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御前崎に住民つながる場所 古民家改修、交流拠点開設

 御前崎市御前崎に2023年11月上旬、築100年を超える古民家を改修した住民交流拠点「むすびの郷」がオープンした。コンセプトは「一人にならない場所」。高齢者向けにさまざまなレクリエーションや催しが開かれているほか、子どもたちが駄菓子を買い求めに集まるなど憩いの場として定着しつつある。

音楽演奏会を楽しむ高齢者ら。レクリエーションなどの催しも開かれ、住民同士が交流を深めている=御前崎市のむすびの郷
音楽演奏会を楽しむ高齢者ら。レクリエーションなどの催しも開かれ、住民同士が交流を深めている=御前崎市のむすびの郷
休日や夕方には駄菓子を求めて子どもたちも訪れる=御前崎市のむすびの郷
休日や夕方には駄菓子を求めて子どもたちも訪れる=御前崎市のむすびの郷
音楽演奏会を楽しむ高齢者ら。レクリエーションなどの催しも開かれ、住民同士が交流を深めている=御前崎市のむすびの郷
休日や夕方には駄菓子を求めて子どもたちも訪れる=御前崎市のむすびの郷


 開業して約2週間後のある日、室内で地元ボランティア佐藤健一さんによる三線(さんしん)の音楽演奏会が開かれ、高齢者ら約30人が沖縄民謡を楽しんでいた。休日や夕方には小学生も多く訪れ、笑い声が響き渡る。現在、運営日は週3日程度で、参加した住民の川口節子さん(81)は「日常生活の楽しみが増えた」と語る。
 開業したのは市内で不動産業を営む伊村真美さん(46)と従業員慶野理恵さん(56)。きっかけは7月ごろ、慶野さんが古民家を所有する男性から賃貸物件として貸したいと相談を受けたことだった。2人は不動産を探す人に紹介することを考えたが普段、業務を行う中で地域の過疎化が進み、空き家が増加している現状に危機感を抱いていたため、自分たちでリノベーションして交流拠点化することを逆に提案。男性から快諾を得た。
 計画はすぐに実行した。約3カ月かけて古民家を修繕し、応接室だった場所は駄菓子の販売コーナーにするなど工夫。畳の居間や縁側はそのまま生かし、昭和の古き良き趣を残した。住民たちからは「心が落ち着く」と好評だ。
 市によると、浜岡と御前崎の旧両町が合併した2004年度は人口約3万5千人だったのに対し、現在は約3万人まで減少。過疎化の流れは避けられない。伊村さんと慶野さんは今後も交流拠点の拡大や企画を展開していく方針で「地域住民だけでなく観光客、移住者のみんながつながる場所にしたい」と語る。
 (御前崎支局・市川幹人)

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