テーマ : 経済しずおか

大手賃上げ満額回答 春闘集中回答日、物価高に対抗

 2024年春闘が13日、集中回答日を迎えた。トヨタ自動車や日立製作所といった大手が労働組合の賃上げ要求に相次いで満額回答。日本製鉄の回答は要求を上回り、電機、鉄鋼など主要製造業で高い水準の賃金上昇が実現する。歴史的な物価高が続く中、大手で31年ぶりの平均賃上げ率を記録した昨年を上回り、経団連が目指す4%超の達成は確実だ。岸田文雄首相は賃上げ継続へ「あらゆる手を尽くす」と表明。この流れが中小企業に波及するかどうかが焦点となる。=関連記事8、9面へ

主要産業の集中回答日の状況
主要産業の集中回答日の状況

 賃金と物価がそろって上昇するとの期待が高まれば、日銀の大規模な金融緩和策の転換にも結びつく。ただ物価高を反映した実質賃金は低下傾向が続いており、中小が賃上げで追随できなければ格差が拡大する恐れがある。
 岸田首相は連合、経済界の代表者と政労使会議を開き「昨年を上回る力強い賃上げの流れができている」と述べ、中小が人件費の上昇分などを上乗せする価格転嫁を支援する姿勢を示した。
 車などの産業別労組が入る金属労協の金子晃浩議長(自動車総連会長)は東京都内で記者会見し「物価上昇を上回る回答だ。経済の好循環を実現しうる」と評価した。
 トヨタは1999年以降で最高水準の賃上げとなる。職種や階級ごとの金額を示す方式で、最高は月額2万8440円となった。年間一時金(ボーナス)は満額の7・6カ月分。日産自動車とSUBARU(スバル)も満額で応じた。
 日本製鉄は、労組が求めた基本給を底上げするベースアップ(ベア)相当分の月額3万円を上回る3万5千円で回答。定期昇給分を含めると賃上げ率は14・2%に達する。JFEスチールと神戸製鋼所は月額3万円の要求通りで応じ、長年の横並びが崩れた。

いい茶0

経済しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞