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スズキ、サステナブル二輪で鈴鹿8耐参戦 環境技術開発を加速

 スズキは22日、40%バイオ由来の「サステナブル燃料」で走行する二輪で、7月19~21日に三重県で開催される鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)に参戦すると発表した。カーボンニュートラル(CN)のプロジェクトに賛同する企業8社が、環境負荷低減に配慮したタイヤや部品などを提供する。耐久レースの厳しい環境下の実走で得たデータ検証を通じ、環境性能技術の開発を加速する。

サステナブル燃料を活用するレース参戦車両=22日午後、東京都の東京ビッグサイト
サステナブル燃料を活用するレース参戦車両=22日午後、東京都の東京ビッグサイト

 チーム名は「チームスズキCNチャレンジ」。レース仕様の「GSX-R1000R」で、実験的クラスの「エクスペリメンタルクラス」に参戦する。社内で選抜したメンバーを中心につくる。
 二輪部品メーカー、ヨシムラジャパン(神奈川県)と組み、レース経験が豊富な同社のノウハウを生かす。賛同企業からは、再生資源比率を高めたタイヤや、植物由来の亜麻繊維を活用したフェンダー、製造工程で熱処理を廃止したブレーキディスク、車載リチウムイオンバッテリーなど新技術開発を兼ねた部品の提供を受ける。
 22日、東京ビッグサイトで開幕した「東京モーターサイクルショー」で車両を公開した。スズキ二輪事業本部の佐原伸一プロジェクトリーダーは「決勝でのレース完走」を目標に掲げ、「鈴鹿8耐1回限りでなく、より高い目標を設定して継続し、将来の製品の技術フィードバックにもつなげたい」と強調した。
 スズキは、EVなどの技術開発に経営資源を集中するため、22年シーズンで二輪のロードレース世界選手権(モトGP)と世界耐久選手権(EWC)の両レース参戦から撤退していた。今回は小型に比べて電動化が難しい大型二輪の持続可能性を探るCN戦略の一環。鈴木俊宏社長は「サステナビリティに関わる技術開発促進へ、人材育成やモチベーション向上、将来のよりよい製品づくりにつながる」とコメントした。

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