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次世代車開発で合従連衡 巨額投資、単独の負担重く 提携戦略の成否が鍵

 電気自動車(EV)など次世代車の開発を巡り、国境や業界をまたいだ合従連衡のうねりが広がっている。EVの性能に直結する電池や、高度な自動運転を実現するためのソフトウエア開発などに巨額の投資が必要で、単独での負担が重くなっているためだ。大変革期の中にある自動車業界では、提携戦略の成否が今後の盛衰を左右しそうだ。

電気自動車(EV)を巡る各社の連携関係
電気自動車(EV)を巡る各社の連携関係

 「日産自動車とホンダがEVで組むのは、現実的な対応だ。ハイブリッド車(HV)や、電池での協業に広がるといい」。自動車業界に詳しい東海東京インテリジェンス・ラボの杉浦誠司シニアアナリストは、両社の動きを前向きに評価した。
 日産は、企業連合を組むフランス大手ルノーのEV新会社アンペアに出資する方針を示しているが、1月にはルノーがアンペアの新規株式公開(IPO)計画の中止を発表し、先行きに不透明感もある。業界関係者は「日産がホンダと組めば、ルノーとの関係に影響が出る可能性がある」との見方を示した。
 世界最大市場の中国ではEVが急速に浸透し、日本メーカーは対応が課題になっている。トヨタ自動車は、中国のEV最大手、比亜迪(BYD)と組み、共同開発した車種を昨年発売した。一方、米国向けのEV開発を強化するため2010年に発表した米テスラとの提携は、既に解消した。
 ホンダは、日本などで今年発売する燃料電池車(FCV)に、米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発した水素燃料電池システムを搭載する。さらに電機大手のソニーグループとの共同出資会社でEVを開発し、25年前半から注文を受け付ける。

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