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テーマ : ジュビロ磐田

⚽鹿児島キャンプ集大成、静岡ダービー 清水/守備機能、攻撃に課題 磐田/若手奮起も前線精彩欠く

 J1磐田とJ2清水は10日、鹿児島市の白波スタジアムで練習試合(45分4本)を行い、合計4―3で磐田が勝利した。同日、両チームは鹿児島キャンプを打ち上げた。
 磐田は主力級が出場した1、2本目は攻撃陣が不発でゴール前の好機を生かせず無得点。1本目に先制点も許した。若手中心の3本目はMF藤原健介とMF平川怜のゴールで2得点。4本目もMF金子翔太、平川が決めて勝ち越した。
 清水は1本目にMF西沢健太のゴールで先制。主力級が出場した1、2本目の90分間を1-0で終えた。3本目には練習生、4本目には清水ユースから練習参加のFW田代寛人が得点した。

 ▽練習試合(45分×4本)

磐田 4(0―1 0―0 2―1 2―1)3 清水
▽得点者【磐】藤原、平川2、金子【清】西沢(北川)、練習生(西原)、田代
 ※カッコ内はアシスト。西原、田代は清水ユースからの練習参加
 【1、2本目の清水のメンバー】
 ▽GK 権田▽DF 原、住吉、蓮川、山原▽MF 宮本、中村、西沢、乾、カルリーニョス▽FW 北川
 ※磐田は非公表


 若手奮起 合計で勝利
 主力級が出場した1、2本目の磐田は攻撃陣が不発に終わった。90分間でゴールを奪えず、前線の迫力不足が露呈。2週間後に迫る開幕へやや不安が残る内容になった。
磐田-清水 1本目、相手と競り合う磐田の山田(中央)=鹿児島市の白波スタジアム
 1本目25分でエース候補のFWペイショットが右足を負傷。大事を取って交代するアクシデントがあった。2本目から出場したFWジャーメインはゴール前で精彩を欠き無得点。「もっと前線でクオリティーを出さないといけない」と反省する。さらに「1トップの人数は多くない。けが人が出た時にチーム力が問われる」と厳しい表情を見せた。
 3、4本目に出場した若手が奮起して4本合計では磐田が勝利したが、攻撃陣はペイショットの負傷に加え、韓国1部から加入した石田も別メニュー調整と不安要素は残る。
 1本目の失点は相手のシュートが別の選手に当たって入る不運も重なった。それでもMF山田は「防げた失点として受け止めなければ。あそこまで進入させてはいけない」とシュートに至るまでの過程を課題に挙げた。
 一方、横内監督は1、2本目に関して1失点したが「やろうとした守備は出せた」と一定の評価。その上で「そこで球を奪ってどうシュートに結び付けるか」と指摘する。今後は磐田に戻ってから鹿児島キャンプで十分に時間を割けなかった攻撃時の連係に着手すると明かし「攻撃を構築したい」と開幕戦を見据えた。
 (名倉正和)

 平川 3得点絡む
 磐田のMF平川が3、4本目に中盤左サイドで出場し2得点1アシストと鹿児島キャンプ最終日の実戦で開幕スタメン入りを猛アピール。J2熊本から加入した23歳は「最後に数字を残せキャンプを乗り切れた。磐田に帰ってからが勝負」と表情に決意をにじませた。
 3本目11分にこぼれ球を押し込むと、4本目41分にはゴール前中央からGKの逆を突いて決めた。「本来のポジションではないが、足を止めずにクロスに入っていけた」とうなずいた。4本目14分にはMF金子のゴールをお膳立てし連係面も上々だ。「開幕スタメンは全員狙っている。周囲に合わせすぎず、自分の良さを出したい」と野心をのぞかせた。

 守備機能 攻撃に課題
 清水は主力級が出場した1、2本目で、サイドチェンジを効果的に使ってテンポよくボールを回し、主導権を握った。守備ではボールを奪う局面での強さが目立ち、相手に自由にプレーさせなかった。ただ追加点は奪えず、秋葉監督は「3点、4点取らないと勝ち点3はなかなか取れない」と課題を示した。
​​磐田―清水 1本目21分、清水の北川のシュートが背中に当たるゴールで笑顔を見せる西沢(左)=鹿児島市の白波スタジアム(写真部・坂本豊)
 布陣は4日のJ2山形との練習試合と同じ4-2-3-1。その時のメンバーから右センターバックをDF住吉、ボランチをMF宮本、右サイドハーフをMF西沢に代えて臨んだ。
 ハードワークを生かした守備が機能した。ボールを失っても直後の守備ですぐに取り返し、相手にボールを運ばせる機会を奪った。センターバックのDF蓮川、住吉のコンビは体を張った激しい守備を何度も見せ、相手攻撃陣に仕事をさせなかった。
 前線からプレスをかける時と、構えて守備をする場面を区別して対応。MF中村、宮本の両ボランチも危機察知力が光り、要所で相手攻撃の芽を摘む働きを見せた。蓮川は「選手の特徴に合ったプレーができた」と胸を張った。
 一方、攻撃面は「宿題が残った」(秋葉監督)。ボールは回せても相手のペナルティーエリアに進入する機会は少なく、西沢のゴールも運に恵まれた部分がある。指揮官はエリア内でより迫力のある攻撃を要求する。
 4本合計では敗戦となった。指揮官は「ハイレベルな競争をするという面では物足りなかった」とチームの底上げへ、控え組に奮起を求めた。
 (小沢佑太郎)

 北川主将「いい結果」
 FW北川は主将に就任後、初の対外試合が静岡ダービーになった。MF西沢の先制点のきっかけとなるシュートを放ち、「いい結果で終われて良かった」とキャンプを締めくくった。
 左腕にキャプテンマークを巻き、1、2本目の90分間、1トップに入った。得点場面以外にも遠目から思い切りよく狙ったシュートやポストプレーなど随所に存在感を示した。それでも得点できず、「満足できない。もっとチャンスをつくり、結果につなげないと」と省みた。
 昨季はリーグ序盤でつまずいた。「まずは最初の5試合、全力で戦う」とスタートダッシュを誓った。

 

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