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大自在(4月17日)主将と首将

 主将と言えば、スポーツでチームの先頭に立って統率する人のこと。いわゆるキャプテン。だが、手元の辞書を引けば「首将[しゅしょう]」ともある。そちらはなじみがなく、原稿入力ソフトでも漢字変換されない。
 キャプテンのつづりは「Captain」。ラテン語で頭や首を意味する「Caput」が語源という。なるほど。首将という訳に膝を打った。
 スポーツの祭典、100年ぶりとなるパリ五輪の開幕まで100日と迫った。きのうギリシャで採火式が行われ、聖火はフランスの首都に向けて運ばれる。首都は英語で「Capital」。これも「Caput」が語源とされる。
 日本オリンピック委員会(JOC)は、パリ五輪日本選手団の主将を廃止する。日本の顔として公式行事に参加するなど競技外での負担の重さが指摘されていた。日本は1952年のヘルシンキ夏季五輪から主将を選出。初代は浜松市出身の競泳選手、故古橋広之進さんだったが、メダルを逃した。
 「主将は勝てない」というジンクスも。近年は96年アトランタから2021年東京まで7大会連続で金メダルなし。現地で取材したこともあり、16年リオデジャネイロが記憶に残る。夏季大会女性初の主将を務めたのはレスリングの吉田沙保里さん。五輪など16大会連続世界一だった女王が敗れたのは衝撃的だった。
 国際オリンピック委員会(IOC)は出場国・地域に男女1人ずつの旗手起用を求めているが、主将は日本独自。主将は名誉だが、重圧になるなら廃止もやむなしだろう。選手は競技で輝いてこそ。

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