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サクラエビ秋漁 ”ご祝儀”ない初競り 価格に落ち着き

 駿河湾産サクラエビの秋漁の初競りが29日早朝、由比漁港(静岡市清水区)と大井川港(焼津市)で行われた。28日夜の初漁で水揚げした約3・2トンを取引し、1ケース(15キロ)当たりの両市場平均取引値は約7万700円だった。昨秋、今春の初日と比べて5千~1万円下落し、初競りの“ご祝儀相場”を感じさせない結果となった。

駿河湾産サクラエビ秋漁の初競りで、エビの品質を見極める加工業者ら=29日午前5時40分ごろ、静岡市清水区の由比漁港
駿河湾産サクラエビ秋漁の初競りで、エビの品質を見極める加工業者ら=29日午前5時40分ごろ、静岡市清水区の由比漁港

 最高値は由比漁港の7万7700円。前年秋の初日に比べ約1万6千円低かった。落ち着いた取引値になったことついて、地元加工業者は「コロナ禍でエビの需要は依然多くはなく、春に仕入れた在庫もまだはけていないため」と分析する。
 近年、高値で「サクラエビの消費者離れを招いた」として、この日の相場を歓迎する声もあったが、由比港漁協の宮原淳一組合長(80)は「漁獲が少ない中で価格も下がると苦しい。もう少し高値を予想していた」と話した。
 由比漁港の初競りには地元の蒲原、由比地区の業者が集まった。「アタマグロ(産卵期の雌エビ)が多い」「体が大きくて春漁のエビのよう」などと品質を見極めながら、同港分約3・1トンを次々に競り落とした。サクラエビ漁は未曽有の不漁が続き、2018年から県桜えび漁業組合が自主規制を続けている。今秋漁は事前の資源情報が不足し、解禁後も調査目的の「試験操業」として出漁している。11月以降に規制内容を決めてから本格操業をする予定。漁期は12月23日まで。
 (サクラエビ異変取材班)

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