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21世紀枠で初出場の別海(北海道) 練習環境支援 町ぐるみ【センバツ100年 公立校の挑戦㊤】

 第96回選抜高校野球大会は18日に甲子園球場で開幕する。注目校を取り上げた。

ビニールハウスの中で打撃練習をする別海の選手たち=北海道別海町
ビニールハウスの中で打撃練習をする別海の選手たち=北海道別海町


 困難な練習環境を克服した学校などが対象の21世紀枠で初出場する別海(北海道)は、甲子園大会出場校で最も東に位置する。オホーツク海に面した人口約1万4千人の別海町。広大な土地に牛舎が点在する酪農の町が快挙に沸き立っている。
 選手16人ながら、昨秋の北海道大会は粘り強い野球で4強入りを果たした。別海のグラウンドは秋から春にかけて、約4カ月間、雪で閉ざされる。この期間は、地元農家の協力を受け、グラウンド脇に建てられたビニールハウスが練習場所だ。選抜大会出場が決まってから、甲子園を想定した土のグラウンドの練習環境を求めて、2月に鹿児島県で合宿を行った。3月には、茨城県で練習試合を実施。2度の遠征にかかった費用は、別海町からの補助金を充当した。中道主将は「お金を払わずに行かせてもらっている。町民の期待を感じる」と感謝の言葉を口にする。
 町では、生乳製品やホタテ、サケなどを中心とし、ふるさと納税が好調。選抜出場決定後、すぐに町議会が5千万円の補助を決めた。飛行機を2本乗り継ぐ必要がある生徒の応援などにも、補助金が充当されるという。
 地元のコンビニエンスストアで副店長を務めながら指導にあたる島影監督は「町はお祭り状態。ありえないくらい支援を受けている。精いっぱい全力でプレーする姿を見せたい」。小さな町の全面支援を受け、夢舞台に乗り込む。

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