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テーマ : 裁判しずおか

「蒸し返し」袴田さん有罪立証方針に弁護団憤り 【最後の砦 刑事司法と再審】

 袴田巌さんの弁護団は会見で10日、再審公判で有罪立証を維持する方針を決めた検察側を「(再審請求の)即時抗告審の完全な蒸し返しだ」と強く批判した。
 検察は同日明らかにした立証の方針で、確定判決で「犯行の着衣」とされた5点の衣類について、1年以上みそ漬けされても血痕の赤みが残ることは「何ら不自然ではない」と主張。弁護側の実験結果などに基づき、「衣類に赤みは残らない」と判断した3月の東京高裁決定に反論した。
 弁護団は検察側の方針を「血痕の赤みが消えていく化学的なメカニズムに触れていない」と指摘。東京高裁の裁判官は検察官のみそ漬け実験に立ち会った上で決定を出したとして、「目玉になるような新しい論拠があれば(書面に)書いてくるはずなのに、それがなかった。また同じことを繰り返すのか」と憤った。
 弁護団の小川秀世事務局長は「検察は袴田さんが無実であることを分かりながらやっているとしか思えない」と強調。「最初から事件の捜査がゆがめられ、その結果、5点の衣類の捏造(ねつぞう)に行き着いたということを主張していきたい」と改めて述べた。

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