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伊藤忠、BM事業買収 新会社で「再建可能」 創業家は排除

 伊藤忠商事は6日、中古車販売大手ビッグモーター(BM、東京)の再建を支援すると発表した。投資ファンドなどと新会社を設立し、中古車販売事業や整備事業を買収する。取得額は非公表。自動車保険の保険金不正請求問題で社会を揺るがしたBMの経営は、大手商社が取得することで転換点を迎える。伊藤忠は「事業再建が可能であり、取り組む意義があると判断した」と説明した。
 伊藤忠によると、新会社は4月後半に発足。BMの経営に大きな影響を及ぼしてきた兼重宏行前社長ら創業家は、新会社に資本面でも実務面でも関与しないという。従業員の雇用は維持する。消費者の信頼回復に向け、体質を変えられるかどうかが焦点となる。
 BMの和泉伸二社長は「多大なご不便とご心配をおかけし、改めて深くおわび申し上げる。信頼回復へ全力を尽くす」とのコメントを出した。
 会社分割方式でBMの主要事業を新会社に移す。伊藤忠と同社子会社、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズの計3社が出資する。分割したもう一方は不正請求問題への対応に当たるとみられる。
 伊藤忠は、ニッポンレンタカーサービスを傘下に持つ東京センチュリーの筆頭株主。高級輸入車販売のヤナセ(東京)も抱え、自動車事業のノウハウを持つ。BMの再建支援を通じ、事業強化につなげたい考えだ。
 保険金不正請求を巡り、BMは金融庁から保険代理店登録を取り消された。伊藤忠は、子会社の来店型保険ショップ「ほけんの窓口グループ」(東京)と連携させれば、グループの収益拡大につながるとみている。

 ビッグモーター問題 中古車販売大手ビッグモーター(東京)が損害保険各社からあっせんされた事故車両を修理時に故意に傷つけ、自動車保険の保険金を水増しして請求していた問題。ドライバーで車体をひっかいたり、ゴルフボールを入れた靴下を振り回して損傷の痕跡をつけたりしていた。創業者の長男の前副社長らは、店舗周辺の街路樹を伐採したなどとして、器物損壊容疑で書類送検された。

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