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景況感3期ぶり下降超過 海外経済の停滞影響 1~3月期

 東海財務局静岡財務事務所が12日発表した1~3月期の県内法人企業景気予測調査は、景況感の「上昇」から「下降」を引いた全産業の景況判断指数(BSI)がマイナス9・0だった。下降超過は3期ぶり。中国経済の減速が響き、製造業を中心に景況感が悪化した。

景況判断指数の推移
景況判断指数の推移


 製造業はマイナス16・4で、2023年10~12月期を23・7ポイント下回り3期ぶりの下降超過となった。中国経済の停滞に加え、ダイハツ工業や豊田自動織機の認証不正発覚に伴う受注減により、輸送用機械がマイナス17・4(前期比42・4ポイント下降)と大幅に悪化。原料高が続く非鉄金属も61・9ポイント下降のマイナス28・6と景況感を押し下げた。非製造業は値上げによる消費停滞で食料品などの売り上げが落ち込み、マイナス3・8(13・4ポイント下降)と4期ぶりの下降超過に転じた。
 企業規模別では、前期に2年ぶりの上昇超過となった中小企業がマイナス19・4へと悪化。大企業(マイナス3・4)、中堅企業(プラス7・4)も前期を下回った。
 24年度の売上高は半導体不足で落ち込んだ23年度からの反動で製造業が6・8%増、非製造業も2・8%増を見込む。設備投資は14・4%増とし、大企業、中堅企業を中心に伸びる見通し。労働力の充足感を示す従業員数判断BSIは全産業、規模で「不足気味」超過となった。
 調査は2月15日時点で、資本金1千万円以上の266社から回答を得た。回答率は83・4%。
 (経済部・金野真仁)

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