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テーマ : 浜松市

裏金実態 新証言なし 首相 在任中パーティー開かず 政倫審 塩谷氏 1日出席

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、岸田文雄首相は29日、衆院政治倫理審査会に出席し「国民の大きな疑念を招き、政治不信を引き起こした」と謝罪した。安倍派(清和政策研究会)が2022年にいったん中止した資金還流を復活させた過程について明確に説明できず、派閥裏金の実態に関する新たな証言が出ることはなかった。首相自身の政治資金パーティーをやめるよう立憲民主党の野田佳彦元首相に迫られ、在任中は開催しないと述べた。

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会で謝罪する岸田首相=29日午後(代表撮影)
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会で謝罪する岸田首相=29日午後(代表撮影)
政治倫理審査会への対応と不記載額
政治倫理審査会への対応と不記載額
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会で謝罪する岸田首相=29日午後(代表撮影)
政治倫理審査会への対応と不記載額

 首相と二階派(志帥会)の武田良太事務総長が審査に臨み、報道機関に全面公開された。現職首相の出席は初めて。
 首相は弁明の冒頭「党総裁として自ら説明責任を果たす」と表明した。安倍派、二階派のパーティー券売り上げの資金還流に関し、党調査では「議員個人が受領した例や、政治活動以外への使用、違法な使途は把握されていない」と説明した。
 安倍派の22年の還流復活について問われ、経緯は確認できていないと答弁。いずれも15日公表の、政治資金収支報告書に不記載があった議員への党の聞き取り調査の範囲にとどまった。共産党の穀田恵二氏は資金還流が20年以上前に始まった可能性があるなら、清和会会長を務めた森喜朗元首相に確認するよう要求。証人喚問にも言及した。
 首相は事件について「原因が順法精神の欠如にあるならコンプライアンス(法令順守)確立へ改革を進める」と強調した。不記載議員に「政治責任、道義的責任はある」と明言。説明責任を促すとし、状況を踏まえて党の処分、政治責任を判断するとの考えを示した。
 政倫審は議員ごとに、本人弁明15分と1時間5分の質疑を実施した。3月1日には、安倍派で役職を務めた西村康稔前経済産業相、松野博一前官房長官、塩谷立元文部科学相(衆院比例東海)、高木毅前国対委員長の4人が出席する。

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