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【自然の仕事人】新技術活用のミカン農家 山田太一さん(東伊豆) 独自栽培マニュアル構築(青年農業士会賀茂支部)

 東伊豆町稲取で柑橘[かんきつ]を生産している山田太一さん(34)を訪ねた。25歳で就農して今年で10年目。親子2代でハウスミカン、温州、中晩柑などを200アール栽培し、市場や直売所に出荷している。

ハウスミカンの様子を確認する山田太一さん
ハウスミカンの様子を確認する山田太一さん

 ハウスミカン栽培では、垣根仕立て栽培、養液システム、環境モニタリングシステム、炭酸ガス施用装置などの新技術の導入を積極的に進めている。垣根仕立て栽培は、先進地の大分県への視察がきっかけとなり、ハウスの新設と同時に導入した。通路を直線的に確保でき、収穫時の作業性の改善を実感しているという。
 栽培する上で重要視しているのは、木にとっての最適な管理を通じた収量と品質の両立だ。県内外への視察やSNSでの栽培技術の情報収集などを通じ、自身の技術力向上につなげている。また、これまでの知識や経験から、剪定[せんてい]、摘果、施肥などの独自の栽培マニュアルも構築してきた。収量や品質の結果や管理データ、他の農家からの栽培や技術情報を基に、毎年のマニュアル更新も欠かさない。
 山田さんは「天気などの外部環境はコントロールが難しいが、高収量と高品質の柑橘を栽培するため、木の視点に立った細やかな管理を行い、木を大事にすることが重要」と話す。
 今後の抱負について「常にチャレンジ、反省、チャレンジを繰り返し、前年の収量と品質を上回るよう柑橘農家として高みを目指します」と語る。柑橘栽培に真摯[しんし]に向き合う山田さんの今後の活躍に期待したい。
 (青年農業士会賀茂支部)

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