テーマ : 経済しずおか

スズキ、要求上回る10%以上賃上げ、過去最高水準 一時金は満額回答 24年春闘

 スズキは8日、2024年春闘で、平均10%以上の賃上げを行うとスズキ労働組合に回答したと発表した。スズキによると、物価上昇を踏まえ、定期昇給分や24年度から導入する人事制度改革に基づく給与引き上げと併せて、組合が要求した賃上げ総額2万1千円を上回って過去最高水準となる。年間一時金の回答も、要求通り前年比で0・4カ月多い6・2カ月と過去最高とした。

スズキ
スズキ

 3回の交渉を経て同日回答した。労組はベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分と定期昇給分を含めた月額平均の賃上げ総額で要求していた。スズキは人事制度改革の内容が含まれるとして、要求に対する具体的な金額の回答は「差し控えた」とした。
 スズキは昨年1月、2030年度に向けた成長戦略を発表。電動化推進や7兆円規模の連結売上高達成に向け、主力市場インドの生産増強のハード整備と同時に、会社の持続的成長を担う人的資本投資にも注力する。鈴木俊宏社長は「労使が一体となって、個と会社の成長を実現していく。スズキグループが稼ぐ力を伸ばし、サプライチェーン(供給網)全体で成長を目指す」とコメントした。
 スズキ労組の白井晴行書記長は「競争環境が激しくなる中、会社側の生き残りに向けた覚悟を感じた。(10%以上の賃上げの)回答は組合員が一丸になれると受け止めた。狙いをしっかり伝え、一人一人の行動と意識改革につなげていきたい」と述べた。
 23年春闘は労組側が賃金総額で1万2200円、年間一時金5・8カ月を求め、いずれも満額回答だった。

いい茶0

経済しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞