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食料危機備え農政再構築 政府 農業基本法改正案を提出

 政府は27日、日本農業と政策の在り方を示す食料・農業・農村基本法の改正案を閣議決定し、国会に提出した。食料危機時の対応方針を定めた食料供給困難事態対策法案と、農地を有効利用するための農地法改正案も併せて提出。一連の法整備で農政を再構築し、食料安全保障の強化につなげる。

農業関連3法案の概要
農業関連3法案の概要

 基本法は1999年の施行以来初の改正で、食料安保の確保を基本理念に位置付ける。紛争に伴う食料危機や地球温暖化、人口減少に対応し、環境と調和の取れた食料システムの確立を目指す。坂本哲志農相は記者会見で「国民に安定的に食料を届ける責務を果たしたい」と述べた。
 基本法改正案では、食料安保を「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ国民一人一人がこれを入手できる状態」と定義した。食料自給率のほか、肥料や飼料といった農業資材の確保などを念頭に複数の目標を設定し、達成状況を少なくとも年1回調査する。
 持続可能な食料供給を実現するため、生産コストの適切な価格転嫁も後押しする。食料の価格設定に関し、需給や品質評価が適切に反映されることに加え「合理的な費用が考慮される」ことが必要だと明記した。
 新たに制定する食料供給困難事態対策法案では、食料危機につながる恐れがある場合、首相をトップに全閣僚が参加する対策本部を内閣に設置。コメ、小麦、大豆などの供給目標を決め、農家に生産拡大を要請し、増産計画の届け出を指示できると規定した。
 加えて農地法などの改正により、農業法人への企業の出資規制を緩和する方針だ。

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