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【日経平均株価 史上最高値】株式市場の現状と展望は 静岡経済研・恒友専務理事に聞く

 日経平均株価が22日、バブル期の1989年12月に付けた史上最高値(3万8915円)を更新した。静岡経済研究所の恒友仁専務理事に株式市場の現状と展望を聞いた。
3万9098円68銭を付けた日経平均株価の終値を示すモニター=22日午後、東京都中央区
中長期視点で見極めを
 日銀の異次元緩和による大量の余剰資金が株価を下支えし、半導体関連を中心とする日系企業の好業績で買いの安心感が広がった。中国の景気減速を嫌気する海外投資家が日本へ資金をシフトさせ、円安による割安感が流れに拍車をかけている。新NISA(少額投資非課税制度)への期待感など、複合的な要因で国内市場に資金が集まりやすい構造になっている。
 バブル期の経済環境とは大きく異なる。2023年の実質国内総生産(GDP)は1989年の約1・4倍。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)もバブル期のような過熱感はない。実体経済とかけ離れた状況ではなく、いずれ4万円超えもあり得るのではないか。
恒友仁専務理事
 ただ半導体関連株への過度な資金集中は気になる。東証プライム市場の時価総額は半導体関連10社だけで約1割を占める。方針転換の判断が速い外国人投資家の保有比率も高い。これらが急速な株価上昇の背景にある以上、逆の流れが生じれば下落に勢いをつける可能性も考えねばならない。
 株価の最高値更新は一つの水準に達したに過ぎず、表面的に「失われた30年」を取り戻してもそれは過去の話。大事なのは目先の変化に踊らされず、今何をするかだ。時代は大きな変化にさしかかっている。中長期的な視点で日本や静岡県内の経済環境を見極める必要がある。
バブル経済期からの日経平均株価の推移
(聞き手=経済部・金野真仁)

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