富士市に25年度開設、動物愛護センターPR 電車内広告や寄付募集
静岡県は2025年度に富士市大淵に開所する静岡県動物愛護センター(仮称)のPR活動を本格的に始めた。JR東海道線の車両内をセンターの広告で埋め尽くす「トレインジャック」を展開し、ふるさと納税制度を活用したガバメントクラウドファンディング(GCF)で寄付を募る。動物愛護を象徴する新たな施設として知名度アップを図る。
同センターは「動物の命をつなぐための拠点」を掲げ、保護した犬や猫の収容機能を拡充して新たな飼い主への譲渡を推進する。ドッグランも新設し、県民が親しみやすい施設を目指す。障害者支援施設「県立富士見学園」の跡地に移転し、今年6月ごろから改修工事に着手する。
トレインジャックは11日まで、車内の中づりなどにセンターをPRするポスターを並べている。ユーチューブやデジタルサイネージ(電子看板)にも広告を出し、幅広い層に周知を図る。
GCFは4月16日から募集する。目標金額は他自治体の実績を踏まえて1773万円とした。調達した資金は、保護した犬や猫の飼育環境向上や飼い主のいない猫を減らすための不妊去勢を行う手術室の整備などに充てる。
県衛生課は「人と動物の共生や命の大切さを伝えるという趣旨に賛同し、応援してほしい」と県内外からの協力に期待する。
県動物管理指導センター(浜松市)の老朽化が進み、行き場を失った犬や猫の処分施設というイメージも強いことから機能転換を図る。愛称も募集する予定。