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テーマ : 裁判しずおか

袴田ひで子さん「諦めたらおしまい」 「大崎事件」を巡り心境

 「大崎事件」を巡り、福岡高裁宮崎支部が5日、原口アヤ子さん(95)の再審開始を認めない決定をしたことを受け、3月に再審開始が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)の姉ひで子さん(90)が浜松市中区の自宅前で報道陣の取材に応じ「残念な決定ではあるけれど、諦めたらそこでおしまい。元気を出して頑張っていってもらうしかない」と受け止めを語った。

「大崎事件」の再審開始を認めない決定を受け、心境を語る袴田ひで子さん=5日午後、浜松市中区
「大崎事件」の再審開始を認めない決定を受け、心境を語る袴田ひで子さん=5日午後、浜松市中区

 原口さんとは15年ほど前に初めて会い、支援集会に駆けつけるなどして交流してきた。入院先の病院を訪ねて見舞い、激励の動画を届けてきた。一報を受け、すぐに原口さんや支援者を励ますビデオメッセージを送ったという。ひで子さんは「巌だけが助かればいいとは思っていない。全国に大勢の冤罪(えんざい)被害者がいる」と強調する。
 原口さんは過去3回にわたって再審開始を認める決定が出されたものの、その都度上級審で取り消されてきた。袴田弁護団の小川秀世事務局長は取材に「検察官の不服申し立てが一番悪い形で出てしまった事件。あまりにひどい」と指摘。日本弁護士連合会は再審開始決定に対する検察官の抗告禁止や証拠開示の法制化を柱とする再審法の改正を要望している。
 ひで子さんは「盛り上がりがある今、法改正に向かっていくことを願っている」と話した。

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