東京マラソン　木村（浜松日体高出）日本人５位　富士東高出の大石、現役ラストラン

運動部　山本一真

　東京マラソンは３日、東京都庁前から東京駅前のコースで行われ、２０２２年世界選手権代表の西山雄介（トヨタ自動車）が２時間６分３１秒で日本勢最上位の９位に入った。ベンソン・キプルト（ケニア）が世界歴代５位となる２時間２分１６秒の大会新記録で制し、五輪２連覇中のエリウド・キプチョゲ（ケニア）は１０位だった。静岡県勢は木村慎（ホンダ、浜松日体高出）が転倒で負傷しながらも２時間７分３４秒の全体１４位、日本人５番手で走り切った。今季限りで引退する大石港与（トヨタ自動車、富士東高出）は２時間１９分３５秒の５５位で現役生活を締めくくった。

世界歴代５位となる２時間２分１６秒の大会新で優勝したベンソン・キプルト＝東京都千代田区（写真部・小糸恵介）

木村、転倒に巻き込まれて負傷　悔しいレースに　木村（ホンダ、浜松日体高出）が思わぬアクシデントに見舞われた。１９キロ付近で転倒に巻き込まれて負傷。すぐにパリ五輪を争う日本人集団に戻ったが、３０キロ手前で遅れた。それでも自己記録に迫る２時間７分３４秒と状態は良かっただけに、悔しいレースになった。
　昨年１０月のＭＧＣ（マラソングランドチャンピオンシップ）は１７位ながら、３５キロまで大迫（ナイキ）が引っ張る２位集団に食らい付いた。今回は五輪だけを目指し、集団内で順調にレースを進めたが、前方で転倒した西山（トヨタ自動車）を避けきれなかった。
　左膝を強打し、左肘からも出血。途中棄権も頭をよぎったが、「この大会に向けて多くの人に支えられた」。痛みに表情をゆがめながらも、日本人５番手と意地を見せた。
　３０歳の五輪挑戦は不運に泣いた形だが、言い訳はない。「転倒した西山が日本人１位。自分の努力が足らなかった」と気丈に振る舞った。
（運動部・山本一真）