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テーマ : 裁判しずおか

焼津漁協職員に懲役1年6月求刑 カツオ盗事件、静岡地裁初公判

 焼津市の焼津漁港に水揚げされた冷凍カツオが不正に抜き取られた事件で、窃盗の罪に問われた焼津市小土、焼津漁業協同組合職員の男(32)の初公判が20日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれ、被告は起訴内容を認めた。検察側が懲役1年6月を求刑し、即日結審した。判決は9月12日の予定。
 被告は事件当時、帳面と呼ばれる計量担当職員だった。冒頭陳述で検察側は、遅くとも2018年ごろまでに、漁協の上司だった同漁協元職員の男(40)=同罪で公判中=または焼津市の水産加工会社の元役員の男(48)=同=に言われる形で、同社が正規に競り落としたカツオと一緒に未計量のカツオを渡すようになったと指摘。元役員の男から大型のかご一つにつき「現金2万円を受け取っていた」と強調した。
 被告人質問で被告は「(漁港に出入りする)運転手も同じようなことをしていたので、やってしまった」と述べ、起訴された1件以外にも窃盗を行っていたとして「5年間ほどで50万円ぐらい受け取った」と説明した。論告で検察側は「常習的であり、正規のカツオに紛らせる犯行態様は巧妙で悪質。命懸けで漁獲した船員たちにも打撃を与える犯行」と非難した。
 弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。被告は漁協から出勤停止1カ月の懲戒処分を受けたという。
 起訴状によると、被告は元役員の男らと共謀し、20年8月5日午前、焼津漁協の魚市場で新潟県の漁業会社が所有する冷凍カツオ約0・9トン(時価約13万円)を盗んだとされる。

 ■被告人質問で元職員「ストップ利かず」
 冷凍カツオの窃盗事件を巡り、焼津漁業協同組合職員の男(32)の公判とは分離して審理が進められている水産加工会社の元社長の男(61)や焼津漁協元職員の男(40)ら5人の第3回公判が20日、静岡地裁であり、前回に続いて被告人質問が行われた。
 元職員の男は「当たり前のように荷抜きが横行していたので(自分も)小遣い欲しさで手を染め、ストップが利かなくなった」と振り返った。元社長の男は10年以上前に荷抜き行為に関わったことがあると明かした。

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