テーマ : 御前崎市

記者コラム「清流」 きっと帰ってくる

 産卵する時は御前崎に戻ってきてね-。御前崎小の児童が先日、約10カ月間にわたり飼育したアカウミガメを放流した。5年生がカメ当番として毎日欠かさず餌やりや水槽清掃など子亀の世話に愛情を注ぎ、大海原への旅立ちを見送った。
 同校のアカウミガメの飼育放流は45年以上前から続く伝統行事。時には子亀の死に直面し、葛藤を抱えながら命の尊さを肌で感じてきた。多くの卒業生がこの活動を経験し、歴史の年月が貴重な教育機会であることを裏付けている。
 子亀は約20年で成体になる。御前崎市は近年、人口減少が課題だが、今回放流したアカウミガメが産卵上陸する頃も明るい街であってほしい。理想は子どもたちが進学や就職で地元を離れても故郷で住みたいと思えるような地域だ。アカウミガメもきっと帰ってくる。
 (御前崎支局・市川幹人)

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