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中国 豪ワイン制裁関税解除

 【北京、シドニー共同】中国商務省は28日、ダンピング(不当廉売)を理由にオーストラリア産ワインに課してきた制裁関税を解除すると発表した。解除の発効は29日。昨年11月に中国で首脳会談が開催され、中国が制裁関税の見直しに向けた調査を進めていた。
 オーストラリアは日本と共に中国の環太平洋連携協定(TPP)加盟に慎重な立場を取っており、中国側は関係改善を進めてTPP加盟交渉入りに向けた各国との折衝を進展させる狙いがある。中国商務省の何亜東報道官は28日の記者会見で、解除について「貿易関係の安定と健全な発展を共に促進したい」と述べた。オーストラリアのアルバニージー首相は「オーストラリアの生産者と中国の消費者の利益になる」と歓迎し、世界貿易機関(WTO)での中国を相手取った紛争処理手続きを正式に取りやめることも明らかにした。
 中豪両国はオーストラリアのモリソン前政権が新型コロナウイルスの発生源を巡って調査を求めたことなどを機に関係が悪化。中国がワインの制裁関税などを相次いで発動した。2019年のオーストラリアから中国へのワイン輸出額は約11億豪ドル(約1084億円)だったが、中国の高関税で輸出が事実上できなくなっていた。

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