テーマ : サクラエビ異変

サクラエビ春漁、昨年比1・5倍超 駿河湾産漁獲、回復の兆し

 駿河湾で4月4日から続いていたサクラエビ春漁が9日、漁期を終了した。漁期中に19回出漁し、由比漁港(静岡市清水区)と大井川港(焼津市)で合わせて前年春漁の1・5倍以上となる計約306トンを水揚げした。1ケース(15キロ)当たりの両市場平均取引値は約4万2千円で、漁獲量の増大に伴って前年春の約5万2千円から値を下げた。

駿河湾産サクラエビ漁獲量
駿河湾産サクラエビ漁獲量
サクラエビ
サクラエビ
駿河湾産サクラエビ漁獲量
サクラエビ

 漁期序盤は初漁で約40トンを漁獲し、その後も20トン以上の水揚げを連発するなど好調で、出漁8回時点で昨年春漁全体の漁獲量を超えた。エビの質も高く地元の加工業者や漁師の間では「今春は豊漁」との認識が広まった。
 漁期中盤以降は卵を持った「頭黒」と呼ばれるエビが例年より早く増えたとして資源保護のため5月18~21日に休漁を挟んだほか、最後の出漁となった6月7日を含む3回の出漁で水揚げがなく帰港するなどし、序盤の期待感ほど漁獲量は伸びなかった。両市場平均取引値も初競りの約3万3千円を底値に漁期終盤にかけて値上がりし、春漁最後の6月6日の競りでは約6万2千円を記録した。
 近年、深刻な不漁が続く中で県桜えび漁業組合は資源保護を目的に操業時間や漁獲対象を制限するなどの自主規制を続けてきた。手放しの「豊漁」とまではいかなかったが、1・5倍という漁獲量の増大は確かな資源回復を感じさせた。実石正則組合長は「初漁から大きなエビが捕れたり頭黒が早く出てきてまた減ったりと初体験の連続だった」と話し「もっともっと資源量を増やし、漁に耐えうるサクラエビの母数を整える必要がある」と述べた。

いい茶0

サクラエビ異変の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞