テーマ : スポーツしずおか

「藤井と共に」東レ白星 バレーボールVリーグ、沼津で追悼試合 プレーオフ進出王手

 バレーボールのVリーグは16日、沼津市総合体育館などで行われ、V1男子の東レは地元でVC長野をストレートで下し、17勝目を挙げた。東レはこの日の試合を昨年3月10日にがんで闘病の末、31歳で他界したセッター藤井直伸さんの追悼試合として開催した。東レは17日も同体育館でVC長野とレギュラーラウンド最終戦を行い、勝てば上位6チームによるファイナルステージ進出が決まる。

藤井さんをモチーフにした特別仕様のユニホームで、妻美弥さん(前列右から4人目)とともに記念撮影する東レチーム=沼津市総合体育館
藤井さんをモチーフにした特別仕様のユニホームで、妻美弥さん(前列右から4人目)とともに記念撮影する東レチーム=沼津市総合体育館
東レ-VC長野 攻守で勝利に貢献した東レの富田=沼津市総合体育館
東レ-VC長野 攻守で勝利に貢献した東レの富田=沼津市総合体育館
藤井さんをモチーフにした特別仕様のユニホームで、妻美弥さん(前列右から4人目)とともに記念撮影する東レチーム=沼津市総合体育館
東レ-VC長野 攻守で勝利に貢献した東レの富田=沼津市総合体育館


▽男子
 東レ 17勝18敗 3(27―25 25―19 25―17)0 VC長野 2勝33敗


 東レはプレーオフ進出が懸かった大事な一戦であり、藤井さんの追悼試合という二つの特別な意味を持つ地元戦をストレートで勝ちきった。第1セットはサーブレシーブを崩され、セッター酒井(浜松商高出)とスパイカーの連係が乱れたが、その後は立て直した。攻守の要の富田(沼津市立高中等部出)は「試合の中で修正できた」とうなずいた。
 選手は藤井さんの背番号「21」と、トスを上げる姿がプリントされた特別仕様のユニホームを身にまとった。会場には笑顔の藤井さんをモチーフにした5・5メートル四方の特大横断幕が掲げられ、ミドルブロッカー高橋も「負けるわけにはいかない」と気合が入った。
 この日は6位東レを1勝差で追う7位東京GBも勝ったため、プレーオフ進出決定は17日のレギュラーラウンド最終戦に持ち越しとなった。「あす(17日)はもっとプレッシャーが掛かる。でも藤井さんなら、この状況を楽しもうと言うと思う」と峯村主将。勝って5季ぶりのプレーオフ切符をつかみ取る。
 (運動部・結城啓子)

試合後にセレモニー 峯村主将「藤井さんと優勝つかむ」
 東レは昨年3月10日に逝去したセッター藤井直伸さんをしのび、試合後に追悼セレモニーを行った。妻の美弥さんがあいさつに立ち「藤井の背番号21や『心はひとつ』という言葉を皆さんが掲げてくださっているのを見て、皆さんの中にも藤井が生き続けていると感じることができました」と声を震わせた。
 藤井さんから主将を引き継いだ峯村は「2年前の天皇杯に負けて、泣きながら『悔しい』と言った藤井さんの涙を忘れていない。藤井さんと一緒に、優勝という景色を見るために、あす勝ってファイナルに行きたい」と決意を述べた。
 2020年に加入したハンガリー出身のパダルは「言葉の壁を感じていた自分に、藤井はたくさんコミュニケーションを取ってくれた。いつもバレーのことを考え、ベストを尽くす。彼は素晴らしいファイターだった」と仲間をしのんだ。

いい茶0

スポーツしずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞