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サクラエビ秋漁、駿河湾奥に新たな保護区 県漁業組合が自主規制変更

 試験操業が続く駿河湾産サクラエビ秋漁について県桜えび漁業組合(実石正則組合長)は25日夜、資源回復を目的とした自主規制内容を決定した。エビの主産卵場となっている湾奥に新たに通常操業を不可とする保護区を設定し、秋漁の主漁場となっている湾南部では規制を緩めるなど、19年秋から続けてきた内容に変更を加えた。自主規制の決定で、12月23日までの秋漁が本格化する。

操業可能な親エビの割合
操業可能な親エビの割合

 来年以降に産卵する稚エビを保護するため、操業前には試験網で魚体の大きさを確認する。駿河湾を4海域に分け海域ごとに漁獲可能な体長35ミリ以上の親エビの割合(10~50%)を定めた。前年まで基準を30%以上としていた焼津沖以南の湾南部について基準を引き下げ、10%以上とした。割合を75%以上に設定し“実質的な禁漁区”となっていた富士川沖周辺は資源調査目的の試験操業以外禁止する保護区とした。
 湾南部の漁獲可能基準の緩和は、県水産・海洋技術研究所(焼津市)と10月末から続けてきた試験操業で魚体のサンプルを確保し、県との協議の中で資源回復に影響は出ないと判断した。実石組合長は「科学的なデータに基づき話し合った上での決定。資源回復に向けて規制を続けていく」と話した。
 1日当たりの操業隻数は最大60隻としつつ、漁場の変化に対応するためとして20隻まで追加できる余地を新たにつくった。連続出漁3日まで、投網1日1回で20分以内などの自主規制は踏襲する。
 (「サクラエビ異変」取材班)

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