
市は２０１８年に「ビーチ・マリンスポーツ事業化計画」を策定し、浜松市を「ビーチ・マリンスポーツの聖地」とする取り組みを進めている。
台風１５号ボランティア派遣 ニーズ把握に課題
山下健康福祉部長は、９月の台風１５号で浸水被害が相次いだ天竜区でボランティアセンターが開設され、４６世帯に延べ３６９人を派遣したと報告した。迅速なニーズ把握やセンターの設置判断のため、市と関係機関の情報共有の方法を再検討する考えも示した。花井氏への答弁。
センターの設置判断は社会福祉協議会が担う。天竜区は家屋への土砂流入が多かったため人手が必要となり、センターを１１日間開設した。同じく浸水被害が目立った浜北区や東区は土砂流入が少なく、自治会や有志の団体による支援とした。
今回は被害が広範囲に及んだだけにニーズ把握が難航し、東区では地元団体が地域を巡って実態調査したという。山下部長は「市から社協に全体的な被害状況を提供する必要がある」と述べた。自らボランティアに参加した花井氏は、現場に必要な情報が届く仕組みが必要だと指摘した。
医療的ケア児支援拡充 コーディネーター増員検討
山下昭一健康福祉部長は、日常的に人工呼吸器の使用やたんの吸引が必要な医療的ケア児・者の支援について、昨年４月から配置している「医療的ケア児等コーディネーター」の増員を含め、事業拡充を検討する考えを示した。鈴木氏に対する答弁。
市は、浜北区の相談支援事業所に同コーディネーターを１人工（にんく）配置。医療的ケア児、家族と医療機関、福祉・教育施設、行政の橋渡しや支援者の養成研修会の企画といった役割を担う。配置後、医療的ケア児・者対象のさまざまなサービスの調整が可能になるなど一定の成果が出ているという。
市内の１８歳以下の医療的ケア児は約１５０人。今後も増加が見込まれるため、市はコーディネーター事業の周知や一層の体制強化が必要とみている。
商品用の中古軽自動車 市が課税軽減の方針
芳田一成税務担当部長は販売事業者が在庫として持つ商品としての中古軽自動車について、市が課税している軽自動車税を軽減する方針を示した。岩田氏への答弁。
市市民税課によると市は現在、ナンバープレートが交付されている商品としての中古軽自動車を課税対象としている。コロナ禍に伴う新車の生産減で中古車の仕入れ価格が高騰し、在庫も不足するなど、厳しい経営が続く業界団体からは事務負担も重い同税の課税免除を求める要望が出ていた。
市が本年度、政令指定都市の状況を調査したところ、全２０市のうち９市が課税免除を実施済みだった。市は今後、軽減内容や実施時期、手続き方法などを検討した上で市税条例を一部改正する。
大学統合準備室 無償貸し付け継続
石坂守啓企画調整部長は、静岡大と浜松医科大が法人統合・大学再編に向けてＪＲ浜松駅近くの市管理スペースに開設している統合準備室について、当面は無償での貸し付けを継続する方針を示した。小黒氏に答えた。
石坂部長は、準備室では両大学長の会合が定期的に開催され、今後、大学側が職員を配置する計画があることなどを説明。「議論の進展を大いに期待している。今後の在り方については進捗（しんちょく）や準備室の利用状況を見ながら判断していく」と述べた。
市は２０２０年３月から、中区板屋町のビル１階スペースを両大に無償提供している。統合・再編の議論が滞っているため貸し付けは長期化し、最近は新型コロナの影響で利用も低調になっていた。
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