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サクラエビ春漁初日 昨年並み2.3トン 魚影まばら

 記録的不漁が続く駿河湾サクラエビ春漁が30日、強風のため解禁から1日遅れで始まった。初日は約2・3トンの水揚げ(昨年春漁の初日は約2・3トン)。静岡県桜えび漁業組合所属の全120隻が出港した資源調査では、湾南西部の漁場形成は乏しく、漁民が漁獲自主規制を続けてきた湾奥などでも全体にまばらだった。31日の初競りは由比漁港と大井川港で行う。
 組合はこれまで主漁場としてきた湾南西部の資源逼迫(ひっぱく)から、2018年春以降の不漁で初めて富士川沖などを「保護区」とし、操業にかじを切った。ただ30日は操業しなかった。資源状況は本格的な回復には至っていない。一方で、初日の水揚げの約6割近くが湾奥などでの漁。春漁で湾南西部以外が主漁場となったのは、深刻な不漁に陥った18年春漁以来3年ぶりとみられる。静岡市清水区の由比漁港では80隻が午後5時ごろ、割り振られた海域に次々と向かった。
 県水産・海洋技術研究所の事前の資源分析でも、依然として深刻な不漁は続いている。春漁では「禁漁区」の設定など18年秋漁以来続けている自主規制を通じ、主漁場としてこなかった主産卵場の富士川沖などを初めて「保護区」とし操業できるようにした。
 近年、集中的に操業した大井川沖など湾南西部の漁場は「傷んでいる」(漁業関係者)。ことしの春漁では、魚体サイズなど資源分析を担う県水技研との綿密な連携を取って組合が漁獲自主規制するという「保護区」の運用に注目が集まる。
 (「サクラエビ異変」取材班)

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