あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 浜松市

静岡人インタビュー「この人」 石に猫の絵を描く作家 渥美典久さん(浜松市天竜区)

 浜松市天竜区春野町で「晴れるや工房」を営む。妻の愛子さんと、アクリル絵の具を使って丸みを帯びた石に本物そっくりな猫や、笑った表情の猫などの作品を制作する。73歳。

渥美典久さん
渥美典久さん

 ―工房を始める前は。
 「両親が経営していた会社を辞め、民宿を開業しようと52歳の時に西伊場町(同市中央区)から春野町に移住した。家族は大反対だったが、妻は騒音を気にせずに木を切ったり、絵を描いたりできる環境をすぐに気に入った。ただ、民宿経営はうまくいかなかった。借り入れ資金の返済に苦労していた時、地元の産業展に妻の作品を出したところ、石に描いた作品が売れた」
 ―なぜ、猫を描いたのか。
 「長男が小学生の時に捨て猫を拾ってきてから、ずっと猫を飼っていた。移住後の2006年に妻が丸い石を見て『うちの猫を描いたらかわいいだろうな』と描き始めた。臨場感が受け入れられ驚くほど売れた。長女も作っていたが作品が足りず、高校ごろまで漫画を描いていた私も描き始めた。イベント参加が増え、民宿経営はやめた」
 ―作品の進化は。
 「依頼を受け、死んでしまった猫などの写真を基にした作品は私が描き、妻は猫以外にハリネズミやフクロウ、シマエナガなどの作品も制作している。写真からの制作は工夫が必要で、最初は非常に時間がかかった。お客さんに渡した時に『本物と同じだね』と言われたいと、取り組んだことが今につながっている」
 ―今後は。
 「長女は制作から離れ、今は妻と2人。作品づくりという生きがいがあるからこそ、健康でいられると人に伝えられるよう、いつまでも描き続けたいと思っている」
 (浜松総局・白本俊樹)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

浜松市の記事一覧

他の追っかけを読む