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東証最高値4万815円 日銀利上げも円安株高

 休日明け21日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は、19日比812円06銭高の4万0815円66銭で取引を終え、4日に付けた史上最高値を更新した。外国為替市場の円相場は下落し、一時1ドル=151円台を付けた。日銀が19日決めたマイナス金利政策の解除は利上げに当たり、景気を冷ましたり円高を促したりする効果があるが、逆に株高や円安が進んだ。米金融政策の維持が前日に決まって日米の金利差が大幅には縮小しないとの見方から円が売られ、輸出関連株が買われた。

日経平均株価の推移
日経平均株価の推移

 日銀の政策転換に伴う株式市場の波乱はひとまず避けられた半面、円安に歯止めがかからなければ輸入物価高で家計を圧迫する懸念が強まる。
 平均株価は3営業日続けて上昇した。為替市場で円安が進むと、業績への期待から自動車株や機械株などに買い注文が入り、取引時間中の最高値となる4万0823円を付ける場面もあった。マイナス金利解除で利ざや改善への期待が高まった銀行株も買われた。
 東証株価指数(TOPIX)の終値は45・24ポイント高の2796・21で1990年1月以来、約34年ぶりの高水準となった。出来高は約22億1400万株。
 円安株高の背景には、日米の金融政策運営の違いがある。米連邦準備制度理事会(FRB)は20日、高水準の主要政策金利を据え置いた上で、年内に3回利下げする見通しを示したものの、根強いインフレで実現するかどうかは不透明だ。一方で日銀の今回の利上げは小幅で追加利上げも急がない方針を示している。日米の金利差は開いた状態が続くとの見方が広がった。
 日銀のマイナス金利解除を受け、21日の短期金融市場では金融機関が担保なしで資金を貸し借りする「無担保コール翌日物金利」が平均0・074%となった。平均がプラスになるのは日銀がマイナス金利政策を始めた2016年以来だ。

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