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星稜 もがいて初戦突破 第96回選抜高校野球大会(第1日)

田辺―星稜 9回表星稜1死二、三塁、代打東が右前に決勝の2点打を放つ。捕手前田=甲子園
田辺―星稜 9回表星稜1死二、三塁、代打東が右前に決勝の2点打を放つ。捕手前田=甲子園

▽1回戦(13時46分、20000人)
星 稜(石川) 010100002―4
田 辺(和歌山)001100000―2
▽二塁打 山本結、中島幹、寺西▽犠打 中谷、柳田、前田、山根2、太田▽盗塁 萩原、専徒2、能美▽失策 前田、尾崎▽暴投 寺西
▽試合時間 2時間

 【評】星稜が競り勝った。2-2で迎えた九回1死二、三塁から、代打東の右前適時打で2点を勝ち越した。先発の佐宗は6回2失点にまとめた。七回から救援した戸田、道本が得点を許さなかった。
 田辺は2度追い付く、粘りを見せた。寺西は切れのある真っすぐで抑え込んだが、九回に自らの暴投でピンチを広げ、失点した。

9回代打東 勝ち越し打 「頑張る姿 届けたい」  もがきながらも初戦を突破した。星稜は昨秋の明治神宮大会を32年ぶりに制して優勝候補に挙げられている。ただこの日は自慢の打線が、切れのある直球を打ちあぐねて苦戦した。2-2の九回に2点をもぎ取り、何とか勝利をつかんだ。山下監督は「最後まで粘って、よく頑張ってくれた」と選手を褒めた。
 九回1死一、二塁。山下監督が動く。思い切りのいいスイングが持ち味の東を代打で起用。暴投で二、三塁と広がった好機で、真っすぐを捉えて右前に運んだ。値千金の殊勲打を放った背番号「20」。「苦しい中で1本が出た。思いがあふれた」と力強く話した。
 星稜は能登半島地震で金沢市内のグラウンドにひびが入るなどの被害を受けた。東は元日、石川・津幡町にある自宅近くのジムでトレーニングをしていた。揺れを感じて避難し、数日は断水に悩まされたという。
 部活動が再開してからは、悪天候が続いたこともあり室内練習が続いた。打者は投手の球を受ける機会が減ったが、東は基礎固めの機会と捉え、1日千回のスイング練習など訓練を重ねた。
 石川県勢初の甲子園大会制覇が期待されている。東は「今も思うような生活ができず、家族が亡くなった人もいる。頑張る姿を届けられたら」。秋の王者はなりふり構わず、一戦を必死に戦う覚悟だ。

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