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新卒選考「早めた」半数以上 主要30社調査 2025年春採用、学生争奪戦激化 

 静岡新聞社が1日までに実施した県内主要企業30社への新卒採用アンケートによると、2025年春の採用スケジュールについて「選考時期を早めた」とする企業が17社に上り、前年の9社からほぼ倍増した。学生の採用数を「増やす」は前年と同数の12社。社会経済活動が正常化する中で首都圏を中心に採用意欲が高まり、各社は選考を前倒しして人材確保を目指し、学生争奪戦が一段と激化している。

県内主要企業の新卒採用の計画と実績
県内主要企業の新卒採用の計画と実績

 選考開始時期は1月以前が7社、2月が8社、3月が7社で、全体の73%に当たる22社が3月までに面接などの採用活動に乗り出すと回答。最も早く内定を出す時期も3月以前が63・3%(計19社)を占めた。選考時期を早めた17社のうち14社が「採用活動の早期化への対応」を理由に挙げるなど、短期集中型の採用で学生を囲い込もうとする他社の動きも意識した選考前倒しが目立つ。
 新型コロナウイルス禍に定着したオンラインの活用は、24年春採用の会社説明会で全30社、面接などの選考で29社が導入した。インターンシップ(就業体験)でも22社がオンラインを取り入れたほか、SNSやウェブ広告の活用、ウェブページの刷新などに力を入れる企業も多い。一方、「オンラインのみでの選考は実施しない」「選考過程で一度は対面形式を取り入れる」などと、入社後のギャップを防ぐため対面の選考も交えた“ハイブリッド型”で選考を進める傾向も見られた。
 24年春の入社予定者数は23社が23年春よりも増え、6社が減、1社が同数。新卒者の初任給を「引き上げる」は23社(76・7%)で、うち3社が10%以上引き上げとした。25年春の初任給は7社が「引き上げを検討」し、「変更しない」2社、「未定」21社。24、25年ともに初任給を引き下げる企業はなく、物価上昇が続く中で好条件を提示して新卒者の獲得を目指す動きが強まっている。
 (経済部・金野真仁)

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