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能登地震派遣 被災地の“今”報告 御前崎市消防本部 村石さん「道路寸断、活動難しく」

 能登半島地震で被災した石川県珠洲市に派遣され、傷病者の救急搬送に携わった御前崎市消防本部の救急救命士村石哲臣さん(39)が17日までに取材に応じ、「(被災地は)至る所で家屋が倒壊し、地割れや土砂崩れで道路が寸断されていた」と難しい救助活動を強いられたことを語った。切迫する南海トラフ巨大地震に備え、「平時から命を守る対策を真剣に考えてほしい」と訴えた。

能登半島地震の被災者の救急搬送に携わった村石さん=御前崎市消防本部
能登半島地震の被災者の救急搬送に携わった村石さん=御前崎市消防本部

 同消防本部は発災した1日から16日までに、救急隊員ら約30人を6陣に分けて派遣した。村石さんは5日から現地に4日間滞在し、救急搬送などを担った。
 6日は、自家用車で避難中に意識消失した高齢女性を病院へ搬送した。道路が破損しているために二次災害に注意し、通常の救急搬送よりも時間をかけて、慎重に活動に当たった。
 7日には、災害時の救急救命の難しさを痛感する事態に直面した。孤立集落で救助された高齢男性を自衛隊ヘリから引き継いで総合病院へ運ぶためにヘリポートで待機していたが、悪天候で急きょ、ヘリ輸送が中止された。その後、男性が心肺停止になったことを伝えられた。
 被災地で、一刻も早く命を救いたいとの思いを募らせる一方で、悪天候や道路状況が活動を妨げた。村石さんは「(被災者を)すぐに助けられないふがいなさを感じた」と振り返る。
 南海トラフ巨大地震が発生すれば、本県でも各地の道路交通網が寸断され、救助や救急搬送に支障が生じる可能性が高い。村石さんは「家族と避難場所を事前に決めるなど、災害への備えを大事にしてほしい」と市民に向けて呼びかける。

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