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テーマ : 裁判しずおか

慰安婦本著者に逆転無罪判決 韓国高裁 差し戻し審

 【ソウル共同】韓国のソウル高裁は12日、旧日本軍の従軍慰安婦問題を扱った著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして名誉毀損(きそん)罪に問われた朴裕河[パクユハ]・世宗大名誉教授(67)の差し戻し審で、逆転無罪判決を言い渡した。記述内容は「学問的主張または意見表明と評価することが妥当だ」との判断を示した。

12日、ソウル高裁で逆転無罪判決を受けた後、取材に応じる朴裕河・世宗大名誉教授(共同)
12日、ソウル高裁で逆転無罪判決を受けた後、取材に応じる朴裕河・世宗大名誉教授(共同)

 2017年の二審判決は、罰金1千万ウォン(約110万円)の有罪だったが、最高裁判決は昨年10月に二審を破棄し、無罪の趣旨を示して審理を高裁に差し戻していた。
 裁判では、表現の自由や学術研究に対する公権力介入の是非が問われていた。韓国で敏感に扱われる歴史問題に関して、多様な意見を認める判決といえそうだ。
 差し戻し審判決は最高裁と同様の判断を示した。有罪認定された表現について「名誉毀損で処罰するほどの事実の提示とは見なしにくい」とし、検察には上告理由がなく「これ以上争うことはできない」と指摘した。
 朴氏の弁護人によると、検察は上告せず無罪が確定する可能性が高い。
 朴氏は判決後「私の裁判がこれ以上政治利用されないことを願う」と話した。朴氏は損害賠償請求訴訟も起こされ、係争中。

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